「闇の底」(薬丸岳)ネタバレあらすじ/死刑執行人サンソン・完全犯罪が成立してしまいました!!

 

作品情報

子どもへの性犯罪が起きるたびに同様の罪を犯した前歴者が次々と殺されていく。

性犯罪については生々しくは書かれていないのでストレスなく読む事が出来きます。

ただ前科者の殺され方はおぞましい……

事件が起こるたびに性犯罪者を殺せば恐怖を植付けこのような犯罪はなくなると考える処刑人サンソン。

刑事の長瀬は妹を性犯罪でなくしている過去をもち、前科者を見ると殺意を抱いてしまう為にサンソンの気持ちを理解しようとしてしまう。

次々と事件が起これば、 次々と処刑されていく前歴者。。

終わりは来るのでしょうか?

面白いですね、さすが薬丸さんです。犯人も最後まで分かりません。

 

ネタバレあらすじ/闇の底

刑事の長瀬一樹は係長とともに葬儀に向かいます。

遺影の中で微笑む7歳の牧本加奈は全裸の状態で山道から斜面に投げ捨てられていた。

精神的におかしくなる母親、必死で頑張る父、そして放心状態の加奈の兄。

長瀬刑事は「感情をおさえなくていいんだ!すべて吐き出せ」と目で必死に訴えました。

長瀬は24年前に妹・絵美を性的暴行で殺され被害者の気持ちがよく分かっているのです。その後、母親は精神的におかしくなり離婚、父は再婚して子供が出来たが長瀬は父にも弟にも会ってはいませんでした。

 

公園のごみ箱から人間の頭部だけと免許書が見つかる。

免許書に書かれている木村正次の住所に行ったところ風呂場で首から下が発見された。

お腹には「S」の文字が掘られていた。

やがて警察、大手新聞社、売上トップの週刊誌編集部にDVDと手紙が届いた。
”罪もない子供達を己の身勝手な欲望のために殺したお前達はその罪に見合うだけの報いを受けてない。子供が殺される事件が起きれば内藤信雄や木村正次のように過去子供を傷つけてきた人間を殺していく。サンソンは絶対に捕まらない”

DVDは木村正次が処刑される映像だった。内藤信雄は30年前に小学生を性的暴行で殺し自分が殺される3日前にも幼女を傷付けていた。

 

警察は被害者家族による復讐ではないか?と疑う

また加奈を殺したのは過去同様の事件で逮捕されてる人間ではないか?と捜査がはじまる。

やがて容疑者候補の1人、今でもレイプ事件を繰り返していた伊藤昇がホテルで殺されてるのが発見されます。

木村正次のように首を切られ腹には「S」と掘られていた。

 

長瀬は自分の過去の事を知られマスコミに追われていた。

そこで「私の中にもサンソンはいる、司法では悪だが被害者から見たら正義かも知れない」と発言してしまい新聞に連載されてしまうがサンソンから手紙が届きます。

”同志よ、やはり私の目的を理解出来るのは被害者家族だけなのだろうか、
君と直接話しをしてこの痛みを共有したいが捕まるわけにはいかない、携帯番号を教えてくれ、いずれ連絡する”

 

スポンサーリンク

 

結末/闇の底

携帯番号を誕生花に当てはめてあるホームページに記入しサンソンに知らせます。

殺された木村・内藤・伊藤は更生保護施設「ともしびの里」にいた事が分かった。

長瀬は施設を訪れ過去すべての性犯罪者の名簿を貰い帰りに命日だった絵美の墓参りをした。

そこで父親と16年ぶりに再会します。自分は涙が出なくなり母親は精神的におかしくなったのに再婚して幸せに暮らせてるのが何故か不満でした。

長瀬とともに行動していた刑事は長瀬の父親の名前「長瀬政樹」を見てどこかで見た覚えがあると考えていました。

 

長瀬の父親は30年前、内藤信雄の弁護士をしていました。

刑を少しでも軽くする事に成功した長瀬正樹だったがそれから自分の娘が殺されたのです。そして加奈を殺したのが当時専門学生で6年前に出所した小坂浩美でした。

 

長瀬の携帯がなります。

サンソンはどうせ盗聴されているのだから電源を切って留守電にしろと指示してきた。

留守電のメッセージは、
”小坂浩美を捕えた、これからいいものを見せてやるから1人で必ず来い、
メッセージを聞いたら必ず電源を切れ、
もし電話をかけてかかれば、また1人で来なかった場合は小坂を殺し姿を消す!”

 

長瀬は警察達から逃げるように消え、サンソンの元へ銃を握り締め会いに行きます。

そこには小坂浩美が後手で座った状態でいました。

1人だと確認した長瀬は警察に連絡しようとするが「約束通り1人で来てくれたんですね」と小坂は言いました。

サンソンは小坂浩美だったのです。

小坂は出所した後結婚し娘が生まれたが幼女が殺されるニュースをみるたびに自分の娘と重なり犯人が許せなくなっていったのです。

 

カバンの中にロープとナイフがあるからサンソンの手口同様に自分を殺せと指示してきます。

さぁ早く殺せ!!戸惑っている長瀬にサンソンは留守電にはメッセージがあるのだから1人でここへきた理由になるしサンソンはいなかったと言えばいいと伝えます。

愛おしい娘(沙耶)を見るたびに欲求をおさえるのが大変だったサンソンは24年前に絵美ちゃん(長瀬の妹)を殺した時の感触を思い出し・・・

聞いていられないと思った長瀬は「黙れ」と言い今までのサンソンの手口同様に実行しました。

サンソン事件は未解決のまま永遠に闇の底なのです。。完全犯罪である。

 

小説/BOOK
スポンサーリンク