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映画<ネタバレ・あらすじ>本

「Aではない君と」(薬丸岳)<ネタバレ・あらすじ>息子が殺人で逮捕!嘘だと言ってくれ!なぜ何も話してくれないのか?!

 

完全ネタバレですのでご注意ください

 

 

Aではない君と (講談社文庫)

 

 

< ネタバレ・あらすじ >

Aではない君と  薬丸岳

 

 

穂村建設に勤める吉永圭一は恋人・野依美咲のアイデアを活かした企画が通り祝杯をあげます。

吉永には14歳の息子・翼がいるが5年前に別れた元妻の青葉純子が引き取っていました。翼の同級生(藤井優斗)が雑木林で胸を刃物で刺され殺害された事件があり刑事が被害者の同級生や保護者に話しを聞いているらしく訪ねてきた。

祝杯をあげている時に翼から電話があった事を思い出し事件に巻き込まれたのではと不安になるが翼は無事だと聞いて安堵します。

しかし、翼が警察に連れて行かれたと純子から連絡があり急いで東大和署に行くと目の前の道路にはマスコミがあふれていた。取調室に連れて行かれると遺体を遺棄した容疑で逮捕したと聞かされる。

 

吉永はマスコミに追われ美咲のマンションに逃げるが事件を知った美咲は受け入れてくれませんでした。

会社には翼が事故に遭ってと説明し早退や遅刻を繰り返すようになるがマスコミが仕事場に来るのではないだろうかと恐怖心で埋め尽くされていた。テレビや新聞では事件について大きく取り上げられておりネットで検索すると住所だけでなく純子と翼の画像が出回っており世間では大騒ぎになっていた。

純子とは連絡が取れないため少年犯罪に強く加害者側の身になって考えてくれる「芹沢法律事務所」に行くと長戸光孝という弁護士が相談に乗ってくれた。

国選だとやる気も力量もない弁護士に当たる可能性があるため、家庭裁判所の元裁判官だった芹沢が参謀として仕事をチェックしてくれるというのもあり長戸弁護士にお願いする事にした。

しかし長戸弁護士が何を訊いても翼は黙ってうつむいたままでした。少年審判は他人の目に触れられる事はないが殺人や傷害の場合は被害者遺族が傍聴する事ができます。また家裁から検察に送致し直される逆走になって刑事裁判を受けたケースは14歳ではないと知ります。

親権者でも監護権者でもないので賠償責任を負われる可能性は低いらしいが父親として責任を負わなければならないと思う吉永は逆の立場で考えると何をしても許せないのでどうしたらいいのか分からなかった。

 

翼と会える許可が出たので長戸と一緒にタクシーで向かうが翼は何も話さないどころか面会を拒否するようになったので吉永は差し入れする日々が続きます。

翼が何も話してくれないので少年事件を多く手掛けている神崎京子弁護士を雇う事にします。マスコミが会社まで押しかけるようになった事で職場に知れ渡り辞表を出すよう言われるが神崎からどんな事があっても生活を守るよう言われていたので働かせてほしいとお願いした。

優斗を殺した事については頷いたことで殺人の容疑で再逮捕され、この時に長戸が無力感に耐えられなくなり弁護を降ります。また付添人選任届に翼はサインしなかったため純子のサインをもらい神崎が付添人になるが翼が何も語らないので方針を立てることも出来なかった。

翼が少年鑑別所に収容されたので面会に向かうと翼の態度は変わらないままだったが弁護士に対して敵意を抱いている事に気付きます。
殺人事件で保護者が付添人になった前例はないが本当の事を話さないと更生できないと訴えると許可が得られます。
調査官が作る少年調査票が提出される前に翼からすべて聞き出さなければならない。
 
事件現場に純子のアパートの花瓶に活けられていた赤い花が咲いていました。
あの花瓶は翼が大事に可愛がっていた猫のペロが死んでしまった時に買ってきたものだ。12月にペロが死んだと翼から聞いていたが調べると5月だと分かり埋めたと言っていた場所に行くとその前から新しいマンションが建っていた。
 
ペロを拾った場所に埋めたと何故嘘をついたのか。
翼は犯行直前に電話で何を話したかったのか。
翼が優斗を呼び出したメール「もっと、おもしろいもんを見せてやる」にはどんな意味があるのか。
初めから優斗を殺すつもりだったのか。
何故、弁護士に反感を抱いているのだろうか 。

