カエルの小指(道尾秀介)ネタバレあらすじと感想結末 / あの詐欺師たちが帰ってきたぞ

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作品情報

「カエルの小指」は映画化もされた道尾秀介の大ヒット作「カラスの親指」の続編になります。

前作カラスの親指(参照)の後、もう二度と詐欺には手を染めないと己に誓ったタケ(武沢竹夫)は口のうまさを武器に実演販売士として真面目に生きていたが中学生キョウとの出会いで一転する。

キョウの母親は詐欺に遭って絶望し「見たらダメよ」と言い残し自分の目の前でテラスの柵を乗り越え飛び降り、父親は生まれたときからいませんでした。

そんなキョウから「あるお願い」をされたタケは怒りに震え救うために再び詐欺師に戻る事を決意する。

かつて一緒に暮らしてとんでもない詐欺を仕掛けた「まひろ・やひろ・貫太郎」に協力を求め人気番組を巻き込んでとんでもない仕掛けをする。

人間はどこから来たのかじゃなくてどこへ行くのかが大事

 

ネタバレあらすじ「カエルの小指」

もう詐欺はしないと誓ったタケ(武沢竹夫)は実演販売士を派遣する「ヒューマンブラッサム」に就職し真面目に生活していました。

ある日、度々目にする中学生の男の子を「どこかで会ったような気がする」と思って気にしていたが今日は実演中に邪魔されただけでなく帰り際に声を掛けられ「口の上手さには自信があるので番組に出て金を稼ぐために実演販売を教えて欲しい」と頼まれます。

番組はキッズが自分の自慢する事をアピールするもので賞金があり人気番組でした。

キョウと名乗る中学生は祖父母と暮らし母親は詐欺に遭って自らキョウの目の前で飛び降り父親は出産の時に契約書が交わされ子供を認知しないと明記されている事で誰だか知らないと言います。

祖父母の呉服仕入れ販売会社の経営が傾きかけていたときに母親は交際を始めたばかりのナガミネマサトと名乗る男から株の儲け話をうけ騙されてしまったのです。

母親が飛び降りた時、偶然撮影していた人がネットにアップしたため消去依頼を出しても度々ネットにアップされていました。

キョウは母親からナガミネを刺して殺してしまったと聞かされており祖父母から「誰にも話すな」と言われていました。警察が訪ねてくるのも時間の問題だと思っていたが被害者の男は重傷を負っただけでキョウの母親に刺されたあと家の外に出て詐欺がバレないように「知らない男に刺された」と証言したため通り魔だと思われました。

キョウは番組の賞金でナガミネを捜すよう探偵にお願いしようとしたのです。

タケは話している途中でキョウは男性ではなく女性だと気付きます。目の前で飛び降りる母親を見てから髪の毛をばっさり切り理由もわからず男の格好をするようになったのです。

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伝授

タケは15年前に橋から飛び降りようとしていた寺田未知子に声を掛けて救った事があり、彼女が最近になってテラスの柵を乗り越え飛び降りた動画が出回っていることを知っていたのでキョウは未知子の娘なんだと気付きます。

キョウをどこかで会ったような気がしていたのは2年前に未知子が実演販売していた魔法ブラシを買ってくれたことがありその時にいたからです。

15年前の未知子はキョウを身籠もったが男に逃げられ絶望し飛び降りようとしていたのです。タケは「2年前に買った物を今でも大事に使っている」とお礼の手紙を貰いそれが嬉しくて大事に持っていたがこの手紙は住所を突き止めるためにキョウが会社に送ったものでありタケは住所を書いて返信していました。

キョウに「生まれたくはなかったのにあなたのせいで生まれてきた。責任取ってください」と言われたタケはどうしたらいいもんかと考えていたがいきなり二人組の男にボコボコにされます。

詐欺を辞めて10年も経つので自分が狙われたのはナガミネの仲間による「キョウに関わるな」というメッセージだろうと受け止めます。

行動を止めたい時に暴力は有効かもしれないが激しい心の痛みを経験したタケには逆効果であり祖父母がお遍路から帰ってくるまでキョウを家に泊め実演販売士を伝授してやろうと思うのです。

