作品情報・キャスト
モーグルのオリンピック候補選手だったモリー・ブルームの自叙伝を「スティーブ・ジョブス」を手掛けたアーロン・ソーキンが映画化。
モリー役には「女神の見えざる手」や「ユダヤ人を救った動物園」で主演を果たしたジェシカ・チャスティン。
大怪我でオリンピックの夢が絶たれたモリーはロサンゼルスに引っ越しクラブで働き始めると非合法のポーカークラブ運営を手伝うようになります。才能を発揮すると自分の地位に危険を察知した経営者に解雇されるが自らポーカークラブを立ち上げ大成功する。しかしFBIに目を付けられていた・・・。
ネタバレあらすじ
モリーズ・ゲーム
コロラド州ラブランド育ちのモリー・ブルームは心理学教授の厳格な父親からスパルタを受けモーグルを習っていました。
12歳の時に背中に激痛が走るが父親が「耐えろ」と言うので続けると10分後には救急車に乗る事になり、急性脊椎側湾症で背骨が63度曲がり7時間に及ぶ手術を受けることになってしまいました。
切開して腰の骨を移植し椎骨11本をつないでロッドで固定しました。病室のベッドでモリーは無言で父親を睨み付けます。
1年半後にモーグルに復帰したモリーはコロラド大学を首席で卒業し、16年間世界一のコーチに教わり女子モーグル北米3位でオリンピック出場間違いなしと言われていました。
しかし、2002年冬季五輪予選の最終戦。視界が悪いときには目印になるように松の枝が巻かれるが凍った松の枝に直撃してビンディングが外れてしまい金具でつないだ背骨から落下してしまいました。
夢が断たれる
メダルを受賞したあとロースクールに行き女性の起業を支援する会社を設立する目標であったがオリンピック出場が断たれてしまったので父親の反対を無視して1年休暇を取りロサンゼルスに向かいました。
ハリウッドのクラブでお酒を売る仕事を始めます。とにかくお金を貯めたかったモリーは人柄と巧みな話術でお金をどんどん出させ売上に貢献し人気者となります。
ある日、投資会社の共同経営者で常連だったディーン・キースと出会い事務の仕事も始めます。イカレタ奴で戸惑うが非合法のポーカー運営のために連絡しろと指示された9人が超有名な大金持ちばかりで驚きます。
リストの客だけを通してモリーは参加者から1万ドルを受け取り飲み物の注文を受けます。
目の前に映画スターや映画監督、実業家にスポーツ選手がいるので、今まで勉強とスポーツに励んできたモリーにとっては夢のようでした。チップだけでも3000ドル手に入り「金を稼ぐ」ことに興味を持ち始めます。
金を稼ぐために
モリーは今まで着なかったような大胆な服を着るようになり「勝った金は稼いだ金の2倍いい」が信条であるプレイヤーXのカモを探すことに専念していきます。
プレイヤーを紹介してくれた人に謝礼を払うと宣伝し、ゲームを3年運営してから5万8000ドル貯めました。
しかし負けが続くディーンはイカサマを疑うようになり誰かとグルになっていると恐れ助手代は払わないとモリーは言われてしまいます。
ただで雑用係なんてゴメンだと思ったモリーは首にされる前に超一流ホテルを訪ね1晩5200ドルのスイートルームを借りて豪華な食事を用意します。
そしてクビを宣告され荷物を回収したあとプレイヤーに「今夜から場所を変更する」とメールを送りました。するとプレイヤーXたちはディーンの元を去り遊びに来てくれるようになりました。
モリー・ブルーム・イベント企画会社を設立ししっかり税金を払ってスタッフは契約社員で雇います。
掛け金を上げたりして莫大に儲けていくがモリーは超金持ちでポーカー下手な人には儲かるといえど「向いてないから止めた方がいい」とアドバイスを送ります。
負けを取り戻すためにどんどん借金を抱え家庭が崩壊する者も出てきます。
そんな人たちにプレイヤーXは「返済完了まで勝ち分の50%」で全額貸していました。それでは一生返済が終わらないし高利貸しで強請りと一緒だとモリーは言い放つとプレイヤーXたちはディーンのもとに戻って行き顧客がいなくなってしまいました。
理不尽にすべて奪われたモリーはニューヨークに飛びプレイメイトを使って宣伝させプレイヤー10人、待ち7人を集めました。
世界一のゲーム運営者となるためモリーはずっと起きていられるようにと薬物を使用するようになりペントハウスを借りてスポーツ賭博用にプラズマ設置し額の低いゲームも始めます。
勝ち分を払えなければ店は終わってしまうので手数料を取るようにするが合衆国連邦法1955条に違反しているため違法賭博運営となります。
ロシアの組織
ある日、「ロシア人は下手で大金持ち、金払いがいい」と耳にし謝礼を払うから連れてくるようお願いしました。
だが、
