作品情報・キャスト
米国コメディアンとして活躍するジョーダン・ピールが脚本、監督業に初挑戦し世界興収2億5千万ドルを超す異例の大ヒットを記録し第90回アカデミー賞で脚本賞を受賞。
写真家の黒人クリスは交際しているローズの実家に招かれるが人種が異なることに不安を抱えていました。
「大丈夫」というローズの言うとおり温かく迎えられるが次第に・・・・
ネタバレ・あらすじ
ゲット・アウト
愛犬シドと一緒に暮らす写真家クリスは恋人ローズの実家に挨拶に行くため荷物を整理するが人種が異なることを気にします。
「黒人だと話した?両親に反対されて銃で追い返されるかも」
ローズは父親ディーンは社交的ではないがオバマを支持していたし母親ミッシーも優しいから大丈夫だと言います。
ローズの車に乗り込んだクリスは空港で警備員をする友人ロッドに電話を掛けシドを預かってくれた事に感謝を伝えます。ロッドの話は面白いので緊張がとれるがローズが山道に飛び出てきた鹿を避けれず接触してしまいます。
停車して確認するとサイドミラーが破損していました。クリスは大丈夫なのかと気になり確認しに行くとすでに息を引き取っており警察に連絡しました。
警官が動物管理局に電話してくれるがクリスにも免許証の提示を求めたのでローズは運転していないのだから必要ないと訴えます。
ポンタコ湖地区にあるローズの実家に到着します。クリスは不安になるが両親がハグして歓迎してくれたので喜びます。
ママは精神科医で一室を仕事場にしていました。お手伝いさんの女性は黒人ジョージナであり庭を掃除する使用人ウォルターも黒人男性、世界旅行が趣味である神経外科医のパパも他者の文化を経験するのは貴重な体験だと言ってくれるのでクリスは楽しく週末過ごせそうだと思います。
一番近い隣家は湖の反対にあり誰にも干渉されず住みやすいとパパは言います。
両親のことを聞かれたクリスは父親とは疎遠で母親は11歳の時に轢き逃げに遭い亡くなったと教えます。ローズが鹿を轢いた時は11歳の時を思い出し内心ショックを受けていました。
クリスは禁煙中であり「妻に催眠治療で治してもらえ」とパパに言われるがやんわり断ります。実家に一時的に帰ってきた医学生であるローズの弟ジェレミーは幼い頃のローズの話をするが酒癖が悪くだんだん下品な話になります。
催眠術
夜中、クリスは家の廊下を歩いている時に後ろを少女が通り過ぎるが存在に気が付きません。外に出てタバコを咥えるとウォルターが走って向かってきたため身構えると通り過ぎていきます。
ジョージナが電気を付けた部屋から見ていたので何か不気味に思い家に入るとママから座ってと仕事部屋に案内されます。
娘の前ではタバコを吸わないでとお願いされたクリスは「母親の事故の時、どこにいたの」と聞かれ考えたくないと答えました。
雨の日に1人で家でゲームしていた事だけ話すとママの巧みな話術で催眠を掛けられ当時の不安、恐怖が押し寄せ涙をボロボロ流すがクリスは飛び起きます。
クリスは散歩しながら写真を撮るがジョージナや使用人が気になります。
使用人に挨拶すると「彼女は最上級のべっぴんだから手放せないな」と何か企んでいるように言われ「当然だ」と真顔で返します。
「昨日は運動していたんで驚かせて悪かった、ところで催眠治療はうまくいったのか」
夢だと思っていたクリスはワインを飲んで覚えていないと返すと「催眠をかけられたかも、ウォルターも自分になぜか敵意がある」とローズに相談します。
ローズはママに呆れるがウォルターが自分に好意あるんじゃないかとクリスに言われ笑って済ませます。すると年に一度のパーティーのために親戚が続々とやってきました。
何を言われても笑顔で返すクリスは写真を撮り始めるが参加者の中にも黒人ローガンがいたので「心強い」と話しかけるが何か違和感を覚えます。
盲目の美術商ジム・ハドソンに挨拶すると「君が表現するイメージは残忍で物悲しいが実に力強い」と言われます。
部屋に行くため階段を上がると今まで談笑していた人達が黙ります。クリスはスマホの充電器が抜けている事に気付きジョージナの仕業だとローズに言います。今までは充電し忘れたか抜けてしまったんだと思っていたが今回はしっかり確認して部屋を出たのでその間に2階にいたジョージナが犯人だと思ったのです。
これは自分がローズといるから本能的に嫉妬による嫌がらせではないかと話すがまたもやローズに笑われてしまいます。
異変・不可解
誰も信じてくれないのでクリスはロッドに電話するが白人の奴隷にされるぞと言われます。電話を切るとジョージナがやってきて「掃除するために電話を持ったときに外れてしまっただけで変なことはしていない」と謝罪されます。
白人だらけでたまに神経質になるだけだと伝えるとジョージナは涙をボロボロ流しながら「私にはそんな経験はありません」と言いました。
へんな女だと思うクリスはパーティーに戻ると「アフリカ系アメリカ人は現代社会では有利なのか不利なのか」と質問されローガンに「話してやれ」と訴えます。
