作品情報/キャスト(2007)
傷害致死事件の担当となった久利生検事は犯人が自供していたのですぐに終わると思っていたが裁判でいきなり無罪を主張されます。
ヤメ検で誰もが知る凄腕弁護士が担当するのは何か裏があると思い調べると増収賄賂疑惑をかけられた代議士が背後にいる事を突き止める。
ネタバレあらすじ/HERO2007
帰ってきた久留生検事
相変わらずカジュアルな服装で通販マニアの久利生公平が6年振りに東京地方検察庁・城西支部に帰ってきました。
久利生担当の検察事務官だった雨宮舞子は内心喜んではいるが長いあいだほっとかれていた事に拗ねています。
芝山検事が自身の離婚問題で忙しくなったため、彼が担当していた傷害致死事件の公判を任された久利生は被疑者が自供しているので簡単に終わるものと思っていました。
しかし、被疑者である梅林は裁判で一転して無罪を主張し検事に脅迫されたと訴えました。
背後に代議士
梅林に暴行された被害者の里山祐一郎は倒れた際に後頭部を縁石に強打して死亡。
久利生は雨宮を連れて事件現場である三軒茶屋に足を運びます。
里山は婚約者の松本めぐみさんに会いに行く途中に些細なことから梅林と口論となりました。
久利生は被疑者の弁護を受け持った蒲生がヤメ検で誰もが知る凄腕弁護士で知り、同僚たちは「なんでこんな事件に蒲生がからんでくるんだ」と愚痴っていました。
花岡練三郎代議士が増収賄賂疑惑をかけられた事で法務大臣に指揮権を発動させて特捜の動きを封じました。
花岡の秘書はアリバイ工作のために先生は赤坂の歯科にいた事にしてビルの警備をしていた梅林を目撃者に仕立てたが彼が傷害致死事件で起訴されてしまったため刑事事件無罪獲得数日本一の蒲生に託したのです。
目撃者の情報では梅林は側面に「男魂」と書かれた大きな車で勢いよく走り去ったと言っていました。狭い道では一回でUターン出来ないと思った久利生は現場に行くと縁石に乗り上げて接触した傷を発見します。
事件の翌日に車を処分していたので自動車解体工場を調べると誰かに監視されている事に気付き話しかけます。東京地検特捜部の黛検事の部下だと知り訪ねると花岡代議士の賄賂の授受があったのは神楽坂の料亭だが赤坂の歯科医とビルの警備員だった梅林が証言していると知らされます。
赤坂のビルで花岡を見たと証言した梅林が同時刻に8キロ離れた三軒茶屋で起こった事件の被告になっている。久利生は事件を起こした事を知らずにアリバイ工作の証人にしたのだろうと察します。
久利生は花岡と因縁がありました。虹ヶ浦支部に属していたころ地元の有力企業で鴨井産業の常務だった滝田が恐喝者を殺害してしまった事件を担当していました。調べると虹ヶ浦の海を強引にでも埋め立てようとした花岡がからんでいたのです。
証拠を掴むため韓国に
なんとしても梅林の車を発見してやろうと城西支部のみんなで解体工場を調べるが雨宮が指を怪我してしまったので久利生は事務所に絆創膏を借りに行きます。
すると、
「ここで処分されたと思ってるからまた検事が来てるよ。ばれたらどうすんだよ」と工員が電話で話していました。
なんと裏では不正輸出をしており栗林の車は韓国のイムが処分した事を知ります。
久利生と雨宮は釜山地方検察庁のカン検事に話を通し韓国へ飛びます。イムという人物を探すが彼は麻薬密売組織の顧客リストを管理している人物で捜査官が突入してきました。
イムは顧客リストであるUSBを雨宮のバックに入れ逃げ出しました。そのおかげで雨宮が拉致され久利生は必死に追いかけるがそこへカン検事が現れました。
海に沈められた梅林の車を発見し吊りあげてくれたカン検事は「彼女を離してはいけない」と言い去って行きました。久利生は黙って頷くが韓国語は分かりませんでした。
裁判で車の傷と縁石の傷を証拠して提出するが蒲生は車の傷はいつできたか分からず証拠にならないと言いました。
「有罪判決がでるまで被告人は無罪であり、検察官は有罪にしたければ0.1%の疑問を抱かぬように立証しなければならない」
言っている事は間違いではなく久利生は引き下がるがもともと久利生のような検事だった蒲生は車を見付けて来た執念に驚きます。
結末
世田谷で自転車のサドルに火をつける放火事件が20件以上あり江上検事の事務官である末次が嘆いていました。久利生は事件の第一通報者が近くて起こった放火の現場へ向かう途中に梅林を目撃したと裁判で証言していた事を思い出します。捜査官が野次馬を撮っているはずだと思い写真を隅々までチェックします。