新しく参加する事になったロシア人たちは世界で最も凶悪な犯罪組織の連中でした。
またかつて顧客だったバッドの7億ドルのヘッジファンドは架空であり利益の計上はすべて嘘で証券取引委員会にも未登録でした。人の金で家や車、プライベートジェット機などを購入しており逮捕されたバッドはFBIに協力し洗いざらい喋りました。
モリーは「向いていないから止めるように」と忠告したのに大損していたバッドはモリーに色仕掛けで誘われギャンブル依存症になったと話していました。
そのためモリーは召喚状を受け取ってLAに飛びリストの名前を認めた上で政府に50万ドルの小切手を渡しFBIのNY支局にマークされる事になります。
ドラッグ中毒に陥っていたモリーは曖昧な世界にいるのに疲れてしまいます。
「このまま回収出来ないと自腹で勝ち金を払わなければならない・・・」、そんな時、別の組織が「手を組みたい」と訪ねてきます。
あきらかに悪者に見えご機嫌を損ねないようにうまく断るが家を襲撃され暴力を振るわれたモリーは金庫にある金をすべて渡します。
「申し出でも提案でもない、手を組まなければテルライドで一人暮らししている母親が危険だぞ」
男が更に暴力を振るい去って行きました。
体中の傷が治るまで外に出なかったモリーは「ギャング一斉手入れで約125人が逮捕された」新聞を見て、暴行を受けてから連絡がないのはこのためだと気付きます。
モリーは一週間で280万ドル回収し足を洗うことを決断するがFBIに踏み込まれたとメールを貰い急いでドラッグをトイレに流し荷物をまとめて母親の元へ帰りました。
口座を調べると400万ドル以上あるはずが残高はゼロになっていました。
結末
モーグルで大怪我を負ってから12年後。
早朝の電話に出たモリーは「両手を上げて部屋から出てきなさい」とFBI捜査官に言われます。突入すると言われて部屋を出るとすでに包囲されており違法賭博運営の罪で逮捕されます。
母親が家を担保にして10万ドル払い、釈放されたモリーは検察官の経験があるチャーリー・ジャフィー弁護士を訪ねます。
2年前にFBIが店を強制捜査した時に違法と決めつけ全額没収されてしまったので借金を返すために本を執筆し宣伝ツアーのあとやり直そうとLAに戻ったら逮捕されたのだと説明しました。
依頼料は25万ドルだと言い放つジャフィー弁護士は、NYとLAで600人以上の武装捜査官が動員され31人が同時に逮捕されたが起訴状の名前の中にロシアン・マフィアの名前があるので粗暴犯の弁護はしないと言いました。
しかしロシア組織の秘密を握っていると危険なので身辺警護を付け罪状認否に同行すると言い涙を流すモリーは頷きました。
ジャフィーは依頼料25万ドルだと言った時に10倍を放棄したと言った事に疑問を持ち、客の債権を服みたいになぜ売らなかったんだと聞くと「取り立て方法が不安で」とモリーは言いました。
その言葉を聞いたジャフィーは「代理ではなく弁護人です、無罪を主張します」と判事に言いました。
暴力的手段を避けるために2年前に7ヶ月間手数料を取っただけで犯罪組織とは無関係であり、売れば大金が転がり込んでくるような有名人の情報がハードディスクにはつまっていたがモリーは売らなかった。
それなのにFBIはモリーの全財産を没収したうえ歳入庁は没収した金に課税してきました。
ジャフィーはモリーがした事は全米にカジノと同じであり犯罪組織とは無関係だから起訴を取り下げて欲しいと検察官に訴えました。
時間つぶしにスケート場にいたモリーは疎遠だった父親に声を掛けられます。
ロースクールへ行けば法律事務所を持てたのに何故真逆の道に進んだのか?
モリーは分からないと答えるが父親はすべて自分のせいだと言いました。
「お前は知っていたんだ。5歳だった時に私が妻を裏切る現場を目撃していたんだ、軽蔑していたんだ」
だから思春期の頃、「結婚は罠」、「社会はジョーク」、「人々は信じない」と答えていたんだと指摘します。
負い目を感じていた父親の行動が「自分だけ愛されていない」とモリーは感じていたのです。
「12年前、小枝で転倒しただけだ、それだけだ」
いつも厳しかった父親はモリーの本を読み娘を暴行したマフィアを殺してやりたいと初めて涙を見せました。
モリーは父親の愛情を感じ「今は無事だから大丈夫」と抱きしめました。
「ハードドライブを提供すれば利子も付けて500万ドル以上戻る。拒めば3年半刑務所に入る」
提供すれば多くの人に危険が及ぶ、また自分の命も危うい、
取引を断るモリーは裁判で「有罪」を主張しました。答弁を終えると判事はモリーを投獄することにいかなる意味も見いだせないと判断し「200時間の社会奉仕と1年間の保護観察、薬物検査、20万ドルの罰金を科す」と述べました。