作品情報キャストの紹介
仁科裕貴の小説を板垣瑞生と吉柳咲良の共演で河合勇人監督が映画化したSFラブロマンス。
冴えない大学浪人生の孝司は1時間だけ自分以外のものが突然ピタリと静止する不思議な現象に遭遇する。
予備校から外に出て動いている人を探すと公園で女子高校生の時音と出会います。
2人は毎日昼の12時15分から1時間だけ時が止まる時間をロスタイムと名付け一緒に過ごすようになる。
何ごとにも消極的だった孝司は一生懸命な時音に影響を受けロスタイム以外でも彼女に会いたいと思うようになるが・・
ネタバレあらすじ/初恋ロスタイム
青年医師は入院している子供が屋上にいたので声をかけます。
「UFOを見たのに誰も信じてくれない」
むかし、時間が止まった事がある青年医師は「信じるよ」と笑みを浮かべます。青年は時間が止まったときに出会えた大切な人や風景のスケッチを持っていました。それは入院している妻が描いたものでした。
そんな妻から「もう一緒にいたくはないの、離れたい」と言われ離婚届を出されます。
12時15分
実力以上の大学を目指すつもりがない冴えない浪人生の相葉孝司は「ロスタイムは終わってない。奇跡の時間で逆転出来るかは自分自身」と講師に言われるがどうせまた落ちますよとい席を立ちます。
ある日の授業中の12時15分、急に静まりかえったので辺りを見渡すと自分以外の時が止まっている事に気付きます。
孝司は予備校を抜け出し外に出るがどこへ行っても人が固まって動いていませんでした。
「誰か動ける人いませんか」
自転車で走り回ると公園で自分と同じように動ける女子高生と出会うが気付くと授業中の12時15分に戻っていました。
ロスタイム
母親を幼い時に亡くしている孝司は設計士の父親・誠司と二人暮らし、炊事洗濯はいつも自分でやっています。母親が亡くなった時に病院にも来なかった父親を今でも冷血漢だと思っています。
時が止まった不思議な現象を伝えようとしたが「大学落ちたらもう学費は出さないぞ、母さんに何て報告するんだ」と責められ話すのを止めます。
無気力な孝司は予備校でぶつかった女性が落とした教科書が停止し辺りを見回すとまた時が止まっていました。
またか・・・昨日、公園で会った女性が吉備乃女学院の制服を着ていたので孝司は自転車を走らせ訪ねて行くとキャンパスで寝転ぶ篠宮時音を発見します。
寝ていたので顔を触るとストーカーだと勘違いされたので「1人で心細かったから」と謝罪して帰ろうとするが同じ思いだった彼女から呼び止められます。
「勘違いしてごめんなさい、だけど信用したわけじゃないから変なことしたら訴える」
パトロールしていると横断歩道を歩く手前で居眠り運転するトラックを発見し時音は必死で起きるよう呼びかけます。
どうせ時は戻るし大丈夫だろうと孝司は伝えるが彼女が必死で助けようとしているのを見て不在通知表に書かれていた電話番号を記憶します。
12時15分に戻ってすぐに電話をかけて現場に駆け付けると「運転手がハンドルを切って無事だったみたい」と時音がやってきます。時間が止まったらまた会おうと約束2人はこのおかしな現象をロスタイムと呼ぶことにします。
将来の夢
ロスタイムに時音がスケッチしているので孝司は時が戻ったら消えちゃうから意味ないのではと聞くと記憶には残ると言います。
料理が趣味の孝司はデートの時に作って持って行くようになります。最初はダイエットしてるからと口にしなかった時音だったがロスタイムなら時が戻るから大丈夫だと気付き食べはじめます。
頑張っても仕方ないとすぐ諦める孝司に対し「落ちるのが怖くて何もしないだけでしょ、ただの浪人生ではなくダサい浪人生」と言われ喧嘩となります。
孝司は謝罪のキャラ弁を作り仲直りします。孝司は幼い頃に「医者になって助けるよ」と伝えると母親が喜んでくれたので約束したが結局母親が亡くなり無駄だと思うようになってしまったのです。
正義感が強く好奇心旺盛でものをズケズケと言う時音と出会い孝司は少しずつ気持ちに変化があらわれ医者を目指すために第一志望だった大学を再び目指します。
秘密
「ロスタイムにまた会いたい」
「俺はロスタイム以外の時間でも会いたいよ」
孝司は花火大会に行こうと誘うが「ごめん、もう会えない」と言われ時間が戻ってしまいます。
ロスタイムに孝司は彼女を探しに行くがどこにもいませんでした。通常の時間に学校に行くとクラスメイトから入院していると聞かされ驚きます。
時音は肝臓の病気で治すには移植しかありません。珍しい血液型で父親の肝臓と適合しない事が分かり絶望したのが「12時15分」なんだと彼女は言いました。
孝司はウィルソン病を調べると「ダイエットで食べれない」、「ハーフだから目の色が違うの」など、彼女の言葉が病気を隠すための偽りだと知ります。
結末/初恋ロスタイム
孝司は病室に行き「助けてあげてください」と担当医師に頭を下げると時音のスケッチを見ていた青年医師は「君たち時が止まっているのか」と言いました。
青年はまったく同じ経験をしており妻は肝臓ガンで助かるには移植しかありませんでした。わずかな望みに懸け自分の肝臓を調べると適合したので「おそらく君の肝臓は適合すると思う」と言いました。
孝司は調べて欲しいと喜ぶが「親族」や「二十歳以上」など決まりがあるため無理だと分かります。
何のためのロスタイムなんだと憤りを感じる孝司は先が短いと分かった母親が少し元気なったのは「医者になった孝司に治して欲しいから頑張る」、そして「あなたが設計した橋が架かるから家族3人で歩きたい」と希望を持ったことだと父親から知らされます。
父親が仕事に没頭していたのは橋を完成させたかったからです。
孝司は時音が夢を描いてタイムカプセルに埋めたと聞いていたので掘り起こし彼女に渡しに行きます。そして自分がドナーにピッタリだったと告げ、来年も再来年も料理を作ってお祝いしたいからそれまで生きて手術を受けて欲しいとプロポーズしました。
反対していた父親も受け入れ病院で結婚式を行なう予定だったが時音は倒れてしまいます。
12時15分になってロスタイムがやってこなかったので孝司は亡くなったのだと落ち込むが青年医師は必死に蘇生して助け移植手術が認められたと告げます。
奇跡が起こり孝司の肝臓を移植した時音は目を覚ますと「おかえり」と言われます。
再発して転移までしてしまった妻から離婚届を出したのかと聞かれた青年医師は「自分に負担がかかると思ってるんでしょ、借りなんて十分貰ってるから何も要らないけどそれでも返したいなら最後の一秒まで一緒にいて欲しい」と告げると涙を流し頷きました。
感想/初恋ロスタイム
時が止まる1時間という設定はとても面白かったと思う。
最初、よくある話なんでヒロインが病気で何か関係しているのだと分かってしまったが青年医師は未来の孝司だと思っていたのでやられましたよ。
ただ、会ったばかりの人に肝臓を提供するためプロポーズするのはちょっと行き過ぎで冷めてしまったかな。医者を目指すきっかけとなるのなら理解出来ますがただでさえ演技がうまい2人じゃないしセリフも綺麗事が多いし・・・ちょっと残念。