1968年、「プラハの春」やソ連軍のワルシャワ条約機構軍によるチェコスロバキアへの侵攻を背景に、オーストリアのジャーナリストでチェコスロバキアのスパイとなったヘルムート・ツィルクの実話を基に映画化
(実話と書かれているが本人は全面否定しています。信頼性が高い証拠があるらしいが真実は分からない。現在お亡くなりになっているので判断が難しい)
監督=フランツ・ノヴォトニー
ヘルムート・ツィルク(ヨハネス・ツァイラー)
ホンザ(クリシュトフ・ハーディック)
エヴァ(ヴィカ・ケレケシュ)
ナホディル(ダヴィッド・ノヴォトニー)
フックス(ヘリベルト・ザッセ)
ヘルガ(エヴァ・シュプライツォーファー)
< ネタバレ あらすじ >
コードネーム:ホレッツ
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オーストリアのジャーナリストでテレビの司会者として活躍するヘルムート・ツィルクは金持ちであることを隠さない生活をしているのでとても目立っていました。
そのためナホディル(チェコスロバキアの秘密警察)に理想的なスパイになると目を付けられ番組の出演をエサに自尊心をくすぐられます。
チェコスロバキアとオーストリアの放送局が共同プロジェクトを実現することになりツィルクはプラハとウィーンを行き来する事になります。
第1回目の放送でプラハを訪問した際にナホディルと知り合い番組のためと言われ情報提供者となります。また女優エヴァに一目惚れして愛人関係となりました。エヴァは映画監督ホンザの恋人だったが上映禁止になる映画に出てるのは無駄な時間だと思うようになり有名なツィルクといた方がチャンスがあると思ったのです。
ドゥプチェク第一書記は全国民に対し社会主義を約束し、イデオロギーの変化に際しノヴォトニー大統領は辞任しました。ドゥプチェクが言論の自由を保障した事で映画が撮れるとホンザは喜びます。
ツィルクは国際的な番組に出ないかと良い話を必ず持っていき愛人関係を続けていたが女優として成功しその後歌手に転身したエヴァから振られてしまいます。またカンヌ国際映画祭が始まりその中にはエヴァを主役にしたホンザの作品もあったが出品者がパリの学生運動との連帯を表明しボイコットしたため中止となってしまいました。
ノヴォトニー大統領の権力に勝ったドゥプチェクはソ連から自国を解放しようとしていました。
ツィルクはナホディルに呼ばれ「オーストリアはチェコの発展をどう思う?他国がドゥプチェクを支援する確実な証拠をよこせ」と言われます。
ソ連と共謀して改革を潰す気なのかと思ったツィルクは「話は終わりだ」と言いその場を去ります。
1968年、ソ連軍をはじめとするワルシャワ条約機構軍によるチェコスロバキアへの侵攻が起こりツィルクは心配になって電話しエヴァの無事を確認します。
反体制派のホンザは侵攻される状況を撮り始めるが知り合いが銃弾にやられた事で映像を公表してやると意気込みます。
一方、ウィーンにいたツィルクのもとにナホディルが訪ねてきて侵攻を正当化するプロパガンダ映像を流すよう求めてきました。
ホレッツとコードネームを付けられていた事を知ったツィルクは断ると「お前の正体をバラす。仕事も人間関係も失うぞ」と脅されます。
ツィルクはプラハが占領されていると真実を伝えれば1時間でウィーンに侵攻してくるはずだと思い悩みます。
ナホディルから「社会主義の仲間が助けに来たと放送しろ」と更に強いられている時にホンザとエヴァが訪ねて来て世界に事実を知って欲しいから放送してくれとフィルムを渡されます。
覚悟を決めたツィルクだが妻が誘拐された事でプロパガンダ映像(社会主義の姉妹国がチェコの支援に訪れた)を流します。
しかしそれは時間稼ぎであり知り合いのフックス(ウィーンの警察署長)にスパイだった事を正直に伝え妻を救って欲しいとお願いしていました。
ツィルクは今のはKGBの捏造映像であり真実はワルシャワ条約機構軍がプラハを占領したと述べました。
ホンザが命懸けで撮影した映画を流し「彼のおかげで世界中がチェコの自由の終焉の真相を知ったのです」とツィルクは締めくくりました。
ツィルクの妻を救出したフックスはナホディルを捕らえるがすぐに引き渡しました。