作品情報キャストの紹介
デヴィット・ロウリー監督が「マンチェスター・バイ・ザ・シー」でアカデミー賞主演男優賞を受賞したケイシー・アフレックと「キャロル」でカンヌ映画祭女優賞を獲得したルーニー・マーラの共演で映画化。
ネタバレあらすじ
A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストリート
”目を覚ました時にいつも扉が閉まる気配がする”
引っ越しの準備に取りかかる夫Cと妻M。
子供の頃引っ越しが多かったMは戻ったときに昔の自分と出会うためメモを書いて小さく折りたたみ隠しました。
Cに「戻った事は?」と聞かれMは「ない、必要ないもの」と返事しました。
ピアノを自分で運べるかどうかMはチェックしていると作曲の仕事をしながらCは「もっと良いの買えばいいのに」と言いました。
夜中、急にピアノの音が響き渡り確認しに行くが特に変わった様子はありませんでした。
幽霊
Cは交通事故を起こし亡くなります。病院に駆け付けたMは遺体と対面したあとシーツを被せ出て行きます。
亡くなったはずのCはシーツを被ったまま起き上がり歩き始めます。点滴した車椅子の老人とすれ違いそのまま外に出ていき家に帰ります。
家で待っているとリンダが訪ねてきました。
リンダはノックして中に入り誰もいない事を確認すると「いつでも電話して、塗装の見積もりはいつになる?」とメモに書いて帰ります。
Cはメモを読んでいるとMが帰ってきました。Mはリンダが置いていったケーキを涙を流しなが頬張ります。
かなりの量を食べたあとトイレに駆け込み吐き出しまします。Mは泣きながらベッドに倒れ込みCは寄り添って優しく身体をなでます。
Mが出掛けていったのでCは窓から見送ると隣の家にも自分と同じ姿の幽霊がいる事に気付き手を上げて挨拶します。
「だれだか覚えていないけど、ここで人を待っている」
決意
Cは待っているとMが男と一緒に戻ってきました。キスしているのを見たCはショックを受けます。
部屋の明かりがチカチカし、本棚の本が落下します。Mはその本を手に取り開いていたページを何気なく読みます。
「彼は彼女の元を去った、安全よと家が鼓動を打つ、宝物はあなたたちもの」
MはCの作った曲をイヤホンで聴きます。
「独りぼっちでいるのか?、それとも新しい誰かを見付けて僕の元を去る?」
Mは決意して荷物を整理し、メモを壁の隙間に残しCと一緒に暮らしていた家を出て行きます。
車を見送ったCは彼女が置いていったメモを確認しようとすると二人の子供が家ではしゃぎ始め後を追うとリビングでは新しい家族が幸せそうに生活していました。
「ここは自分の家だ」とCは家族写真を倒し皿をいくつも放り投げ割りました。Mが残していったメモを確認しようとするが取り出せません、
結末
ピアノが残された誰もいない家でCはずっと壁を削り続けます。
やっとMのメモの端を掴む時が来るがそれと同時にブルドーザーがやってきて家を壊し始めます。
やがでどこかの会社のビルが建ちCは彷徨います。屋上に行くと多くのビルが建ち並んでいました。
屋上から真っ逆さまに落ちていくと目の前には草原が広がっていました。
家が建つ前の、はるか昔、
少女はノートにメモして小さく折りたたみ土に埋めました。気付くと家を建てようとしていた家族が戦争により亡くなってしました。
家の下見に行くMとC、ピアノは最初から置かれていて、リンダに「処分する?」と聞かれCはそのままで良いと返事しました。
二人は幸せに暮らし始め、ここにいるか引っ越すか1年後、話し合います。
夜中、Cが引っ越すと決め、幽霊のCはピアノをたたきました。音に驚いたMとCは驚いて起きてくるが何かが落ちたんだろうと寝室に戻っていきました。
CはMのメモを取り出し確認すると、その場にシーツだけが残りました。
感想
不思議、新感覚でうまく言葉にできない。
幽霊が妻を見守る話だがそんな単純なものではない気がする。亡くなったらCのように彷徨うかも知れない。
自分はどこへ行ったらいいのか。
Cがこの家に執着したのは過去を調べ作詞作曲するために何かプラスになると考えたからか。最後にメモを発見できたのは良かったんじゃないかな。
自分と同じ姿の幽霊は自分自身、その場に居続けるうちに何を待っているのかも忘れるほど留まってしまったのでしょう。
シーツを被ってしまっているので感情が読み取れないがそれでも幽霊の視点で見ることができた。とても切ないが最後は彼女の決意を尊重し幸せを願って正しい場所に帰ったのかも知れない。でもMは決して忘れたわけではないだろう。
自分の人生を振り返り見てきたものや経験だけでなく知識も映像で描き、そして幽霊も生きているので未来の姿も映し出す。記憶の旅を終えて安らかに。