実話映画「ヒトラーへの285枚の葉書」ネタバレ結末/ペンを武器に抵抗した夫婦

 

作品情報・キャスト

ナチス政権に葉書を武器にして抵抗したハンペル夫婦の実話!

ハンス・ファラダが終戦直後に書き上げた「ベルリンに一人死す」をヴァンサン・ベレーズ監督が映画化。

◆オットー・クヴァンゲル(ブレンダン・グリーソン)◆アンナ・クヴァンゲル(エマ・トンプソン)◆エッシェリヒ警部(ダニエル・ブリュール)◆プラル国家親衛隊大佐(ミカエル・パーシュブラント)◆エンノ(ラース・ルドルフ)

 

ネタバレあらすじ

ヒトラーへの285枚の葉書

1940年第二次世界大戦中のドイツ、ベルリンではフランスが降伏したため勝利したと沸き立っているなかオットーとアンナのクヴァンゲル夫妻の元には軍事郵便が届けられます。

アンナは息子ハンスが戦死した知らせを読み「こんなの嘘だ」とビリビリに破き「あなたと総統のせいだ」とオットーに言い放ちます。オットーは手紙の内容を把握し彼女にコーヒーを煎れたあと何も言わず仕事に出掛けます。

仕事場には「君も仲間に」と書かれた軍事ポスターが貼られておりそれを見る度にオットーは複雑な気持ちになります。

「英国を倒して終戦だろう。総統は増産をお望みだから我々も義務を果たそう」

工場長のオットーは「生産性を上げたいなら機械を増やしてくれ、仕事をさぼり政治の話ばかりして怠けている者は解雇してくれ」と意見を伝えます。

党員に罵られるなかオットーは「総統のせいで息子が殺された。息子を捧げたんだ。これ以上の募金があるか?」と言い放ち黙らせました。

徴兵を逃れたいために自らの指を傷付ける作業員もいたがオットーは故意に怪我と分かってると言い放つもののしっかり手当てをします。

 

クヴァンゲル夫妻は失意のどん底に落ち夫婦仲もこじれ会話も少なくなります。

オットーは玄関の鍵を閉め「誰が来てもドアを開けるな」と妻に伝えヒトラーを批難する葉書を筆跡を隠して書き始めます。

「真実を伝えたい。人々に読ませたい。いずれ広まると信じている」

そんな時、隣に住むユダヤ人のローゼンタール老人が盗人が侵入してきたと助けを求められアンナが急いで家に招き入れます。

盗人がいなくなったあと家に戻った老婆はフロム判事に匿われるがゲシュタボのエッシャリヒ警部に見つかり飛び降り自殺してしまいます。

オットーは葉書を書き終えると街の人目の付くところに置き残すことを始め最初は危険だと思っていたアンナも一緒に手伝うようになります。

 

葉書が届けられるようになったエッシャリヒ警部は息子が戦死した労働者階級の人間で不慣れだが馬鹿でないと思い葉書が見つかった場所に印を付けていきます。

体制批判のカードを公衆の面前で見付けたら必ず届けられるから今は動かず待つ時だと考えます。

女性同盟に所属するアンナは労働義務があるのに親衛隊中佐などの位にいる妻は20マイルで買える診断書を持ち働かないことに不満を抱き訴えるが多忙な主人を支えているからしょうがないと周囲に言われてしまいます。

息子が亡くなったばかりだから休むように言われたアンナは計算通りこれで抜けられると安堵します。

 

エッシャリヒ警部は情報を集めるため様子を見ていたがプラル国家親衛隊大佐 が「犯行が続いているのに何やってんだ」とやってきます。

現在129枚届けられている事を知った大佐は「それだけ回収しても市民の間に出回る分がある、私も報告しなければならないんだ」と激怒します。

「反響が知りたい。人々の反応が知りたい」と思いながら葉書を書き続けるオットーに対し新聞を読んでいたアンナは嘘ばっかりの記事だと呆れます。

夫妻は語り合っているうちに初めて出会った頃を思い出し夫婦仲が戻りつつありました。悲しみを抱えながら息子の誕生日に酒とケーキを口にします。

 

結末

エッシャリヒ警部は指紋を残さない事から常に手袋をするほど用心深く戦死した息子がいる事を部下に伝え、今まで葉書が見つかった現場などからプロファイリングして普段の行動を読み取ります。

オットーは普段利用するバスにゲシュタボが張り込みをしているのに気付き身の危険を感じるようになります。

そんな中、隣人のエンノが容疑者として逮捕されます。

エッシャリヒ警部は聴取を取るが二人の息子がまだ親衛隊に所属して生きている事やただの博打打ちなので絶対に違うと確信し帰らせます。

しかし釈放した事を聞いた大佐から「親衛隊の人間は無能だと言いたいのか?」と激怒され何度も殴られたのち「2日猶予をやるから釈放した男を始末しろ」と言われます。

身の危険を感じたエッシャリヒ警部は無実だと知りながらも離婚した郵便局員に暴力を振るって居場所を聞き出しエンノを射殺してしまいます。

エンノは自殺したと報告すると納得してもらえるが自責の念に駆られます。

 

ベルリンが空襲の被害に遭った頃、仕事に向かったオットーは工場現場で葉書を落としてしまいます。

作業員が拾ったのを見て誤魔化すためにナチ党員に届けさせるがエッシャリヒはずっと捜査をしており犯人はヤブロンスキ通りに住んでいると突き止めていたためオットーは逮捕されてしまいます。

聴取を受けるオットーはこれまで285枚書いてきたが市民から警察に届けられた数は267枚だと知ります。

捜査の段階で一人自殺し妻が逮捕された事を知ったオットーは罪を認めるがアンナは無実だから釈放しろと訴えます。

覚悟ができているクヴァンゲル夫妻は裁判の時に再会し手を握り合います。

夫妻にはギロチン処刑が下され、オットーは「何かできる事はないか」と聞いてきたエッシャリヒに「妻を逮捕しやがったな」と睨み付けます。

夫妻は処刑され自責の念に駆られていたエッシャリヒ警部は届けられた267枚の葉書を窓からばらまき拳銃自殺しました。(終)

 

感想

憎しみから葉書を始めたのは間違いないがどんな反響があるのか好奇心に変わったように感じ取れました。 

この時代は本当に声を届けるのは大変なこと、しかしSNSが浸透している現在、広める事は簡単でも世の中的には変わらない事の方がほとんどなので昔と変わらないのかもしれない。

実際にオットーは青酸カリを判事に手渡されているが最後まで口にしなかったらしいです。

 

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