作品情報キャストの紹介
勝利を続ける事で将棋連盟を動かし「26歳までに四段に昇格しなければプロになれない」ルールを変えプロになった瀬川晶司六段の実話。
「舟を編む」や「探偵はBARにいる」シリーズの松田龍平を主演に17歳まで奨励会に在籍していた豊田利晃監督が瀬川晶司の自叙伝小説を映画化。
小学生時代から将棋に打ち込んできた「しょったん」こと瀬川晶司はプロへの登竜門である新進棋士奨励会へ入会します。
奨励会には26歳の誕生日を含むリーグ戦終了までに四段になれなければ退会となりプロにはなれないルールがあった。
順調に昇段していた晶司だが、ついに四段の壁を打ち破ることはできず26歳で退会を余儀なくされる。
やがてサラリーマンとして新たな人生を歩み始めるが親友や家族に支えられ夢に向かって再び動き出す。
ネタバレあらすじ/泣き虫しょったんの奇跡
泣き虫しょったんの奇跡
小学5年生までただ流される日々を送っていた「しょったん」こと瀬川晶司はテレビで中学生の谷川浩司がプロ棋士になったニュースを見て「それでお金もらえるんだ」と知ります。
「何かに熱中するのは良いことね」と担任の先生に言われた晶司は同じく将棋が趣味である隣に住む鈴木悠野と毎日のように勝負します。
土日になると近所の将棋道場に足を運ぶようになり作文でプロになりたいと書くと担任から褒められます。
中学生になると負けたときにしっかり反省し分析をするようになったので二人は急速に強くなっていきます。
中学生名人戦に参加した晶司だったがあっさり負けてしまいトイレで泣きます。また悠野の方も順調に勝ち進んだが優勝は出来ませんでした。悠野は最初から優勝しなかったら奨励会には入らないと宣言していたので諦めました。
プロへの登竜門である新進棋士奨励会を受けるためにはプロ棋士に師匠になってもらう決まりがあるため晶司は悠野の父親が知り合いだと言う安田7段を紹介してもらいます。
奨励会の掟
中学3年の時に晶司は奨励会に合格するが「26歳の誕生日を含むリーグ戦終了までに四段になれなければ退会」というルールがあるため将棋だけに人生を捧げます。
22歳に3段となります。
4段に昇格するには年2回行なわれる3段リーグ戦で上位2位にならなければならず26歳までに8回チャンスがあります。
負け続けると棋士は寄ってこなくなり26歳になる前に突如止めていく人も増えていきます。晶司はいつもカフェ店員の真理子から「頑張って」と声をかけられ喜んでいたが徐々に追い詰められ寄ってきた彼女を突き飛ばしてしまいました。
26歳で夢破れてしまった冬野から「相手に夢や希望を抱かせない将棋の指し方をしないとここでは勝てない、だけど君には才能がある、羨ましい」と言われた晶司は戸惑います。
冬野は「プロになれないとおかしい」とまで言われていた人材だったからです。
晶司は負けたときにこそ将棋仲間がいなくなるのは嫌なのでアパートはいつも鍵を開けっぱなしにしていました。それによりいつも4.5人がいるような部屋になってしまうが新藤から「あまいよな、強くなる人は一人になるのが怖いのをグッと堪え一人で反省してるんだから」と言いました。
あっという間に年月は過ぎ、晶司は最後のチャンスになっても4段になれると思い込んでいたが負け続けます。退会してやる事なく自ら命を絶った話をよく耳にしていたので「勝たないと何にも残らない」と追い込まれていきます。
次負けたら終わりだと思って将棋を指しても負けてしまい夢は破れました。小学5年から将棋しかしてこなかったので「みんなと遊んでいたりギャンブルしてる暇があったら頑張れただろう」と後悔します。
アマチュア名人
「よく頑張ったよ、どれぐらい頑張ってきたか俺はよく知ってる。今はゆっくり休め」
父親に優しい言葉をかけてもらった晶司はフラフラしているわけにもいかず1年後に受験に合格して大学生になりました。
そんな矢先、父親が心臓発作で倒れそのまま亡くなってしまいました。父親が思っているほど将棋を頑張ってこなかった晶司は泣き崩れます。
久しぶりに悠野を訪ね「何で奨励会に入らなかったの」と聞くと両親から反対されたからだと言いました。
「俺が奨励会に入っていたら晶司は4段になれてたよな」
そう思う晶司は子供の頃のように道場に行って将棋をさします。あらためて将棋は面白いなと感じます。
第53回全日本アマチュア将棋名人戦で強豪揃いのなか見事優秀すると新聞に載ります。
アマ名人になった事で、新聞社やテレビが主催するプロの公式戦では成績優秀なアマチュアも出場できるので声がかかります。
プロがアマに負けると仲間やファンから猛烈に批判されプレッシャーから普段しないようなミスをします。晶司はそれを見逃さず勝利するが複雑な心境になります。
サラリーマンとして新たな人生を歩んでいた晶司はプロに7割も勝利している事でルールを知らない人から「プロ目指してるんでしょ」と聞かれます。奨励会を卒業しないとプロにはなれないのだと教えてあげます。
結末/泣き虫しょったんの奇跡
夢を諦めない
道場で出会った藤田と記者から「アマからプロになれる道を作ってもらいたい」と言われるが神経すり切らして今頑張っている奨励会の人から批判される思い「あり得ない」と断ります。
しかし家に帰り遺影に目をやると「好きなことやるのが一番だ、頑張れ」と父親の言葉を思い出します。
晶司は取材に答えるがネットでは非難の嵐、
しかし2005年、アマチュアの瀬川晶司をプロへの編入試験を受けさせるべきかどうか将棋連盟がアンケートを採ると129対51で賛成派が上回り可決されました。
6番勝負で3勝すれば合格、
大勢の観客、テレビ中継が入るなか第一局、相手は佐山3段だったが負けてしまいます。落ち込む晶司だったが「古い態勢に負けないでください」と激励の手紙が届くようになります。また手紙の中には小学校の担任からもありました。
第2局神田6段に勝利。第3局久島8段には負け。第4局中本女流6段に勝利。
後1回勝てばプロになるので取材陣も多くなります。第5局河野5段との試合は生中継され家族やかつての仲間も見守ります。
残り一局を残して晶司は見事勝利しプロになりました。カメラのフラッシュを浴びる晶司は涙を流し多くの人に感動を与えました。
感想/泣き虫しょったんの奇跡
将棋はやった事がないので分からないのですが見ているだけで疲れる。考えている人を見るだけで疲れます(笑)
将棋一局を終えると5キロぐらい体重が減ると聞いた事もあります。おそろしいですね、私なら鬱状態になってしまいそうです。
前に松山ケンイチ演じる「聖の青春」を見ましたが、あれもおそろしく疲れた(笑)
アマチュアが将棋界のルールを変えてプロになったのは凄いことですね。だけどそれと同時に「26歳の誕生日を含むリーグ戦終了までに四段になれなければ退会」というルールがあったのは何故なのか知りたかった。
ボクシングとかなら年齢的に危険なのだろうと分かるが将棋ですからね。瀬川昌司さんがいろんな人に希望を与えたことは間違いないですね。すばらしいです。
題名の「泣き虫」がちょっとひっかかるけれども・・・。