ローガンが話し始めるとクリスは密かに写真を撮るがフラッシュを消し忘れてしまいます。フラッシュで刺激されたローガンが暴れ出すがママの治療で落ち着きを取り戻しクリスは謝罪されます。
ローズの散歩に出たクリスは「あれは発作じゃない。掴まれた時のローガンを前から知っている気がする」と伝えます。
ママに催眠術を掛けられてから考えたくない事まで思い出し、辛いから帰るとローズに言います。
クリスは後から母親は即死ではなかったと聞かされ何故帰ってこないのに通報も捜しもしなかったのかと自分を責めていました。
自分が通報していれば母親は寒さの中で孤独に他界する事もなかったのだと・・・初めてその日の事を話したクリスは「君がすべてだ」と伝えるとローズは一緒に帰ると言いました。
部屋に戻ったクリスはローガンの写真を送るとロッドから電話があり「テレサの妹ヴェロニカの元彼アンドレだ」と言われ思い出すがローガンは30も年上の白人女といたし別人のようだと不思議に思います。
荷造りを急ぐクリスは小さな扉の中に赤いBOXを見付け蓋を開けると黒人とローズの2ショット写真がたくさん入っていました。
危険を感じたクリスは荷物を車に運ぶから鍵を貸してくれとローズに訴えるが彼女が鍵は鍵が見付からないと言い出します。
するとパパとママ、そしてジェレミーが迫ってきたのでクリスは立ち向かうが催眠術を掛けられているので力が抜け地下に運ばれていきます。
ロッドはアンドレの写真が送られてからクリスと連絡が付かなくなったので気になって調べると行方不明だとニュースになっていました。
すぐに警察に行き「奴等は黒人を誘拐し催眠術で洗脳させ奴隷にしている」と訴えるが傑作だと笑われてしまいます。
結末/ゲット・アウト
地下の一室で拘束された状態でクリスは目覚めます。
①ローズが標的を騙して家に連れくる。
②ママが催眠術を掛ける。
③ジェレミーが地下に運んで標的を拘束する。
④パパが移植手術をする。ジェレミーは助手を務める。
パーティーは親戚の集まりではなくクリスの身体を乗っ取るために落札するために来た人達だったのです。白人の脳を黒人に移植して身体を乗っ取る実験をローズの一家は代々続けていたのです。
そして落札者はクリスの身体を使って世の中を見たいと盲目ジム・ハドソンが落札していました。
ローガンを別人に感じたのはそのせいなのかと気付くクリスは椅子から綿埃が出ているのを見て催眠術で眠らないように耳に詰め込みます。
手術室に運ぼうとジェレミーが車椅子を持ってきたので眠ったふりをしていたクリスは拘束を解かれると殴り付け脱出します。手術の準備に取りかかるパパに剥製の鹿の角を突き刺しアイスピックで向かってきたママを返り討ちにします。
気を失っていたジェレミーに背後からヘッドロックされるがアイスピックを太ももに刺すと何度も蹴り上げ倒します。
ローズは身体能力に優れる黒人をイヤホンをしながらパソコンで探していました。
クリスは車に乗り込み通報しながら走らせるがジョージナを轢いてしまいます。無視しようとするが母親を思い出し助手席に乗せて走らせます。
接触音に気付いたローズはライフルを手に出て行き「おばあちゃん」と口にします。ジョージナに車の中で襲われたクリスは木に接触し彼女は亡くなります。
ライフルでローズに狙われている事に気付き走って逃走するがそこへ走ってきたウォルターに捕まってしまいます。それを見ていたローズは「おじいちゃん」と口にしました。
首を絞められるクリスはポケットからスマホを出してフラッシュをたくと催眠が解けたウォルターは「私がやる」と告げローズからライフルを手渡されます。
ウォルターはローズに向けて発砲した後、自らの頭を撃ちぬきました。
まだ息があるローズは頑張ってライフルを取りに行くがクリスが先に掴みます。ローズは「ごめんなさい、愛している」と訴えてくるが騙されていたクリスは両手で彼女の首を絞めます。
しかしクリスは息の根を止める事は出来ず手を離しました。車で友人ロッドがやってきたので「良く見付けたな」と感謝し「助けて」と訴えるローズを無視して車に乗り去りました。
感想
最初は本当にこれがホラーなのかと思いながら普通に見ていたが終盤にかかって急に怖くなっていきました。
もう一度見るとローズの表情と言葉はすべて怖いですよ。
鹿を轢いたのもクリスの免許証を提示させなかったのもすべて計算ですよね。催眠術をかけやすくするためにクリスの心の傷を思い出させる必要があった。免許証を提示させなかったのは家に来たことを知らせたくないため。
ローガンがフラッシュで催眠が解かれた時に「出て行け」と掴みかかってきたのはクリスを助けようとしたのでしょう。にしてもジョージナもウォルターも移植した祖父母だったとは。。
ロッドのキャラが面白いのでうまくバランスが取れているが一家全員が結社一員とはおそろしい。