しかし、梅林はどこにも写っていませんでした。
雨宮は野次馬が携帯で撮影している事に気付き城西支部全員で調査を開始するがそれでもそれぞれの携帯には梅林は写っていませんでした。
久利生は赤坂のビルに行くと4台分の駐車スペースがあるが花岡が通院した時刻には清掃業者の車で3台分がうまってる事に気付きます。
別件である特捜部の捜査資料を黛から渡された久利生は被告人のアリバイが本当かどうかはっきりさせるため花岡代議士を証人として申請します。
法廷に引っ張り出す事に成功した久利生は自家用車を使い駐車場に止めたことを証言させ、その時刻には空きは1つしかなくそこには梅林の車が止まっていたはずだと迫ります。
それでも花岡はしらをきりますが、そこへ城西部の同僚たちが証拠を見付けたとやってきました。
野次馬の携帯には写っていなかったが現在江上検事が聴取を行なっているサドルフェチの放火犯の携帯に車から顔を出して笑っている梅林が写っていたのです。
捏造だと言い張る花岡だが世田谷で起こった放火の野次馬835人分の携帯を調べた事を聞かされた蒲生は心を動かされ証拠として認めると発言しました。
花岡のアリバイが崩れ傍聴席にいたマスコミがいっせいにいなくなります。
特捜が強制捜査に動き出し花岡は逮捕され梅林は懲役8年に処されました。蒲生は控訴する構えのようです。
「あるよ」が口癖のバーテンダーがいる馴染みの店で久利生は翻訳機を手にします。
カン検事が言っていた意味を知り久利生は「話しません。約束します」と返します。そして見詰め会った久利生と雨宮はキスしました。
作品情報/キャスト(2015)
大使館裏通りでコンパニオンの女性が車に轢かれて死亡する事件が発生。
東京地裁城西支部の久利生は事故に遭う前に靴も履かず足が汚れていた事を不審に思い調査に出ると大阪地検の難波支部の検事となった雨宮が自分が担当する事件の重要証人だったため訪ねてきます。
裏に隠された大掛かりな陰謀とは・・・
ネタバレあらすじ/HERO2015
再会
東京地検城西支部の検事、久利生公平は交通事故の加害者、徳本の聴取を行います。
死亡したパーティーコンパニオン、三城紗江子がいきなり道路に飛び出して来たと主張していたが、それ以前に久利生は被害者である三城が靴を履いておらず足が泥だらけだった事に疑問を持ちます。
そこへ大坂地検難波支部の検事でかつて久利生の事務官であり恋人のような存在である雨宮舞子が8年振りに訪ねて来ました。
被害者の三城は雨宮が担当する広域暴力団二崎会の恐喝事件の証人だったのです。
もしかしたら口封じで単なる交通事故ではないかもしれないと思う久利生は麻木事務官と雨宮、彼女の担当事務官一ノ瀬を連れて事故現場に足を運びます。
こんな見通しの悪い道路では法定速度を守っていても避けられないと4人は思います。久利生は被害者が飛び出してきた方向に歩き出すとネウストリア公国大使館にぶち当たりました。
大使館は無理だよな…と皆が思うなか久利生はブザーを鳴らしてしまったことでネウストリア大使館から外務省、外務省から法務省、法務省から東京地検牛丸次席へ抗議がきます。
城西支部に戻った久利生は被害者は亡くなる2時間前にパーティーでネウストリア人といた事を知るが外交特権(日本の捜査権は大使館の敷地内にはない。例え犯人だったとしても逮捕できない)を知らないのかと牛丸からお叱りを受けます。
狙われる検事
「あるよ」が口癖のマスターがいる行きつけのバーに行くと久利生と雨宮の関係を知らない検事や麻木事務官がいろいろと質問します。
周囲がピリピリする中、雨宮は弁護士からプロポーズされた事を話します。
「おめでとう」と伝えた久利生は大使館の門=国境を越えるものはないかと考えているときにマスターが「あるよ」と言いました。
久利生は麻木と共にネウストリア料理店に足を運びおススメを注文すると大きなソーセージが出てきます。
被害者と会っていた人物の写真を見せるが店長はそっけなく否定しました。
ネウストリア人はソーセージを1日7本食べることやペタンクというスポーツが人気だと知り積極的に文化に溶け込んでいきます。
そして被害者と会っていた人物は大使館にいるコールマンだと知ります。
久利生は出勤途中の信号待ちで車に轢かれそうになります。
外務省欧州局長の松葉が訪れ貿易交渉の大事な時だから違法な捜査をやめるよう要求してきました。
たかが交通事故だと口にした松葉に頭にきた久利生は捜査を続けるがおでん屋台で食事している時にダンプカーが突っ込んできます。
