監督 = ジュゼッペ・トルナトーレ
◆エドワード・フィーラム(ジェレミー・アイアンズ)
◆エイミー・ライアン(オルガ・キュリレンコ)
◆エイミーの母親(イリーナ・カラ)
◆ヴィクトリア(ショーナ・マクドナルド)
< ネタバレ あらすじ >
ある天文学者の恋文
妻子持ちの天文学者エドワード・フィーラム(エド)教授は娘と同じ年のエイミー・ライアンと恋人関係にありました。
エイミーはエドの教え子でもあります。
エイミーは危険なスタントの仕事しているためエドは「カミカゼ」と表現します。
エドは「互いに何か知らないことはないかな?」と真面目に聞くがエイミーは質問に答えませんでした。
エイミーは出張中のエドとビデオ通話を繋いで会話します。2ヶ月も離ればなれのエイミーは寂しがるが匿名の小包が届きボルゴヴェントーソにある別荘の鍵が入っていました。
ちょうど鍵を紛失したと話していた真っ最中でエイミーは喜びます。
仕事仲間と舞台を観劇するがエイミーはエドとメールをすることに夢中です。
スタントの仕事を終えると必ずエドと電話していたが「今日は圏外で電話できない」とメールが入っており、こちらから電話しても留守電になってしまいます。
すると散歩中の犬がクンクン鳴きながらエイミーの前でお座りしました。じっと見つめてくる犬をエイミーは気にします。
帰宅するとエドから「2009年1月18日を覚えている?」と書かれた手紙と薔薇の花束が届きました。
DVDに気付いたエイミーは再生するとエドは人生で最も美しい6年間だとエイミーに感謝を伝えていました。エイミーは嬉しくてすぐに電話するがまたも留守電になってしまいました。
部屋の窓には1枚の枯葉が飛んできて張り付きました。
講義に行くと「嫉妬するから行ってほしくない。僕の代理は誰?」とエドからメールが入ります。同じメールが立て続けに3件入りエイミーはクスッと笑い返信します。
しかし…「忘れがたい講義で長年奇与して下さったエドワード・フィーラム教授が数日前にお亡くなりになりました」と代理教授が言いました。
エイミーは今現在「講義内容を送ろう、じき会える」とエドからメールを受け取っており何かの間違いだと思います。
家に帰りパソコンを立ち上げると1月15日に死去していた事が分かります。
記念日に花束とメッセージが届いたがその時にはすでに亡くなっていたのだと分かるが信じられないエイミーはエドの自宅があるエディンバラに飛行機で向かいます。
家族が家から出てくるがそこにはエドはいませんでした。また墓はないが1月20日に火葬された事を知りエイミーは事実だと受け止めます。
しかし…エドからメールが届きます。
「いまごろ僕の街へ行き歩き回っているだろう。もしそうならニューウィントンにあるグレン・ダレルの事務所へ」
グレン弁護士から封筒を渡され何かあったら遠慮なく電話して欲しいと名刺を受け取ります。
エドの父親の遺品でもある指輪が入っていました。指輪をはめて試験をすべてパスした縁起が良い物だからエイミーにプレゼントしたかったのです。
自宅に戻ったエイミーは封筒に入っていたDVDを再生します。
「向こう側へ行ったとき最初に失うのは発言権だ。病気の事を黙っていたのは君を苦しめたくなかったから。老いた魔法使いは君を見捨てたりはしない。でも僕に嫌気がさしたら君の名前を11回繰り返してメールしてくれ」
仕事中、エイミーは寂しさから泣いてしまい石膏像の型作りを失敗します。勉強をしようと図書館へ行っても集中できずエイミーは最後にエドと会ったホテルに宿泊します。
すると数日前に届いた封筒を渡されます。「あなたの匂いを忘れそう」と伝えた事がありエイミーは封筒の中にあったエドの服を着て眠りました。
銀河のスペクトル進化の試験当日、エドから「僕だったらトンリー=シュナイダーの総計変動について聞く」とメールが入ります。
完璧に口頭試験を終えたエイミーはエドからメールが届き喜ぶが息子宛の誕生日メッセージでした。
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エドから荷物が届き「試験がうまくいったプレゼントだよ。ボルゴヴェントーソで4月9日に受け取れる」
エイミーは飛行機でイタリアまで行きボートでボルゴヴェントーソに向かいます。別荘に到着すると机の上に小包がありパソコンとDVDが入っていました。
「おかえり、僕の誕生日にありがとう」
エイミーのパソコンは調子が悪く叩きながら使用していたため、それを見ていたエドは格闘しないで済むようにとパソコンをプレゼントに用意していました。
2人で良く行った店に行くと店員から「教授の強いご希望があり予約して待ってました」と言われます。
店員はエドが星状細胞腫「星のことばかり考えて生きてるといつしか頭の中に星が誕生する」ができたと言っていたと話します。
それは1054年超新星爆発の残骸である”かに星雲”と同じ形状でした。
その夜、エイミーは天体観測しているとエドからメールが届きます。
「岸辺の黒い岩に座ると湖に映る山の反射が君の笑顔のようにみえる」
2日以上滞在するとエドからDVDが届きます。