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翼のクラスメイトの証言で優斗から「被告」と呼ばれていた事が分かり家に木槌があった事を思い出した吉永は裁判の真似事してイジメにあっていたのではないかと吉永は疑う。
面会で翼のことが知りたい!と必死で心に呼びかけると翼の目から涙がこぼれた。
学校が終わると毎日のように裁判ごっこになり、優斗から「被告は親から見捨てられた存在であり…」と弁護されるが判決は必ず有罪になり学校で悪戯をさせられていたのだ。
翼にとってみれば弁護士だろうが検察官だろうが味方ではないと染み付いてしまい何も話さなかったのだ。
しかし何故虐められるようになったのか、ペロのお墓の場所は何処なのか聞いても翼は頭を振り続けるだけだった。
 
家裁の調査官である瀬戸に報告すると再調査がはじまり栗原と久保が裁判ごっこで虐めていた事を認めた。
また吉永の予想通り事件現場から猫とハムスターの大量の骨と優斗の携帯が見付かり、その携帯には翼が泣きながらペロを殺している映像が残っていた。
父親と離れて暮らす翼に仲間意識を持って近寄ってきたのだが吉永と三ヶ月ぶりに会い楽しんでいる姿を見られ裏切り者だと責められたのです。
裏切られたから死んでやると言われ、翼は優斗が1番大事だからやめてくれと説得するが大切にしているペロを殺したら許すと言われたのだ。
それから裁判ごっこが始まり従わなければ動画を吉永に送ると脅されていました。
優斗が買ってきたハムスターを殺す事を強要されており、翼は両親に気付いてほしくてハムスターの餌を万引きして警察に捕まったり飼ってもないハムスターの餌を台所にわざと置いたりしていたのです。
 
心を殺すのは許されて体を殺すのは何故許されないのか。
動物を殺すのは許されて人を殺すのはなぜ許されないのか。
ペロを殺してしまったときは苦しいが優斗は殺されて当然だと翼が想いを吐き出した。
吉永は翼が反省する事がないため少年院での矯正教育が必要だと記した。
 
着替えのスエットの写真を見て、これから殺す人が派手な色を選ぶわけないと思った吉永は事件現場の近所を訪ねていくと盗まれていた事が分かり計画的殺人ではなかったと分かります。 
吉永に電話をかけてきたのは「さよなら」を言おうとしていたのではないだろうか。 
最後に翼に面会し真実を話すことから償いが始まると説得するが翼はとうとう審判でも何も答えなかった。
被害者に対し反省の想いが深まっていないことで初等少年院に行くことが決まった。
そして損害賠償請求を起こさない事を条件に、優斗がしていたことを公にしない、翼が更生した姿を見せてほしい事をお願いされ吉永は「わかりました」と答えた
 
翼は2年間少年院にいて中学卒業の資格を得ていたが担当教官から贖罪の気持ちが深まっているかに関しては疑問が残ると言われます。
居酒屋で翼はアルバイトしていたが吉永は異動を命じられたため翼と一緒に行こうとすると通信教育をやめて料理人になりたいと言いだした。
吉永はあの場所なら翼はやり直せると期待して1人で行く事にしました。
出院してから2年経ち翼は来年には調理師免許の資格を取れるため勉強をはじめていた。
吉永は約束を守るため翼を連れて藤井を訪ねる約束を神崎に取りつけてもらった。
だが、待ち合わせ場所に翼は来なかった。
店の従業員に事件の事を知られ自分が作ったまかないを捨てられた事で店を飛び出してしまったのだ。
 
やっと連絡がとれた翼から「あの場所で待ってる」と電話を切られペロのお墓で自殺するのではと不安になり急いで駆け付けると暗闇に立っている翼を見付けます。
翼は事件の日、ハムスターを殺させている優斗に対して怒りがわいてきたのだ。
自殺など考えてなく優斗を殺そうとしてメールで呼び出したが急に怖くなり誰かに止めてほしくて吉永に電話していたのです。
自殺しようとしていたと思っている吉永に翼は本当の事が言えずに苦しんでいました。
 
自分の作った料理を吉永がおいしく食べているのを見て翼は嬉しくて泣いていた。
その姿をみた吉永は本当の事を聞いても成長した姿が見れるから生きていてよかったと話す。
だが藤井はそれすらもできないのだと伝えると優斗を大切にしている人の心も殺したんだと心から気付きます。
翼は何が更生が分からないが謝りたいと思い藤井に謝罪した。
優斗を恨んでいた事を正直に話すが今では取り返しのつかないことをしたと頭を下げ優斗の写真を掴み泣きながら「ごめん」と何回も謝った。
 
これから先、翼は自分を受け入れてくれる人とは出会えず重い十字架を背負って生きていかなければならないが吉永は絶対にひとりにはさせないと思うのです。(終)