映画「火口のふたり」ネタバレと感想結末/赤裸々に欲望を求め合う

 

作品情報キャストの紹介

直木賞作家・白石一文の同名小説を柄本佑と瀧内公美を主演に荒井晴彦監督が映画化。

妻子に捨てられ仕事もうまくいかない賢治は、

元カノの直子が自衛隊員の男性と結婚すると知り故郷の秋田に帰省します。

5年ぶりに再会すると結婚式を間近に控えた直子につき合わされ新居へ運び込む家具の買い出しや引っ越しを手伝うようになります。

やがて直子から「今晩だけあの頃に戻ろう」と誘惑されると衝動を抑えきれなくなり婚約者が戻るまでの間、再び激しい情欲にのめりこんでいくことに。

柄本佑と瀧内公美、2人だけの出演で瀧内公美は第41回ヨコハマ映画祭で最優秀新人賞を受賞、第93回キネマ旬報ベスト・テンでは主演女優賞に輝いた。
 

 

ネタバレあらすじ/火口のふたり

 

帰省

妻子に捨てられ仕事も倒産してしまった永原賢治は1人ボケッと釣りをしていました。

父親から「直子が結婚する」と電話で知らされ故郷の秋田県に帰省すると翌朝直子がやってきました。

上がり込んできてクーラーを付けたので「自分の家みたいだな」と聞くと「小学生の時から住んでるからね」と言われます。

母親が亡くなってから父親が夜勤だった事もあり賢治の母親が直子の面倒を見ていたのです。賢治の母親が亡くなったあと父親が再婚したので実家には仏壇が置かれた状態で誰も住んでいませんでした。

新居へ運び込む家財道具の買い出しや運搬を手伝った賢治はお礼にラーメンをご馳走になります。賢治の仕事が倒産したのは東日本大震災が起きて製紙工場がなくなってしまった事が影響していました。

4年プー太郎だと知った直子は「こっちに戻ってきて実家に住めばいいじゃない」とすすめると賢治は「人妻ではね」とつぶやきます。

直子の結婚相手が40代で陸上自衛隊だと知り、「だったら全国飛び回ることになるだろうな」と賢治は伝えると「やっぱりそうだよね」と直子は言いました。

 

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欲望

直子の実家に寄って賢治は酒とおつまみをご馳走になります。いつのまにか寝てしまい二階に上がると荷物の整理を終えた直子も寝ていました。

「おもしろいもの見付けたよ」と言われ一冊のアルバムを手にすると2人が身体を重ねるモノクローム写真でした。

ただ欲望のままに生きていた頃、賢治と直子は付き合っていたのです。

賢治は「なんでこんなもの保管してたんだよ、親父さんに見られたらどうすんだ」と投げやりに言います。

「あの頃の事わすれちゃった?私の身体のことも忘れた?」

賢治は忘れてないけど思い出すこともないと言います。

直子は富士山の火口のポスターの前で身体を重ねている写真が一番好きだと言います。

新居への配送を済ませた賢治は帰ろうとすると隣に座ってと強いられます。怖いかと聞かれた賢治は怖くないと言い座るが手が下腹部までのびてきました。

手を払って帰ろうとすると「今夜だけ、あの頃に戻ろう」と激しくキスされ、欲情がおさえられなくなりそのまま身体を重ねました。

 

抑えきれない衝動

実家に戻った賢治だが朝起きると若い頃のように元気に反応していました。

直子の家に押しかけ机の上に押し倒し半ば強引にします。

「一晩限りって言ったでしょ、もう止めてよ」

「最初に誘ったのはそっちだろ」

賢治はあの頃に戻ってみたものの帰り道を見失ってしまったのです。

「結婚式はぶち壊さないから安心しろ」と伝える賢治は「あと五日で婚約者が出張から戻ってくる」と聞かされニヤつきます。

買物に付き合った賢治は「五日後には解放してやる」と言いベッドに引きずり込みます。賢治はしばらく身体を重ねる行為そのものを忘れていたと思います。

「賢治が知ってる賢治の身体と私が知ってる賢治の身体は違うんだよ」

2人は身体を重ね続けるが賢治は血尿を出して大事な部分が腫れてしまいました。直子は冷たいタオルで冷やしてあげます。

 

 

子供が欲しいだけの理由で結婚するのは動機不十分じゃないかと賢治は言います。

「結婚して子供を授からなかったら男は文句言うんだから一緒でしょ」

賢治は「男は一緒にいたいから結婚するだけだ、お前もそうなら結婚する前に俺と身体を重ねるわけない」と馬鹿笑いします。

「私の勝手でしょ」

子供の事を聞かれた賢治は急にテンション下がり浮気がバレて離婚届に判を押させられ、一歳から会ってないと言います。

 

結末/火口のふたり

五日目の夜、身体を重ねると翌朝には直子の姿はありませんでした。

実家に戻った賢治は父親の電話で起こされるが「結婚式は延期」と知らされます。

婚約者の秘密任務のせいだと知らされるがもしかして自分たちの関係がバレたのかと不安になり電話すると「極秘任務だから教えてもらえない」と直子は言いました。

家に呼ばれた賢治は駆け付けると「富士山の火口」のポスターでした。あの頃、2人で火口に吸い込まれて心中しようとポスターの前で身体を重ねたあの時のポスターでした。

「噴火するんだって、300年振りの大噴火だって」

直子は式をドタキャンされ極秘任務を教えてくれない事を不満に思い彼のパソコンを覗き見て喧嘩していました。

「こんな事したらもう結婚はしないぞ」と言われた直子だったが富士山が噴火すると聞いて自分から見切りを付けていました。

富士山が大噴火しても選ぶのは賢治と身体を重ねる事だったのです。「ここにいていいよ」と言われた賢治は「こっちにいれば火山灰飛んでこないからな」と受け入れます。

「直子と一緒にいて身体を重ねることしか今はやりたい事がない、身体の言い分だ」

 

感想/火口のふたり

瀧内公美さんって鶴田真由さんの声に似てますね。気のせいかな・・。

さて、簡単に言ってしまえば「命を繋ぐために本能のまま生きていく」といったところか。

賢治と直子は「いとこ」だと途中から分かった。なんか曖昧な会話で関係性が最初分からなかった。

日本では法律的にいとこ同士の結婚は認められてますよね。だけど何か後ろめたさがあったのだろうか。確かに言いづらいかも知れませんが。

正直、真面目に見れなかったな。やっぱり身体を重ねるシーンが多すぎるのとバスの中や路地裏でというのはどうなのか。ただのエロティックだけが浮き出てしまう。

震災で多くの命がなくなり被害のなかった秋田で生かされた直子は負い目を感じ「せめて子孫を残したい」と思い結婚を決めたのだろう。

だが相手が賢治じゃないと感じない。直子の言葉で「兄弟でも親子でもやってる人はたくさんいる」というセリフもはっきり言って気持ち悪い。私の中では100%ありえない。

確かに人生はいつ終わるか分からない。だけどやっていい事と悪いことがあると思う。浮気にしても不倫にしても被害者がいて心を傷付けていることを無視してはならない。

感想を書いていても結局何が言いたいのか分からなくなってくる。せめて美しい映像にしてくれれば命に対してもすんなり入ってきたかもしれない。「身体がしたい事をしよう」はどうも納得は出来ない。

もしかしたら主人公の2人がもっと若ければ受け入れられたかも知れない。

 

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