喜ぶエイミーだがいつもと少し様子が違うことに気付きます。
「君が隠してきた秘密は知っている。父親のような説教を聞きたくないなら切ってくれ」
エミリーは嫌な予感を抱くとエドは「君の両親のことだ。お母さんは夫ではなく君の死を望んでると思うか?」と話し始めます。
エイミーは停止してDVDを取り出し暖炉に投げ込んでしまいます。
エイミーは免許所得し父親を乗せてドライブを楽しむが自分の不注意でカーブを曲がりきれず事故を起こした過去がありました。
父親を亡くし罪悪感に陥ったエイミーは消えたいと思い危険なスタントの仕事をしていたのです。そんなエイミーを母親はずっと心配して電話をかけるがエイミーはずっと無視していました。
エイミーは思い直して暖炉からDVDを取り出すがすでに変形していました。そしてエイミーを11回繰り返してエドにメールを送信してしまいます。
翌日、後悔したエイミーはDVDの修理を依頼するが修復できないと返されてしまいます。また他に小包3つと封筒6つが届く予定だったと知るが荷物は返送するよう指示されていました。
公園のベンチで落ち込むエイミーに前に近寄ってきた犬がまた甘えてきました。
エイミーはグレン弁護士を訪ねると荷物を送っていた人だと分かるが中止しろと頼まれたのでエドを失望させることは出来ないと残りの荷物は渡してくれませんでした。
エイミーは自分でもエドに向けたビデオメッセージを撮るようになります。そうする事で自分と向き合えると思ったからです。
エドから電話があるが出ても無言でした。エイミーはエドの娘ヴィクトリアだと分かり掛け直します。
父親の愛人が自分と同じ年齢であることに最初は怒っていたヴィクトリアだが協力すると言ってくれます。
エドは家族にも病気を隠そうとしていたが失敗していました。通信手段を復活させる方法を知らないかエイミーは聞くとビデオカメラを渡されます。
しかしハードディスクは空っぽで復旧は出来ませんでした。
復活させる方法をエドなら必ず用意してあると信じるエイミーは別荘に行くとボートを漕ぐオッタヴィオから教授が海に落としたバックを渡されます。
中にはメモリーカードを数枚入っており調べるとエイミー宛に何度も撮り直した失敗作が収められていました。
どれだけ想いを込めて作られた物だったか、エドの気持ちを知ったエイミーは涙を流します。
エイミーは母親に会いに行き三日間過ごし長い空白を埋めました。エイミーの心は良くなり母親も喜びました。
自分が事故を起こした時と同じ状況のスタントをやり終えたエイミーは帰宅すると強盗に入られていました。
エイミーだけでなく同じマンションに住む人達も被害に遭っていました。
エイミーはメモ用紙を見ると薄っすらと文字の跡があるのに気付き鉛筆で外枠を塗るとエドとエイミーの名前が浮かび上がります。
エイミーはエドの話を思い出します。
「時空次元、多元宇宙の夢幻性の中に10人の別の自分がいる」
エイミーはエドを10回繰り返してメールします。
すると、翌日に「カミカゼ、久しぶり。仲直りできて嬉しいよ」とエドから動画メールが届きました。
説教が役に立ったことを願うエドは「君の指導教員としての役目を放棄する君はない」と言います。
エドへの返信メッセージをビデオカメラで撮ったエイミーは母親との3回目のランチの日にエドからの手紙を渡されます。
「5月の最終月曜日に聖ジャスト図書館を予約してある」
図書館に行くとエド教授からご依頼の物だと渡され、それは”逆星”についての書物でした。
エイミーは仕事を辞めるがスタント仲間との交流は続いていました。食事を楽しんでいるとエドからメールが入り「僕の計算だと君は聖ジャスト図書館にいる」と勝ち誇って話す動画が届きます。
笑うエイミーを見てスタント仲間は「彼女を幸せにする男は幸運だな」と話していました。
「客星から超新星へ、死せる星との対話」の論文が高く評価され天体物理学と宇宙論において優位学位を授かります。
表彰されたエイミーははめた指輪に触れ勝ち誇り母親やヴィクトリアが祝福に来てくれました。
またエドからも「おめでとう」と花束が届きました。
エドはボルゴヴェントーソの別荘をエイミーに相続したいと遺言を残していました。
エイミーは別荘に行くとエドからの最後のDVDが置かれていました。
再生するとエドは後ろ向きで座っていました。
「君は暖炉のそばにいない気がする。多分外だろう」
エイミーは黒い岩に座りパソコンでDVDを見ていました。
「君に一番いい姿を見せたいから後ろ向きですまない。いつか命が誕生した”無”へと帰るべき時がくる。この先、君と共にいるための方法が思い付かない。僕の過ちは早く君に出会わなかったことだ。君のおかげで最期の3ヶ月はとても美しかった。愛してる」
エイミーは本当の別れなんだと涙を流します。
エイミーが失敗した石膏像は言いようのない悲しみを表し高く評価を得ていました。
エイミーは展示会を出るとスタント仲間に話しかけられ「電話番号を変えたのか?」と聞かれます。
「ええ」と返事するエイミーは食事に誘われるが「今夜は無理。私から連絡するから」と断り去りました。