作品情報とキャストの紹介
映画宣伝会社で働くカンナは8年前の15歳の時に幼馴染みのハルタを事故で亡くしてから恋が出来ないでいました。
出版社で働く禄と出会うと彼も小学生の時に事故で同級生を失っていました。2人は過去と向き合い受け止めて前に進めるのか・・・。
ネタバレあらすじ/潔く柔
瀬戸カンナは幼馴染の春田一恵と同じ高校に合格しました。同じ団地に住み幼い頃から春田はベランダを伝ってカンナの部屋に入り込んでいたが2人はもう高校生です。着替え中の事もあり来る時はメールで先に知らせてとカンナは注意します。
カンナと春田はキスした事もありお互いに好きだったがそんな会話をする事もなくいつもの関係を続けていました。
高校で仲良くなった川口朝美と真山稔邦と出会い4人で遊ぶようになります。朝美は春田が好きだったがカンナに想いを寄せている事に気付きます。真山はカンナの事が好きで積極的に誘います。
ある日、真山から誘われたカンナは祭りに行きキスされるが春田が事故に遭った知らせを受け急いで病院に駆け付けます。
春田は助かりませんでした。
朝美は春田の気持ちを知っていてなんで真山と会っていたのかと責めます。カンナは携帯を見ると春田から「行くよ」とメールが入っていました。
3人は気まずい関係となって交流はなくなりカンナは明るくは振る舞うが春田は自分のせいで亡くなったのだと深く傷付いていました。
〜8年後、
映画宣伝会社に就職したカンナはただ1人ゴキブリが全然怖いと思わず退治する時に頼りにされます。会社では人間関係はうまくいっていたが高校時代の傷は深く恋愛だけはまったくする気になりません。
カンナは出版社を訪ねると担当者の赤沢禄を見て驚きます。昨日の夜、行きつけのBARで酔っ払った禄に絡まれていたのです。
カンナは今まで自分に群がる男をスルーして相手にしてこなかったが禄はなんか嫌な奴でイライラします。それでもメールでやりとりするうちに仕事の延長上ではあるものの映画を見たり食事に行ったりするようになります。
似たような経験
友人の桃香がカンナの過去を禄に酔っ払って話してしまいます。別に自分の過去を知られても禄は興味もないだろうからとカンナは怒りません。
禄は過去がどうであれ飲みに誘ったから関係ないと言うがカンナは騙されている気がするから何か秘密を教えてと言いました。
するとカンナは禄も同じような経験をしていて驚きます。
禄が小学生の頃、いつも自分に付き纏う希美を遠足の時にうざくて突き飛ばした事がありました。道路に投げ出された希美をうんざりしながら助けるが2人は走ってきた車に轢かれてしまいました。禄は小指を怪我しただけで助かるが希美は亡くなってしまったのです。
その後引っ越し高校生になって戻ると希美の姉である愛美が訪ねてきました。愛美は怒ることなく街に戻ってきた禄を喜んで迎えてくれました。
罪悪感
カンナは飲み過ぎてしまい倒れて救急車で運ばれます。病院で目を覚ましたカンナは禄と小峰清正がいる事に気付きます。小峰は春田の従兄弟であり禄の大学の後輩でした。
カンナは精神的ストレスから突発性難聴になっていました。自分の気持ちは自分で分かっていたけれど初めて他人から言われて当時の罪悪感などを深く思い出してしまったのです。
禄は「大丈夫、君は悪くない」と言いますがカンナに聴こえません。
禄は高校生の時に希美が書いていた日記を愛美から手渡されていました。その時、日記を読んだら一緒に田沢湖に行って欲しいとお願いされていた事を思い出します。
日記には禄と遊んだ事が毎日書いてあり最後には禄と一緒に田沢湖へ遠足に行くのを楽しみにしている事が書かれていました。
解放
無事に退院したカンナは禄にお礼のメールを送り飲みに行くと禄と漫画家の野原先生がいました。
禄と野原先生が仲良くしているのを見てカンナはすぐに帰るが禄が追い掛けてきます。
先生を1人残して来たらダメだと言うが禄はほっとけないからと家までタクシーで送ってくれました。
禄は希美の命日に事故現場に行くと愛美と会います。一番明るかった希美がいなくなってしまい愛美は変わりに明るく振舞っていたが親からは悲しくないのかと責められていました。家の中では時間が止まっているから親に責められても明るく振舞っているのだと愛美は言います。
愛美が足を滑らせ落ちてしまいます。助けに行った禄は希美の幻想を見て「ごめん」と涙を流します。
愛美から「禄ちゃんのせいじゃないから大丈夫」だと言われ禄は苦しみから解放されました。
罪悪感はどうしたら無くなるのか?
カンナは相談すると禄は一生無くならないと言いました。
「試しに付き合って見ない?」と言われたカンナは行きつけのBARで考えます。
メールですら大学時代に勇気をもってするようになったがすべてが大丈夫になる事も怖いのです。
結末/潔く柔く
空港で朝美とばったり会い春田の父親が再婚して子供ができた事を知らされたカンナは禄が運転する車で春田の弟に会いに行きます。
全然似てなくてカンナは良かったと思い、春田の墓参りをしました。
禄は愛美には言葉を覚えるのが遅くて4歳になっても話さない娘・睦美がいる事を話します。メールではやり取りしていたが希美と似ているような気がして一度も会いに行ってはいませんでした。
墓参りに付き合ってくれた事に感謝したカンナは睦美に会いに行こうと誘います。
すると禄に会った睦美は「待ちくたびれた、会いたかったの」と話しました。「ママ」と呼んでもらえた愛美は禄に感謝しました。
カンナは通っていた高校に行き、生まれ育った街を歩き逃げずに春田をしっかり思い出します。
明日は禄の誕生日だが付き合う事になった野原先生の家でパーティーする事を知ります。
春田はカンナが大好きだったが自信を持てなくて怖くて悩んでいた事を小峰から聞かされます。
カンナは野原先生の家を訪ね禄に「野原先生とお幸せに」と言って逃げるように出て行きます。カンナは追い掛けてきた禄を引っ叩きます。
告白されて返事もしてないのに付き合うなんて最低だと想いを吐き捨てると付き合うのは仕事の打ち合わせだと知ります。
カンナがもたもたしていると禄は抱き締め好きだと言いました。カンナは「私もあなたを1人にしたくない」と言ってキスしました。
15歳で止まっていた時計がやっと動き始めたのです。