作品情報・キャスト
ベルリン国際映画祭監督賞の輝いたイラン映画。
大学時代の友人グループは旅行に出かけ、セピデーは独身男性に紹介するため子供が通う幼稚園の先生エリを連れてきていました。しかし子供が溺れかける事故が発生し見ているはずのエリが姿を消した。
ネタバレあらすじ
彼女が消えた浜辺
大学時代の友人グループはそれぞれの家族を連れ3泊の旅行に出発しました。
セピデーは独身男性に紹介するため同僚の保育士エリをゲストに誘っていました。
去年と同じ所に宿泊予定でしたが「持ち主が来るから明日の朝には出て行ってね」と言われます。
メンバーは3泊のはずだと訴えるが電話して予約したセピデーは来ればなんとかなると思っていたのです。
「私達だけなら車やテントで寝てもいいけど新婚さんがいるの。花嫁は一時帰国で貴重な旅なの」
セピデーは嘘をつくと窓ガラスは割れているもののカスピ海沿岸の空き家を借りれる事になりました。
空き家をみんなで掃除し終えるとエリが1人出て行きます。
メンバーは独身のアーマドに「追って」と冷やかしセピデーは「車でエリと一緒に買物に行ってきて」と頼みます。
その頃エリは車内で「明日の午後出れば夜中に帰れる」と電話していました。
アーマドはエリと買物に出かけ離婚でもめている時に母親が死んでしまった話をしました。
エリはなんで離婚したのか聞くとアーマドは「永遠の最悪より最悪の最後がマシ」と言われた事を伝えるとエリは「その通りよ」と言いました。
エリが帰ると言いだすと「バスの切符なんてないわ、ダメよ」とセピデーは言います。
「帰りも一緒じゃないとダメ」と話を聞かないセピデー。
「居てよ」
「居たくない人を引き止めても…」
それぞれ意見があります。
セピデー達が買物に行ってしまったので仕方なくエリは子供達の相手をし凧上げを楽しみます。
エリは心からの笑顔で凧上げを楽しみました。
子供アラーシュが波にさらわれ行方が分からなくなります。
男達が海に飛び込み必死に見つけ出して人工呼吸をするとアラーシュは海水を吐き出しました。
安堵した家族達は体力を失い座り込むが子供の面倒を見ていたエリがいない事に気付きます。
買物から戻ってきたセピデーは海に入って行くが夫アミールが危ないからと連れ戻します。
現地の人や救急隊員が捜索してもエリは見つからず家族達はもっとよく捜してくれとお願いするが波が高く濁っているため不可能と判断されます。
警察が来ていろいろ聞かれるが誰もエリの本名すら知りませんでした。
しかし、エリのバッグがない事に気付きます。
「帰りたがってたから帰ったんじゃない」
望みが出てきて喜ぶがセピデーが居て欲しくてエリのバッグを隠していたことが分かります。
セピデーは引き止めた自分を責めます。
翌日になっても遺体が上がらないので帰った可能性もあるとしてセピデーはバス会社に電話して確認してほしいと夫に頼むが勝手にエリを誘ってお膳立てしようとした事を責められます。
「こんな事になるなんて誰も思わない」とアーマドは庇います。
アラーシュの父親ペイマンは子供達に詳しい状況を一生懸命聞き出そうとするが妻が止めに来るので「お前が目を離すからだ」と怒ります。
みんながイライラして喧嘩するなか冷静なアーマドは「彼女は勝手に帰るような人なのか」聞くとセピデーは否定します。
しかし「じゃぁ、なんでバックを隠したんだ」とアミールは責めます。
帰った可能性もあると考え「誰か怒らせるような事言ったか」と話し合うと些細な事で相手を責めるようになり空気が悪くなります。
エリが家に帰っているかもしれないと思いアーマドは電波が届く場所へ移動し電話をかけるが母親から「娘は旅行には行ってません」と言われます。
よく分からないアーマドは「誰も出なかった」と報告しました。
アミールはセピデーの鞄の中にエリの携帯を発見し「彼女が持って行ったと言ったのに何でお前が持っているんだ」と怒ります。
セピデーは「パニックになってて忘れてた」と言うが嘘だと思ったアミールは頭にきて殴ってしまいます。
結末/彼女が消えた浜辺
アーマドはエリと買物に行っている時に電話が鳴っていた事を思い出し着信履歴を調べ折り返します。
相手はエリの兄だったが彼も旅行へ行った事を知らないようでした。
会う約束をしてアーマドとセピデーは車で向かうが「今から会う人は兄じゃないわ、たぶん婚約者よ」とセピデーは言いました。
「それを知ってなんで紹介したんだ」と当然アーマドは怒ります。
エリは婚約解消を望んでいたのでセピデーは他に良い人を紹介したくて連れてきたのです。またエリの携帯を隠したのは婚約者からの電話に出させないためでした。
アーマドは先に戻り皆に説明してから「疑いを持たせないように兄だと思って接しよう」と伝えます。
セピデーがエリの婚約者の車に乗って戻ってきます。
婚約者が「どこで溺れたんだ」と言ったのでセピデーが話してくれたんだと皆が分かります。
しかし管理人が来て新婚さんの話を出したせいで誤解が生じます。
(セピデーが部屋を借りる時についた嘘)
セピデーはエリから「今の婚約者と何とか別れたい」と相談されていた事を伝え、せめて彼女の名誉のためにも…とお願いするが「婚約は全員知らなかった事にする」と決められます。
何も知らなかったと説明しに行くがアーマドは婚約者から殴られます。
「婚約者がいる女性に男を紹介するはずない。コーランにかけて誓う」と説得しました。
エリを誘ったセピデーは「紹介すると言った時エリは何も言わなかったのか?」と聞かれ「何も言わなかった」と正直に答えました。
警察から女性の遺体が上がったと報せを受け婚約者が確認しに行ったので付き添います。
対面した婚約者は涙を流し出てきました。
感想
人間らしいと言えばそうだがまずショーレが放つ言葉1つ1つがイライラさせてくれる。その場にいたら「あんただけは黙ってて」と怒っていただろう。
そしてセピデーの言動、行動がすべてを回りくどいものにさせる。正直blogを書いていなければ見るの止めていただろう。
そして肝心のエリだが、
最後に身元確認した婚約者の涙は別人でホッとしたものだったのではないだろうか。
戒律厳しいイランで女性に自由はなくエリは溺れている子供を見て失踪する事を思い付いたのではないか。
「永遠の最悪より最悪の最後がまし」
この言葉がヒントになっていると思う。または失踪ではなく自殺を思いついたか。。
凧上げしているエリは自由を感じ嬉しそうでしたね。