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映画<ネタバレ・あらすじ>本

「友罪」薬丸岳<ネタバレ・あらすじ>過去の過ちから逃げ続ける三人の出会い・親友が誰もが知る凶悪事件の犯人かもしれない!!

 
完全ネタバレですので読んでいない方はご注意ください
 

友罪 (集英社文庫)

 

<ネタバレ・あらすじ> 

  友罪 薬丸岳 

 
 
ジャーナリストを夢見ていた益田純一は出版社で人の命より金になる記事の方が大事だと考える先輩を殴りつけてしまい辞めてしまいます。
ネットカフェで暮らすようになるが金がなくなっていき寮がある会社なら何処でもいいと思い川口にある「カワケン製作所」に就職します。
採用されたのは益田だけではなく同い年の鈴木秀人がいました。
寮には寮長をしている山内、強面な感じの清水、若い内海が住んでいて益田は挨拶するが鈴木はいつも下を向いていて寮内で歓迎会をしてくれた時も頷くだけだった。
 
隣の部屋にいる鈴木の毎晩魘されている声に起こされ益田自身も過去を思い出し魘されるようになる。
益田は中学生の時に転校するが同じタイミングで転校してきた桜井学が「いじめ」を苦に自殺してしまった事がある。
同級生として助けられなかった事に後悔している益田は学と雰囲気が似ている鈴木に寮では避けることはしないで仲良く一緒に生活しようと伝えた。
もし自殺したら悲しいと言うと鈴木は目もとが潤み「ありがとう」と言って出て行った。
学は遺書を残しておらず母親は自殺の理由を探っていたが益田は何も話せませんでした。ある時、新聞社に告発する手紙が届けられ、いじめに加担していた生徒の名前と教師もいじめがあった事を把握していることが記されていた。
勇気を出してくれてありがとう、と学の母親から言われるが手紙を送ったのは益田ではない。
しばらく報道陣が押し寄せるようになり、この騒動は隣町で起きた前代未聞といえる「黒蛇神事件」にかき消されるまで続きました。
 
事務員の藤沢美代子は河川敷で弁当を食べていると草むらに座っている鈴木を見付ける。人と関わりたくない美代子は素通りして場所を変えようとしたが鈴木が猫に対して尋常ではない怯え方をしていたので声をかけると「生きものは苦手なんだ」と立ち去ってしまった。
美代子は女優を夢見て実家を飛び出すが東京で出合った達也の口車に乗せられAV女優となってしまったのです。達也から逃げるように職を転々としやっと自分の事を誰も知らない居場所を見付けたのだ。
帰宅途中に子猫がミィミィ鳴いているのを見付け親族と離れて1人で生きて行かなければならない自分と重ね合わせ「友達になってくれる?」と声をかけ家に連れて帰った。
猫に怯えている鈴木の事を思い出し彼もどこか自分に似ていると感じた。
マンションの前に達也がいるのを見付け震えだすが忘れ物を届けに来た鈴木が身を挺して助けてくれました。
人を殺したわけではなく、罪を犯したわけでもないから逃げ回ることはないと言ってくれた鈴木の言葉は美代子に勇気を与えます。
しかし電話番号とメルアドを交換するが鈴木の携帯には1人の登録者しかなく、知りあ
って1ヶ月しか経っていない益田を親友だと言い同世代なら誰でも知っているような事
を知らない事に美代子は驚きます。
それでも美代子の家でデートを繰り返すようになった鈴木は寮のみんなとも仲良くなり笑うようになっていた。
 
益田は仕事中に不注意で指二本を切断してしまうが鈴木の的確な処置のおかげで縫合手術は成功します。鈴木は自殺したら悲しいと言ってくれた益田のことを親友だと思っているが大きな意味を持って言ったわけではない益田は罪悪感を憶えるが助けてくれた事に感謝した。
毎日お見舞いに来てくれる鈴木は益田の学生時代の話や恋愛の話などやたら聞いてくるが逆に問いかけると引きこもりだったから思い出がないと言う。
知り合いのアナウンサーから番組で少年犯罪の特集をやるから14年前に起きた黒蛇神事件に付いて意見を聞きたいとお願いされていた益田は「黒蛇神事件」についての本をいくつか用意して欲しいと鈴木に頼んだ。
「黒蛇神事件」は空想に入り込んだ青柳健太郎が母親が可愛がっている弟と同い年の子供二人を殺した事件で、遺体は両目がくり抜かれており「黒蛇神に捧げた命だから喜びと受け止めよ」と文面を残した。

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病院で鈴木秀人の親戚だと言う白石弥生に声をかけられる。
鈴木のノートに描かれていた女性の顔に似ていると気付いた益田は過去の記事で読んだ犯人の青柳を立ち直らせた母親役の精神科医S先生ではないかと疑います。
 
