モンスター(百田尚樹)ネタバレあらすじと感想結末/かつてバケモノと言われた女性が整形を繰り返す

 

作品情報/モンスター/著書・百田尚樹

「永遠の0」や「海賊と呼ばれた男」などの百田尚樹による小説。高岡早紀さん主演で大九明子監督により映画化もされた。

生まれつき醜くく化け物と罵られ家族からも愛されずに育ってきた和子は整形した事がきっかけで繰り返すようになり風俗で働きながら理想の顔へと化けていく。

誰もが振り返るほどの美貌を手に入れた和子は地元に戻りレストランを経営して初恋の男を待っていた。

 

ネタバレあらすじ/モンスター

瀬戸内海に面した田舎町で育つ田淵和子。

彼女は生まれつき醜い顔で母親や姉からもブス扱いされ学校で友達も出来ず孤独でした。一時女子の友達が出来てもバケモノと周囲から呼ばれる和子からは結局は去っていくのです。

そんな孤独な和子も中学になると恋をして先輩が卒業する日に勇気を出してマフラーをプレゼントするが校庭にいた野良犬の首に巻かれているのを見てショックを受けます。

 

高校生になると高木英介と再会します。彼は和子の事を覚えてはいなかったが、和子は幼い頃迷子になった時にしっかりと守ってくれた人なので覚えているが顔のせいで話せずにいます。

そんな和子は彼を独占したくなり失明させようと思ってしまいます。すべては顔のせいです。そして自分なら失明しても彼からは絶対に逃げないと思ったのです。

しかしばれて警察に捕まってしまいます。証拠不十分により釈放されたが街中で広まり「モンスター」と呼ばれるようになってしまいます。

 

和子は親戚の養子となり鈴原美帆となって短大に通うが就職活動は面接で次々と落とされ自分の顔のせいだと思います。

印刷工場で働けるようになると家族、親戚と縁を切ります。ここでも顔のせいで孤独は続くが美容整形に興味を持ちます。少しずつ変わっていく顔に周囲も気付き始めるがお金がかかる事で風俗でも働き始めます。

整形手術を繰り返した真帆は誰もが見つめてしまうほどの美貌になり印刷工場を退職。夜の世界で売れっ子となり何億と稼ぐようになった真帆はいろんな男性から声をかけられ真逆の世界を手に入れます。

 

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病気になり夜の仕事を辞めた真帆は英介の想いが自分にある事に気付き育った街へ戻ります。モンスターが街から逃げて行くと散々言われたが帰郷した真帆の姿を見てモンスターが帰ってきたとは誰も言えるわけがない。

美貌ママが経営するレストランは生まれ育った街で人気になり、かつて和子を虐めていた人達も訪れます。

この時風俗をする時に知り合った崎村が訪れ田舎に帰るから一緒に帰ろうと誘われます。崎村は元の顔から美貌を手に入れるまで知っている人物であり何かと美帆を助けていた人物である。

 

待ちに待った英介がお店に訪れるが彼は結婚して子供もいました。整形を繰り返し病気になり先が長くない美帆は身体の関係にまでいたった英介に離婚してほしいと頼みます。

真帆が経営するお店で病気で倒れ最後の力を振絞って英介に想いを吐きだします。

「見た目が美しい私はかつてモンスターと呼ばれた和子なんです、それでも私の事を愛してくれる?」

英介の「愛している」という言葉を聞いて喜んで永遠の眠りにつくのでした。

 

感想/モンスター 

これはなかなか和子の気持ちが分かってあげるのが難しいですね。

すべては自分の醜い顔のせいだと思い込んで余計に心を閉ざしてしまったんでしょう。

一時嫌われることなら誰もが経験してると思われますが、

さすがに生まれてから24歳で整形するまで続くとなると気持ちが分かってあげられない。

それだけでなく親からも見捨てられ兄弟からも貶されてますからね。

 

「和子」をすべて捨てて真帆になって生きているように見えましたが最後は違いましたね。

 

あの醜い顔の時の和子、

つまり本来の自分を愛して欲しかったんですよね。最後の言葉が切ない。

 

英介は結局は身体目的で近付いてきただけだったのですね。

初恋の相手はそんな人間だったのです。

それとも男性はそんなものと伝えたかったのでしょうか?

 

かつて和子を虐めていた人に復讐する場面がありますが、かわいそうな人生ですね。

崎村と結ばれれば1番幸せだったと思いますが初めて愛した人の元には行かず初めて恋をした英介を選んだ。

整形してどんなに美貌を手に入れても病気になった時に和子を捨てきれていない自分に気付いたんです。

 

 

小説/BOOK
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