作品情報・キャスト
アカデミー賞作品賞など3部門に輝いた作品。
貧困地区で育児放棄された孤独な黒人少年シャロンは虐めにも遭い苦しんでいるときに麻薬売人フアンと出会い父親のように慕う。
フアンが亡くなり高校生になっても虐めは続き、同級生ケヴィンもいじめに加わったことで生涯1人なんだと受け止めるが・・・
ネタバレあらすじ/ムーンライ
リトルとあだ名を付けられているシャロンは無口で引っ込み思案、いつも俯いている男の子です。
イジメの標的になりやすくシャロンは必死にイジメっ子達から逃げて廃墟した建物に隠れます。
麻薬売人のフアンは目撃しており声を掛けて食事に連れて行くがシャロンは何を聞かれても話しません。
フアンは自宅に連れて行き妻テレサに託すと彼女の優しさでシャロンは口を開き自分の名前と帰りたくない事を話します。
1日泊めたあとフアンは送り届けシャロンの母ポーラに麻薬地帯で人に追われて怯えていた事を伝えます。
シャロンはほとんど口を開く事はなく友人ケヴィンは「タフなのは分かるが奴らに分からせないと毎日イジメられるぞ」と心配します。
育児放棄された孤独な黒人少年
庭で寛いでいると何かと自分に気を掛けてくれるフアンが車でやってきて海に連れて行かれます。
泳ぎ方を教わり打ち解けていくと「自分の道は自分で決めろよ」とフアンは言いました。フアンはお小遣いをあげて送り届けるがポーラはシャロンを家に入れて何も言わずにドアを閉めました。
ポーラは麻薬だけでなく売春婦として働いていて「こっちを見るな」とシャロンに言い放ちます。
フアンは麻薬地帯に足を運ぶと車の中で顧客とポーラがヤクを吸っており「子供1人置いてなにやってんだ」と言い放ちます。
しかし「ヤクの売人に説教される筋合いはない」と言われ何も言い返せなくなります。
家に帰ると夜中にドアをノックされ銃を手に出るとシャロンがいました。
歩き方がナヨナヨしていてオカマと罵られるシャロンは「オカマとは何か?」聞くとフアンは「ゲイを不愉快にさせる言葉だ。今に分かるがゲイならオカマとは呼ばせるな」と言いました。
「僕はヤクをやっている母親が嫌い、ヤクを売ってるの?」と聞かれフアンは項垂れながら認めるとシャロンは立ち去ってしまいました。
泣きすぎて水滴になりそう
中高生になったシャロンはケヴィンとは話すものの相変わらず引っ込み思案でドレッドヘアーのテレルにイジメられます。
フアンは死んでしまったがシャロンは理想とする母親像のテレサを頼りにして何かあれば家に泊めてもらいます。テレサは「うちのルールは愛と自信をもつこと、うつむくな」と言いました。
シャロンは翌朝帰るが麻薬に売春するポーラは偽物ママからお小遣いをもらっているはずだと言い金を寄越すよう強いられます。
テレル達にイジメられ家に帰っても安らげずシャロンは浜辺に行き月明かりに照らされます。
そこへヤクを吸うため偶然にもケヴィンがやってきます。
「泣きすぎて自分が水滴になりそうだ」
シャロンとケヴィンは会話の流れから見つめ合いキスするとケヴィンは手でシャロンを気持ちよくさせました。
生涯孤独
翌日テレルからイジメの儀式に参加させられたケヴィンは嫌々ながらもシャロンを殴ります。
「立ち上がるな」と訴えるがシャロンは何度も立ち上がりその後テレル達から暴行を受けます。
翌朝ケヴィンも味方ではないとショックを受けたシャロンは遅れて教室に入り無防備なテレルを背後からイスで殴りつけました。
~
大人になったシャロンはギャングスタイルで金歯をはめ高級車に乗っていました。
椅子で殴りつけ刑務所行きになったがそこで出会った仲間から仕事を教わりアトランタで麻薬売人としてのし上がったのです。
ある日、電話に出ると相手はケヴィンでした。
ケヴィンは料理人となって店を経営しており店のBGMを聞いてシャロンを思い出したのです。
テレサから番号を聞いたケヴィンは「あの時の事を謝罪したい。こっちに来たら顔を出して欲しい」と言いました。
結末/ムーンライト
ポーラから何度も会いたいと電話が入りシャロンは車を走らせ母親がいる治療施設に行きます。
売人をやめるよう説教されすぐ帰ろうとするがポーラは「馬鹿で酷い母親だったけど愛しているからほっとけない。自分みたいになってほしくない。愛が必要な時に与えなかった事を本当に後悔している」と謝罪しました。
シャロンは涙を流し我慢できず母親を抱き締めました。
帰りにシャロンはケヴィンの店に行きます。
ケヴィンはシャロンの風貌の変わりように驚くがうつむく癖は同じで笑ってしまいます。
バツイチだが息子がいて店の往復にかなりの時間をかけるが幸せなんだと話すケヴィンだがシャロンが売人をやっていると聞き驚きます。
ワインを飲みながら語り合いケヴィンはシャロンを思い出した曲をジュークボックスで流します。
♪♪懐かしい恋人、会えて嬉しい、最後に会ったのははるか昔♪♪
シャロンは車で送ると夜遅いからと家に招かれます。
すべてを忘れ生まれ変わろうとしていたシャロンだが「あの日以来、自分に触れたものは1人もいない」と告白すると「寂しさ、孤独」を感じ取ったケヴィンはそっと抱き寄せました。
〜あの夜のことを思い出す〜
子供の時のシャロンは浜辺で月明かりに照らされ青く光っていました。