そしてかつて一緒に住んでいた貫太郎、まひろ、やひろ、に協力を求めると小学6年のテツがビデオカメラを手にやってきました。テツは貫太郎とやひろの息子で、やひろの妹まひろが手に持つケージにはチョンマゲと名付けた猫がいました。(関係性やタケの過去に何があったかは前作参照)。

~猛特訓の成果もありキョウは相手の利き五感にトークを合わせプロ並みに成長するが番組ではスポンサーNGがでた理由で収録本番で出られなくなってしまいました。せめて観覧だけでもと言われたタケは不満を抱えていたが収録が終わる直前にキョウがゲリラ的に乱入して実演をはじめたので驚きます。

残念ながらタレントの瀬谷ワタルが痛がってしまったことで止められてしまいました。

また探偵に依頼していたがすぐに調査が終了しナガミネと名乗っていた長澤正志は病院に運ばれた後に亡くなっている事を知ります。タケは自分が言える立場ではないと知りながらも父親に責任をとらせるべきだと訴えるがキョウに父親・キモトコウジの家に案内されると家庭持ちであり、しかも目を見たときに詐欺師ではないかと頭をよぎります。

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決意

タケはナガミネが本当のことを話していたらキョウや祖父母は人殺しの家族として生きなければいけないので良かったのかも知れないと思うが新聞受けに盗聴器が仕掛けられているとテツから電話があります。

着手金が安い事でチラシを見て依頼したが詐欺師がターゲットを捜すために探偵とつるんでいる場合がある事を思い出します。引っ越したばかりの人の郵便受けをチェックすると予想通り探偵のチラシだけありませんでした。

ナガミネはまだ生きているんだ!!!

頑張って生きようとした未知子、中学生ながら不幸のどん底に落とされたキョウ、会社を失う事になってしまったキョウの祖父母、成功報酬10万を払い暴行を受けていたテツは怒りが頂点に達すると「詐欺師をやっつける番組で世の中に映像を流してやる」とキョウが言い始めました。

「そのためには皆さんの協力が必要で欺さなければならないが元詐欺師なんで大丈夫ですよね」

タケは何で知っているのかと戸惑うが様子がおかしいテツを問い詰めると会った初日にチクっていた事を知り驚きます。キョウは詐欺師だったとしても母親の命を救ってくれた事は事実だし「どこへ行くのかが大事」と思っているので気にしていませんでした。

 

タケは「墓参りに付き合え」とキョウに伝えると当然のように貫太郎たちも同行し「悪いが1回だけペテンを仕掛ける」と入川鉄己こと河合光輝に報告しました。(しつこいですが前作参照)。

 

遺伝

武沢/タケ・まひろ・やひろ・貫太郎・テツ・キョウの6人でまずは探偵の津賀和を尾行します。

津賀和がカフェに入ると姉妹が隣の席を確保し親が残してくれた金があって寄付したい事を話し始めると変装して離れて座っていたタケとキョウは津賀和が釣られたことを確信します。

「やひろ」が先に出ていき、かつてスリで生計立てていた「まひろ」は津賀和が席を立つのを見計らって立ち上がり一瞬の隙を突いてポケットから鍵を抜き取ります。テツが飛んできた鍵を掴んで走り出しタケとキョウも店を出て追いかけます。

テツが貫太郎に鍵を渡し店で合鍵を作り引き返す作戦だったが店が閉まっていました。テツは咄嗟にスマホで調べライターとセロハンテープを買いあぶったあとセロハンテープですすを貼り付け形を残しました。

これを缶の蓋に貼り付け切り取り重ねれば即席の合鍵が作れるのだと言う。

津賀和を足止めしていた「まひろ」のもとに急いで戻りマジシャンだった貫太郎が鍵をポケットにうまく入れなんとか成功します。

小学生のテツが活躍したのはこれだけではない。

合鍵で侵入するがバックアップが取れないので高解像度の隠しカメラを仕掛けました。

3分何もしていないだけでロックが掛けられるパソコンだと分かり、貫太郎が浮気調査をお願いしたいのですが足が悪くて階段を上れないと呼び出し出て行った隙に侵入してパソコンがロックされる前にデーターを抜き取るのが作戦だったがパソコンを手に出て行ってしまいました。

