映画「ありふれた悪事」ネタバレ結末/平凡な刑事は点数稼ぎのために権力者に利用される

 

作品情報・キャスト

軍事政権末期の韓国。

妻子を養うカン刑事は殺人容疑者として青年キムを逮捕すると国家安全企画部ギョナムがやってきてソウルで起きている連続殺人事件の捏造を命じられる。

優遇され羽振りがよくなっていくが兄と慕う新聞記者が犯人がキムではない証拠掴んで・・・。

監督=キム・ボンハン◆カン・ソンジン(ソン・ヒョンジュ)ギュナム(チャン・ヒョク)チュ・ジェジン(キム・サンホ)キム・テソン(チョ・ダルファン)

 

ネタバレあらすじ/ありふれた悪事

 

韓国国民が弾圧されていた軍事政権末期。

足が不自由な息子と耳が不自由な妻を養うカン・ソンジンは稼ぎがよくないため昇進のために必死に働く所轄の刑事です。

部下のドンギュを連れて張り込みに出ると血の付いたジーパンをクリーニングに出していた殺人犯を捕まえようとするが間違ってキム・テソンを捕まえてしまいます。

ソンジンは昇進のために取り逃がしたとは言えず「就職先を探してやるから真犯人を捕まえるまでしばらく辛抱してくれ」とお願いしました。

そして適当な聴取をドンギュにやらせ真犯人を捕まえました。

その頃、国家安全企画部のギュナム室長が大学の授業中に現れ「こんな幼稚な学生はこの国に役立たない」と生徒に言い放ち時局宣言文を教授に渡し「注視してますよ」と去っていきました。

 

権力者に気に入られる所轄刑事

政界進出を目論む次長に対しギュナムは「有名人を3名ほど確保すればいい」と意見を伝えるが「この国に衝撃を与えるような出来事はないか?」と言われます。

テソンに口止めをさせるため怖がらせようとするドンギュだったがソンジンは止めに入ると「母親の病院代を盗んだから殺したんだ」とテソンは言いました。

「お前が殺したのか?」とソンジンは驚いていると国家安全企画部に呼び出されます。

車ですぐに向かったソンジンはギュナムから国家機密と判が押されたテソンの資料を渡されます。署に戻る車の中で確認すると17人が被害に遭った連続殺人事件の犯人がすべてテソンであると記されていました。

韓国初の連続殺人犯を逮捕したソンジンは国家安全企画の次長に気に入られギュナム室長に呼ばれます。

高級料理店で同席させて頂いたソンジンは「証人の陳述を徹底的に確保しろ」と言われギュナムから札束が入った封筒を差し出されます。

これは何か聞くとギュナムは「不本意ながら足が不自由な息子さんの事を聞いたから何か買ってやれ」と言いました。

封筒を受け取り帰宅したソンジンはご好意に甘える事を決め、テソンが起こした事件を資料としてまとめていきます。

似顔絵をテソンに似るように書き直し目撃者から証言をとっていきテソンに認めさせていきます。

 

無実だと知るが捏造に加担

事件が起きた場所を地図上で印をつけていきます。

務安ではじまり〜京畿道の始興とソウル…。

考えているとソンジンが兄貴と呼ぶ自由日報のチュ・ジェジン記者が訪ねてきて身体的に問題があるテソンの犯行だと本当に思っているのかと言われます。

「これは安全企画部のでっちあげだ。犯人が死ねば捜査が無意味となるためテソンは身代わりなんだ」

テソンは運転出来ないと知ったソンジンは移動は不可能だと気付きます。

ギュナムに会いに行ったソンジンはテソンは犯人ではないと伝えようとするが次長がやってきて「一緒に飲もう」と誘われます。

次長と意気投合してしまったソンジンは足が不自由な息子のために手術を受ける病院を紹介され高級車も与えられます。

高級車に息子を乗せ学校に向かうと「すごい」と騒がれます。

気分よくしたソンジンは「殺してない。早く母さんに会いに行かないと」と泣き叫ぶテソンの髪の毛を掴み「お前がやったんだ!」と怒鳴ります。

 

兄貴分の記者が殺害される

賄賂を次々と受け取りソンジンは次長から頼まれた厄介ごとを処理していきます。

その頃、有名人から自白を強要させていたギュナムは次長の座を狙い、現在の次長が建設会社会長から賄賂、政治資金を受け取っていた証拠をそろえ密告しました。

チュ記者は国家安全企画の悪事を記事にしようとしていたがばれて追われていました。

ソンジンが家に帰るとチュ記者が身を隠していました。ソンジンは「暴くのはやめてほしい。俺も被害に遭う」とお願いするがチュ記者は「大丈夫、何も心配ない。普通に常識が通じる世の中にしたい」と言いました。

ソンジンは息子の手術の事が頭をよぎり傷付けない事を条件に家にいる事を密告してしまいます。

しかし、息子の手術を終え戻るとチュ記者は命を落としてしまいました。チュ記者は北朝鮮のスパイだと認めるよう言われたが最後まで認めませんでした。

 

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歯向かう犬になってやる

ソンジンはギュナムに会いに行くと「君が不利になるだけだ、息子を思うなら黙って帰れ」と言われます。

犬のような存在のくせにと言われたソンジンは「食卓に上がって大声で吠えてやる」と言い放ちます。

署に戻り「お前は自分がした犯行だけ罪を償え、俺も罪を償う」と伝えるとテソンは涙を流します。

チュ記者が残した資料を使い暴露しようとするがギュナムは自殺に装い殺せと部下に命じていました。

夜中にガス臭くて目が覚めたソンジンはドアを蹴飛ばしてなんとか脱出するが病院に運ばれ妻だけは死んでしまいます。

頭にきたソンジンは復讐を誓うが病院にやってきたギュナムに背後から殴られます。

ソンジンは意識が戻ると山中にいてドンギュが銃を構えていました。

しかし、ドンギュはタバコを1本吸わせて欲しいと言い背を向けました。

 

結末/ありふれた悪事

ドンギュに逃がされたソンジンは世間が「大統領が現憲法のまま政府を譲り渡す」事で騒がれるなか自由日報の局長にお願いしてチュ記者が託した資料をもとに記事にしてほしいとお願いしました。

そして次長になったギュナムが高級料理店で楽しむなか突入し雨の中外に連れ出し蹴り飛ばします。

署で聴取を行うがギュナムの部下が乗り込んできて記者が撮影していたフイルムを押収しソンジンは暴行を受けます。

ギュナムは出て行ってしまうがチュ記者の後輩が殴られてもフイルムを口の中に隠していました。

自由日報の記者達は一致団結し記事にしました。しかし、それでもギュナムは取り調べをする検事に「お前、俺を知らないのか?世の中簡単に変わるもんじゃない」と脅します。

 

激しい拷問を受けていたソンジンは「チュ記者と最後に会ったのはお前だ。それとなぜ妻を殺した?」と聞かれます。

否認し続けていたソンジンだが「罪を認めれば刑期は15年。認めなければ子供とは一生会えない」と言われ強制的にサインさせられます。

ソンジンは警察に潜り込んでいたスパイと報じられチュ記者を殺し、通報しようした妻を殺害したと報じられます。

しかし、民主化を熱望する大勢の国民が国家安全企画部長に押し寄せます。

〜30年後、信念を持って事実と向き合い戦い続けたソンジンは無罪を勝ち取りました。

そして孫の運動会に足を運びました。