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へぇ~♪そうなんだ~♪

映画<ネタバレ・あらすじ>本

夜想(貫井徳郎)<ネタバレ・あらすじ>(後半)新興宗教がテーマ!歩むためのヒントを見付ける

貫井徳郎 ドラマ ミステリー BOOK

 

完全ネタバレですので読んでいない方はご注意ください

 

 <前半>

夜想(貫井徳郎)<ネタバレ・あらすじ>(前半)新興宗教がテーマ!不思議な能力の持主と出会い宗教化 - へぇ~♪そうなんだ~♪

 

<ネタバレ・あらすじ> 夜想 (後半)

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組織の活動内容を聞いてきた二人の男から笠置の過去を聞く事になる。

笠置は一生懸命働いていたが知らぬ間に妻に浮気されていて子供たちを連れて勝手に出て行かれていた。

なんのために働いていたのかと空しさを感じると労働威力がなくなり会社を辞め、その後新宗教に打ち込むが金がなくなると宗教団体から見放されたのだ。
スナックで働いている女性と出会い救われた事で「幸せの光」を立ち上げたが人を救う能力があるから力になりたいと思う笠置と金儲けしか考えてない人でもめる事になり辞めたのだった。
 
若い人達が友達を勧誘してメンバーを増やしているらしいがコフリットは遙の考えに賛同した人が集まった自然発生的な会であり勧誘する必要性が雪藤には分からなかった。
雪藤の意見は少数派であり、やはり自分は孤独なんだなと痛感するが遙と心を1つにすれば組織内でいくら浮き上がろうと何も怖くない。
だが若いメンバーたちは独自に勉強会を立ち上げると遙も興味を持ち生き生きとしていた。
他の者に奪われると思うとこんな状況になるきっかけを作った磯崎に恨みを持つようになる。
 
磯崎たちの勧誘の仕方が問題になり無理矢理入会させられたとメンバーの父親から苦情があり、
遙が抗議があったからには勧誘はやめる事を決定すると磯崎は活動目的がなくなると言い出した。
講演会を成功させる事と本を出すという一大事業があるからそこで参加して欲しいと雪藤はお願いし会議で意見するたびに遙の同意を求めるようにした。
遙が頷いた事は決定事項とすると笠置が意見を控え若手を代表する磯崎の立場が弱くなりコフリットは雪藤が運営する組織となっていく。
 
確実に寄付が見込める相手を笠置と二人で回り始めた雪藤は、
「遙を信じていれば損をすることはないでしょう」と寄付させる自分に宗教と同じではないかと気付きます。
だが金儲けではなく講演会を成功させるためであり人を救うためだと思い込むと久しぶりに真沙子がいて「そうね」と言った。
 
雪藤は自分が席を外している時のスタッフの会話が気になりICレコーダーを引き出しの中に入れた。
「最近の雪藤さん、ずいぶん思い詰めた感じで傍で見てて苦しそうだもんね」
「ひとり言が多いのがね、前から多いけど最近特に増えたと思わない?」
雪藤は、ひとり言を喋っているという自覚はまったくなかったので驚いた。
 
遙は、周囲の人達は心配しているだけであってコフリットに雪藤を嫌ったり憎んでいる人はいないから周りを疑わないで欲しいと言う。
1人だと思っているから誰にも心を開けず、どんなに大切な存在か説明しても信じてくれないのでしょう?
雪藤は遙が何を言っているのか分からなくなりクリニックを訪ねると辛い事があったらここで吐き出して戻ったら信念を持って進めば問題ないと怜子は言った。
 
公演で子安嘉子に遙が顔を切りつけられる事件があった。
子安は前に遙のもとへ娘を探しているとやってきた人物だが、
遙は自分の娘を殺して庭に埋めた事がみえてしまい、お金は受け取らず何も見えませんでしたと言って帰らせたのだ。
また子安が娘を探していたのは殺した実の娘ではなく娘の変わりと思って育てていた人物だった。
遙はスタッフの三森以外とは会わなくなり「コフリット」を離れると書かれた手紙が届く。
 
遙がいないコフリットなど考えられない雪藤は必死で探すとついに秋葉原で左頬に傷がある遙を見付けるが、
連れて帰ろうとすると事務所には行きたくないと言うので仕方なく自宅に連れ帰る事にした。
自分が窓口となり遙を守らなければと思った雪藤は心配しているスタッフに一度だけ会わせる事にしたが、
顔に傷を負っただけでも苦しんでいるのに遙を見るスタッフの愕然とした表情に苛立った。

充実している日々が続いていたある日、辞めたはずの磯崎がゴミを出しているスキに勝手に家に上がりこんでいた。
彼女をどこに隠したんだと呆然と立ち尽くしているので仕方なく磯崎の足許に坐っているだろうと教えた。

「なに言ってるんですか、これは先生なんかじゃない、ただの人形じゃないですか!!」

人形を遙だと思いこんでいた事を受け入れるのは難しかったがそれだけではなかった。
通っている北条メンタルクリニックなんてものはなく、ただのリラクゼーションルームで当然、北条怜子という名前の先生もいなかったのだ。
いつも会うカウンターの女性に聞くと
「お客様はいつもそのソファでひとり言をおっしゃっていました」
自分はどうしちゃったのだろうと真沙子に話しかけるが、いつも返ってくる返事は返って来なかった。

「生きていくのは辛いが、いつか必ず楽しい事があると何処かで望んでいるから人は生きられる」

「悲しい事や辛い事は越えなければならない義務のように感じるが乗り越えられないことを恥じに感じる必要なんてないですよ。」

ジャスミンで笠置にそう言われた雪藤はコフリットに戻る。
雪藤はまだ遙の声を聞いた事がない人のためにCDを作りたいと提案するとスタッフからのススメで遙の後に雪藤自身の言葉も収録するように言われた。
 
癒えない傷を無理に癒そうとするのは傷口を深くしてしまう。
救われたいと願っているうちは何も変わらない。
今は難しいように感じてしまうが楽しい気分で心を上書きすればいいのです。
それは他人に喜んでもらえる事をするのです。

ジャスミンに行くとマスターから遙の居場所が書かれたメモを渡される。
遙は社会福祉士になるために働いているらしかった。
雪藤は自分の夢ばかりを押しつけていた事を恥じたが遙が夢に向かって進んでいる事を知り嬉しかった。

今は自分の悲しみを受けとめ、真沙子も美悠もいない現実から目を逸らしたりはしない。

三輪車を押している遙と目が合うと雪藤は頷き笑いかけた、
真沙子、美悠がいなくなったあの日以来、初めて人のために笑う事が出来たのだ。 (終)