テツは頭をフル回転させBluetoothのワイヤレスキーボードを購入し接近して津賀和のパソコンにペアリングするのに成功したのです。貫太郎はメールで指示を受け津賀和がパソコンから目を離すように芝居を打って頑張りました。

事務所に戻りキョウが依頼した件で詳しく知りたいと訪ねている間にドアの外から遠隔操作でデーターを盗み出したのです。

こうしてナガミネの正体は長澤正志ではなく兼澤高志だと判明し、津賀和は詐欺グループではなく個人的にナガミネ(兼澤)を助けている立場だと知るのです。

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接触

まひろは鍵を抜き取る際にカルチャースクールに通っていることをうまく伝えていたのでナガミネが接触してきました。

タケを慕っている「まひろ」はキョウのせいでタケが振り回され暴行まで受けることになったので内心は反対だったが同じ経験をして苦しみが分かるので「行動すれば世界は変わる」とキョウに教えたいと思ったのです。

デートを重ねているうちにナガミネはついにお金の話を始め、ユニセフが運用している口座に移してあるのだと言う。なんでも預けて運用したときに出る利益が寄付金となりアフリカの子供達を救うことが出来るからとありそうな話だ。

一口50万から参加できると聞き「まひろ」はとりあえず釣られるが・・・・

「まひろ」は自分が人を欺き生活していた過去を今でも許せない自分がいて、そんな自分は愛されてはいけないと思い恋愛をさけてきました。しかしナガミネと一緒にいて「普通の相手では物足りないと感じていただけだった」と気付くのです。

ナガミネと会っている時は常に録音していたが「まひろ」は自分でも驚くことにナガミネを自宅に誘う時に録音を止め抱かれていました。「まずいよなぁ」と思いながらも・・・。会話の時にかすかにチョンマゲの声を耳にした「やひろ」や貫太郎は自宅にいたんだと察し惹かれてしまったのだと感付いていました。

 

購入したGPSでタケがナガミネの自宅を突き止め「まひろ」の被害額が600万を超えます。

番組に相談するとすぐに調査が入りナガミネと会うときは隠し撮りが開始されました。

そしてついに「対決」をむかえます。

 

結末 カエルの小指

未知子が飛び降りた場所にナガミネを呼び出す「まひろ」、

やひろ・テツ・キョウは何かあったときに動けるよう待機場所を探し、

タケと貫太郎は未知子と「まひろ」が取られた分を回収するためナガミネのマンションに向かいます。

タケは貫太郎が作った偽造の保健所を手に鍵屋を呼び金はしっかり回収するが、実は・・・・

キョウに前を向いて欲しくてキョウが考えた作戦を失敗しないようにタケは偽物のナガミネを作り上げるため、かつて河合光輝が雇った事がある劇団員を雇っていました。

(これも、しつこいようですが前作を参照してください)

つまり「まひろ」を欺いているナガミネは兼澤ではなく劇団員なのです。今は亡き河合光輝のおかげでタケや「まひろ」たちは詐欺から抜けれたので同じ方法を思い付いたのです。番組も欺すことになるがモザイクがかかっているので特に影響はないと判断したのです。

タケは自殺を止め一夜を過ごした未知子・そしてキョウのためにも金は回収しなければと思いテツが盗んだデーターで家を突き止め車にGPSを仕掛け金の保管場所を突き止めたのです。

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金を回収したタケは貫太郎と「まひろ」の元へ車を走らせるが「なんでタケさんがキョウのためにここまでするんですか、もしかして知ってるんですか」と金の回収中に聞かれたので問い詰めるとキョウは自分の娘だと聞かされます。

キョウがDNA鑑定書を持っていて父権肯定確率99%を示しているのをテツが見てしまったのです。「キョウは父親かどうかを確かめるために近付き”責任取ってください”とはそうゆう意味だったんじゃないでしょうか」