雨宮をかばったために接触してしまった久利生は病院に運ばれます。
雨宮は病院に駆け付けると久利生から「どなたですか」と聞かれ驚くがこれは久利生の冗談でした。
久利生が命を狙われたと知り城西支部は団結して徹底的に捜査します。
オルゴール
違法薬物でボロ儲けしている二崎会がネウストリア大使館に密輸させてる疑いが持たれます。
二崎会から頼まれたコールマンが三城を死に追いやりコールマンから頼まれた二崎会が久利生を狙ったものと推測されました。
二崎会の幹部である赤松と何者かが鞄を交換して何やら取引している現場がお天気お姉さんの背後に映っていました。
パーティーでコールマンが積極的に三城に近付いていたという目撃情報を得ます。また三城の友人の携帯には事故に遭う2分前に彼女の助けを求める留守電がふきこまれていました。
久利生を狙ったダンプカーは二崎会の傘下にある石見興業のものでおでんの具が発見されました。
久利生は三城が大使館にいた証拠さえあればと頭を悩ませている時に雨宮がネウストリア独立記念パーティーの招待状を持ってきました。
雨宮にプロポーズした弁護士の父親は貿易会社に勤めているのでそこから入手したのです。
久利生と雨宮はパーティーに出席しコールマンの後を追うが裏庭にハイヒールの飾りを見付ます。被害者はここでハイヒールが脱げたのだと分かるが職員にばれて地下室に閉じ込められます。
ネウストリア店で1人で酒を飲んでいた人物は実は大使でした。文化に溶け込もうと必死になっている姿を見ていたので解放されるが、パーティーに出席していた松葉に説教を受けます。
その時、時計台のオルゴールが流れ久利生はどこかで聞いた事があると思います。
外務省が久利生は検事に相応しくないと訴えてきました。
外務省に足を運んだ川尻部長は「たかが交通事故だろ」と言われ「人の命が失われたんだ。検事が真実を知ろうとして何が悪い」と説教します。
一方、大使館のオルゴールのメロディーが三城が友人の留守電にふきこんだバックで流れていたのと同じだと久利生は気付きます。
久利生と城西支部のメンバーは松葉を訪ね、裏庭で靴の飾りを見付けた事や留守電のメッセージに大使館のオルゴールのメロディーが流れていた事を説明しコールマンを聴取したいと願い出ます。
二崎会の幹部赤松と何者かが取引してる映像を見せられた松葉はナンバー2の公使だと教えてくれました。コールマンはただの職員で外交パスを持たないので違法薬物を密輸しているのは公使の可能性が高いと言いました。
しかし松葉は自分の部下を引き渡すような大使はいないと言いました。
久利生は習慣も宗教も違うのは承知だが国境を越えるものなんて他にたくさんあると言います。
ペタンクやソーセージを好むなど何も知らなかった松葉はネウストリア料理店に行き大使と会うと「久利生は国境を越えて理解しようと努力していた」と聞かされます。松葉は久利生の話を聞いてやって欲しいと大使にお願いしました。
結末
ネウストリア大使館に招待された久利生は大使から「公使は本国で逮捕しネウストリアの検事によって罪を裁かれるが外交特権を持たないコールマンは引き渡す」と告げられます。
交通事故の参考人としてやってきたコールマンは「俺は何もしてない」と傲慢な態度を取ります。
「あなたから逃げて被害者は亡くなった。目の前で轢かれたのに何もしなかったんだろう。我々検事はそういった悪を絶対に許さない」と久利生は言い放ちます。
麻木事務官が「このあと、ダンプカーの件で別の検事の取調を受けます」と伝えたあと久利生が「更にその後、大坂地検に身柄をおさえられて違法薬物の件でかなり厳しい雨宮検事の取調を受けます」と言い放ちました。
また加害者、徳本の裏付けが取れたので被害者が亡くなった事だけは絶対に忘れないよう念を押し不起訴にしました。
「久利生さんの事好きだったんですか」
麻木事務官に聞かれた雨宮は「大好きだった」と答えるが今は「大事な事を気付かせてくれる人」だと言いました。
プロポーズを断った雨宮は見送りにきてくれた久利生に「昔、久利生さんが飛ばされた石垣島に異動する事が決まっている」と伝えます。
「久利生さんと同じ道を歩みます」と雨宮は歩き出し振り返ることはしませんでした。久利生は城西支部に戻ってくるまで待っていると心で思い雨宮の背中を見送りました。
久利生は直接に公使と話しがしたいと麻木事務官を連れてネウストリアへ飛びました。城西支部のメンバーは「なんで久利生の仕事しなくちゃいけないんだ」と愚痴っていました。