益田は大学の先輩の須藤に連絡して青柳について取材した相手を何人か教えてもらいます。写真を撮るためにカラオケに誘うが鈴木はカラオケに行ったことがなく流行った曲なども全く知らなかった。
寮に戻るとポストに達也が投げ入れたDVDを見付け清水が再生するとすぐに女が美代子だと気付いた。
清水と内海は盛り上がり益田はくだらないと思い自分の部屋に戻ろうとすると、
美代子を送って戻ってきた鈴木がバッドを持ってやってきてテレビを叩き壊し清水と喧嘩になってしまう。
人の過去をほじくり出して楽しんでいる奴を赦せない鈴木は 「いつも過去に苦しめられる気持ちは分かる。でも彼女は僕と違って悪いことは何もしていないじゃないか」と言います。  
達也を見付け因縁をつける鈴木は殴られても立ちあがり 「もっと殴れ、人を殺すのは簡単だ、経験者だから分かるんだよ」と言いながら近付いていきます。
逃げるように達也が去ったあと鈴木は「過去に人を殺したことがあるんだ」と美代子に告げるが、死んだら悲しいと人生ではじめて言ってくれた親友の益田に最初に話したいと言いました。
 
「黒蛇神事件」についてのホームページを作る青柳の同級生を訪ね鈴木の写真を見せると 「驚いた・・青柳だ」と言いました。
誰も知らない現在の青柳を知っていることが須藤にばれてしまい世間に伝えられないのならジャーナリストになる資格はないと言われ記事を書くよう頼まれます。
 
益田は鈴木と2人で飲みに行くと過去の話を聞きたいのは友達としてなのかジャーナリストを目指している者としてなのか?と訊かれ「もちろん友達としてだ」と答えた。
しかし「益田も何かから逃げているはず、それを自分を背負ってこの先の事を考えたい」と言われ 耐えられなくなった益田は一緒にするなと怒鳴って逃げてしまう。
居場所を見つけたのに記事が雑誌に載ったら鈴木は自殺してしまうのではないかと思い原稿を送った須藤に記事をだすのは止めるようお願いするが翌日、出勤する電車のなかで「黒蛇神事件 少年Aの今」の広告を見て驚きます。
反省をまったくせず同じ事件を引き起こしかねないと言っているような内容であり寮に戻った益田は鈴木と目が合い直感的に記事を読んでいると察知します。
そして翌朝になると「今までありがとう、さようなら」と手紙を残し鈴木はいなくなりました。
 
職場では黒蛇神事件の犯人は鈴木だったという話題で持ちきりになり「黒蛇神事件の犯人の彼女は元AV女優」という記事も出回っていまします。
美代子は犯罪者ではないのだから逃げる必要はないと言った鈴木の言葉を受け止め職場に残る決意をするが自分の将来と金のために売った益田を恨んだ。
 
今現在の鈴木を知らない者は殺人者を分かろうとしない。
鈴木が生きていく居場所を奪っただけであり罪悪感を薄めるためにジャーナリストになろうとしていただけだと益田は気付きます。
子供が交通事故を起こし3人の命を奪ってしまった寮長の山内はどうやって償えばいいのか考え家族をやめる決断をしていました。
離婚して刑務所にいる息子に死ぬまで会わないと告げた山内は鈴木と息子を重ね合わせ過去から逃げず罪を見つめながら生きて欲しいと願っていた。
 
山内の話を聞いた益田は鈴木を死なせたくないと思います。
「二度と友達を死なせなくない」
学は自殺する直前に助けを求める電話をしてきたが偶然にも虐める生徒が自宅にいたため視線に耐えられず死にたいと言った学に勝手にすればと言ってしまったのだ。
最後の学の「さよなら」と言う声を14年経った今でも忘れる事は出来ず苦しんでいた。
学を見捨てたのと同じ事を鈴木に対してしてしまったのだ。
 
幸子に会いに行き、告発の手紙を書いたのは自分ではないと告げると学の遺書を丸写しして幸子が新聞社に送ったことが分かった。
遺書には益田のことだけは書かれていなかったが幸子に本当の事を話して謝罪した。
転職した益田は仕事の合間を縫って殺された被害者の遺族のもとを訪ね歩き原稿を書いていた。
 
自分が犯してしまった罪を見つめながらしっかり生きて欲しい。
もう一度君に会いたい。
話の続きをして、これから先どのようにして生きていけばいいのか一緒に考えよう。
どんなことがあっても友達でいるといった約束を果たしたい。
 
鈴木宛に書いた手記は益田純一、本名で発表された(終)