しかし、タケは一夜を共にしたが「やってないからありえない」と言います。

では誰のDNAなのか・・・・

急遽スポンサーのNGで出演できなくなった時キョウはゲリラで参加しマッサージ機を実演したがその時にタレントの瀬谷ワタルが痛がったことでやっぱりダメだと撮影中止になりました。

そして今回詐欺を懲らしめる番組の司会者も瀬谷ワタルなのです。

タケが到着するとキョウに頼まれたテツがいろんな車に体当たりしてあちらこちらで警報が鳴っていました。「まひろ」は騒動が起きたらテラスの柵から真下を見るようナガミネに指示してとキョウから直前に連絡を受けていたのでとりあえずキョウのための作戦なので誘導しました。

タケは長い髪の毛のかつらと未知子の服を着たキョウがものすごい勢いでナガミネ(劇団員)の背中目掛けて走って行くのを目にし「キョウ」と叫びました。

キョウのための作戦だったが皆がキョウに欺されていました。

キョウは母親を騙したナガミネを母親が飛び降りた場所で突き落としそれを非情な契約書に署名させ自分たちを捨てた瀬谷(本名・木本幸司)に見せつけるのが目的だったのです。

キョウは家で写真を見付けタレントの瀬谷が父親なのかと思ったが自分たちを捨てた人が大成功して有名になっている事実を知ると怖いのでいろんな場所のショッピングセンターのアナウンスを使って呼び出していました。そうやって父親探しをしていると怖さを忘れられたがタケが父親を捜してやると意気込んでいたので諦めさせるために木本(幸)司ではなく木本(浩)司の家に案内させていたのです。

 

キョウは直前になってお世話になったタケ達の事を思いナガミネが落下する直前に上着を掴み「まひろ」も手伝ってくれました。

キョウは泣きながら走って逃げると「まひろ」は追いかけナガミネ(劇団員)も続いて追いかけました。タケが咄嗟に車の中に押し込み全員が乗ったところで逃げたのです。

番組にはナガミネの被害者なのかは分からないがいきなり突き落とされそうになり怖くなって逃げてしまったと誤魔化しました。

瀬谷は未知子を思い出し捜査して状況を把握しキョウに会いに来ました。

瀬谷は心から反省し、キョウは金銭的な援助とたまに二人で食事をする事を要求しました。

瀬谷からの金銭的な援助は医療費にあてると言われ祖母が病気だからと思っていたタケだが実は未知子は病院のベッドで昏睡状態だったのです。キョウは絶望していたがタケ達が亡くなっていると勘違いしていた事で現実の方がまだましだと思えるようになっていました。

病院に案内されたタケはあの一夜の時と同じように未知子の手を握り「未知と叶、自分の名前を信じて祈り続けろ」と叶に言いました。

そして、

「五人家族の中でほかの全員と円満な関係もつくれれば悪い関係もつくれてしまうのは誰でしょう」と15年前に未知子からだされたなぞなぞをキョウに出しました。

(こたえは親指=お父さん。親指だけが全員と正面から向き合える)

 

感想 カエルの小指

ちょっと綺麗事過ぎるのとキョウ(中学生)がそこまで考えて欺くのか、そしてテツ(小学6年)が河合光輝(テツ)の才能を引き継いでいるとしてもそんなに率先するだろうか、どうしても頭をよぎってしまう。

キョウはいいとして小学生の方がどうも気にくわない。

正直、「やひろ」か貫太郎がIT関係に努めていて詳しくなった方が良かったな。あとはタケを偽物の木本幸司に会わせた理由はまだ分かるとしても父親探しの方法は怖さを忘れられると言っても理解出来なかったかな。

でも、前作「カラスの親指」みたいに一気に面白くて読んでしまったのは事実。二転三転する面白さと会話の中でクスッとしてしまう場面のバランスが良かったと思う。

タイトル「カエルの小指」はカエルが父親で小指はキョウの事だと思う。

オタマジャクシは共食いをはじめるがカエルがいると背中に逃げようとします。キョウも最後は父親の背中にすがりたいのだと・・・最後ははっきり書かれていないがキョウがすがる父親は自分だったらいいなとタケは思っていると受け止めましたがどうでしょう。

 

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