「手紙」ネタバレあらすじ(東野圭吾)強盗殺人犯の弟というレッテルが付きまとい差別のない国を求めるようになる

 

作品情報キャストの紹介

東野圭吾さんの感動小説を生野慈郎監督が映画化。

殺人犯の弟として人生を狂わされてきた青年はついに刑務所にいる兄貴に離別の手紙を送るが何故か兄貴から返事の手紙が送られてくる。

 

◆武島直貴(山田孝之) 

どんな時でも「殺人犯の弟」とされてしまい、

ついに家族を守るために刑務所にいる兄貴に離別の手紙を送る

◆白石由美子(沢尻エリカ) 

直貴に一方的にアプローチ!手紙の重要さを理解している

◆武島剛志(玉山鉄二) 

弟を大学に行かせるために盗みを働いてしまうが帰ってきた住民を殺してしまう。

一人残された弟を心配し手紙を書き続けるが・・・

◆中条朝美(吹石一恵) 

直貴と同居していたが家族から反対される

◆寺尾祐輔(尾上寛之) 

お笑いコンビ「テラタケ」で直貴とコンビを組んでいる

◆緒方忠夫(吹越満)

剛志に殺された被害者の息子

 

ネタバレあらすじ/手紙

東野圭吾「手紙」を山田孝之主演で映画化

 

高校生の武島直貴は兄・剛志と二人暮らし。

弟を大学に進学させるため必死に働いていたが腰を痛めてしまった剛志は金欲しさに空き巣に入ってしまいます。

帰宅した緒方敏美に見付かり必死で謝罪するが、気付くと敏美の胸にハサミが突き刺さっていました。

直貴は謝罪するために葬儀に行くが遺族の姿を見て逃げ出してしまいます。

裁判でもうまく証言できなかった直貴は兄の望みでもある大学進学を目指します。

 

人殺しの弟

1年後、獄中の剛志と手紙のやり取りをしていた直貴は勉強も学年トップクラスだったが大学進学を諦め就職する事を伝えました。

「人殺しの弟」というレッテルが付きまとい引っ越しを繰り返す羽目になったのです。

就職しても転職を繰り返して1人で生きて行こうとするが中学の同級生・寺尾祐輔と共にお笑いコンビ「テラタケ」を結成し工場で働きながらなんとか頑張っています。

(原作ではバンド活動)

 

通勤の時には帽子を深くかぶり接触を避けていたが食堂係の白石由美子から一方的にアプローチされます。

ある日、兄貴が刑務所にいると偶然知られてしまった先輩から「やりたい事があるなら諦めるな、兄貴が何をしたか分からないが道が閉ざされたわけじゃない」と言われます。

直貴は付きまとう由美子に「兄は強盗殺人犯だから近付かない方がいいよ」と伝え退職しました。

 

生涯

バーテンダーをしながら本気でお笑い芸人を目指し番組出演が決まった頃、店に由美子がやってきます。

直貴の姿を見て由美子もやりたい事を頑張ろうと思い美容学校に通い始めていました。

芸人になっている直貴を刑務所のテレビで見ていた剛志は喜びます。

CM出演も決まった直貴は飲み会で知りあった中条朝美と恋人関係になるが朝美の父親には一人っ子だと嘘をついてしまいます。

恋愛も仕事も順調で罪悪感を感じながらもようやく幸せを手に入れたはずだったが・・・

直貴がテレビに出始めると剛志の事がネットで流れ出しCMもダメになります。

祐輔だけは道連れにしてはいけないと思った直貴はマネージャーに祐輔の事をお願いし解散する事を伝えました。

直貴は父親から交際を反対されている朝美と同居するが彼女の父親が勝手に決めた縁談相手の嘉島に強盗殺人犯の兄がいる事を調べられ知られてしまいます。

朝美は引ったくりに遭って顔に傷を負い病院で付き添っていた直貴は手切れ金を渡されました。

 

手紙の力

剛志のせいで仕事も人間関係もダメになった直貴は家電量販店で働き出し、引っ越して手紙を出すのを止めます。

順調に進んでいたが店に強盗が入るとまたもや差別を受けて倉庫の方へ移動させられ、「差別のない国へ行きたい」と由美子や祐輔に愚痴をこぼすようになります。

 

由美子は直貴のフリをして剛志と手紙のやり取りをしていました。

縁を切ると決めたから勝手な事するなと怒りを露わにする直貴だが「差別のない国なんてない、ここで生きて行くんだ」と言われます。

由美子は父親が騙され借金を背負いずっと逃げながら生活していたが最終的には家族がバラバラになっていました。

それでも前に進めたのは父親からの手紙があったからでした。

その手紙は命より大事だと言われた直貴は由美子の想いを受け止めます。

 

離別

直貴は由美子と結婚しました。

由美子が4歳になる娘を連れて公園に遊びに行くと周囲の人間から避けられるようになります。

「人殺しの娘」だと差別されているのを知った直貴は引っ越そうとするが由美子は何も悪い事はしてないのだから逃げるのはダメだと言います。

芸人になる夢、朝美との結婚、すべてを諦めなんとか生きてきたが、

今では娘まで差別されるようになり家族を守るため兄貴を捨てる決意をします。

直貴は4年振りに書く手紙で剛志に縁を切る事を伝えました。

 

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結末/手紙

直貴は初めて被害者遺族に謝罪に訪れます。

緒方敏美の息子・忠夫は剛志から届けられていた手紙の束を持ってきます。

徹底的に無視していたがそれでも6年間途絶える事なく手紙が届き、これは般若心経なんだと気付きました。

「弟からの最後の手紙を読み私は罪を償っていない事に気付きました。私がいるかぎり、たくさんの人々にたいして罪を犯し続けていたのです。手紙を書くべきではなかった。これで最後にします、申し訳ありませんでした。」

忠夫は剛志からの最後の手紙を読み許しました。

そして、お互い長かったなと言われた直貴も剛志の心情を受け止め涙しました。

 

直貴は1度だけ祐輔とテラタケを復活させ慰問コンサートに行きます。

漫才ネタで「どんなに馬鹿な兄貴でも血が繋がっているからずっと兄貴ですよ」と台詞を入れました。

爆笑する受刑者の中に涙を流しながら感謝する剛志がいました。

 

感想/手紙

弟君は逃げていたかもしれないが道は外れなかった。

普通は逃げるでしょうね。人の目が気になり何をしても疑われ恐怖心で押しつぶされてしまうと思う。

被害者遺族には許しを得ても「人殺しの弟」として、そして娘さんもこれから辛い日々が待っていると思う。でも逃げずにここで生きていくんだと強い決心がある奥様がいるから大丈夫でしょう。

ただ、人の命を奪ったのですから・・・

弟さんは関係ないが辛い人生ですね、涙。

 

東野圭吾-原作
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鑑賞感想