監督・脚本・原作
( 新海誠 )
◆秋月孝雄(入野自由・関根航)
◆雪野百香里(花澤香菜)
◆秋月翔太(前田剛)
◆寺本梨花(寺崎裕香)
< ネタバレ あらすじ >
言の葉の庭
靴職人を目指す高校生の秋月孝雄(タカオ)は雨の日は地下鉄に乗り換えず外に出ます。空の匂いを連れてきてくれる雨は空を近くに感じていた子供の時を思い出させてくれる。
庭園(新宿御苑のベンチがモデル)で靴のデッサンをしてから登校するので雨の日は必ず遅刻します。
ある日、朝からチョコレートをツマミにして缶ビールを飲む雪野百香里(ユキノ)と出会います。タカオはデッサンしながら何処かで会ったような気がしてユキノに訪ねます。
「いいえ」と返事したユキノだがタカオが着るワッペンを見て「会ってるかもしれない」と言いました。
ユキノは万葉集の短歌「雷神の 少し響みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ」を口遊み去って行きました。
タカオが帰宅すると机の上には母親から探さないでくださいと書かれた手紙が置いてありました。兄の翔太は「どうせ彼氏と喧嘩してすぐ戻ってくるだろ」と気にも留めません。
翔太は彼女と暮らすため来月には出て行く予定です。タカオは母親が出て行ったのはそれが原因だと思うが翔太はいいかげん子供離れして欲しいと思っていました。
梅雨の時期に入りタカオは庭園に行くとビール片手にユキノがいました。
学校は行かなくていいの?と聞かれムッとしたタカオは仕事サボっていいんですか?と聞き返します。
ユキノが「今日もサボっちゃった」と笑うと雰囲気が和みます。ビールだけ飲んでいたら身体に悪いと伝えるとユキノのバッグにはチョコレートが大量に入っていました。
ビールとチョコレート、妙な組み合わだなと思うタカオだが午後から登校するため「それじゃ」と言って立ち上がります。ユキノは「雨が降ったらまた会えるかもね」と言いました。
朝起きる瞬間タカオは雨を祈るようになり靴職人になりたい夢をはじめて話します。靴職人になれば今の現状から違う場所に連れて言ってくれるはずだと思うのです。
ユキノに惹かれ始めたタカオだが15歳の自分はただの子供に見られてるだろうと悩みます。
ある日、弁当を作ったタカオは「一緒に食べよう」と伝えるがユキノは仕事に行こうと試みたので自分の弁当を持っていました。
タカオはユキノの卵焼きを勝手に摘み食いすると美味しいものではなく味覚がおかしいのではと思います。
ユキノはビールとチョコレートの味しか分からない味覚障害だったがタカオの弁当は美味しいと感じられました。
元彼から「思い切って仕事を辞めると決心した事が良かったんじゃないか」と言われます。
ユキノはいつも弁当をご馳走になっているお礼に靴職人の本をプレゼントします。タカオは名前も職業も悩みも分からないがどんどんユキノに惹かれていきます。
ユキノのために靴を作ることを決めたタカオはサイズを計らせてもらいます。
しかし梅雨が明け晴れの日が続き2人は会わなくなります。タカオは学校に直通するがユキノはタカオに会いたくて晴れの日が続いても庭園で本を読んでいました。
専門学校へ行くためには学費を貯めなければならず夏休みにタカオはバイトを毎日入れて頑張りました。
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9月になり学校に行くと友達はみんな日に焼けていました。友達と話しながら歩いていると職員室からユキノが出てきました。
ユキノは古文の教師だったのです。3年の相沢が好きだった男子生徒がユキノ先生が好きだった事で逆恨みを受け嫌がらせをずっと受けていたのです。
それで誰からも信用されず学校に行かれなくなり味覚障害にまでなったのだと知ったタカオは放課後、3年のクラスを訪ね相沢を引っ叩きました。
晴れてはいたがタカオは庭園に向かうとユキノがいました。
タカオは「雷神の 少し響みて 降らずとも 我は留らむ 妹し留めば」と返し歌を口にします。
初めて会った時、ユキノは「雨が降ったら君は此処に留まってくれるだろうか」と聞きタカオは「雨なんか降らなくても此処にいるよ」と返したのです。
「ユキノ先生」と初めてタカオは口にします。
雷が鳴り急に雨が降り出します。泳いで川を渡ってきたみたいに2人は濡れてしまいユキノの部屋に行きます。
ユキノはアイロンでタカオの服を乾かしタカオは2人分の料理を作ります。
「生きてきた中で今が一番幸せかもしれない」と互いに思います。
タカオは「ユキノさんが好きなんだと思う」と口にするがユキノは「さん、じゃなく先生でしょ。先生は来週四国に帰るの」と言いました。
「私は庭園で1人で歩ける練習をしてたの…靴は無くても。」
ユキノの言葉を聞いたタカオは服を乾かしてくれた事にお礼を述べ出て行きます。
今まで本当の事が言えず苦しんでいたユキノはタカオを追いかけます。
タカオは自分の事はなんにも話さないユキノに怒りをぶつけます。ユキノは泣きながらタカオに抱き着き怖くて学校に行かれなかった苦しみを吐き出しました。
ユキノは四国へ帰り教師をはじめます。タカオは休みにはバイトをして靴職人になる夢に向かいます。
真冬、雪が積もる中、タカオは完成した女性靴を持って庭園に行きユキノからの手紙を読みます。
歩く練習をしていたのはきっと自分も同じだったと今では思います。タカオはもっと遠くまで歩けるようになったらユキノに会いに行こうと思うのです。