作品情報・キャスト
阿部サダヲ、吉岡里帆の共演で三木聡監督が自らの脚本を映画化した爆笑コメディ。
主題歌は作詞いしわたり淳治・作曲HYDEが手掛け、ヒロインの曲はあいみよんが作詞作曲を手掛けた。
驚異の歌声を持つバンドボーカルのシンは実は声帯ドーピングを使用しており副作用で声帯が崩壊しかかっていました。そんなシンは小声のストレートミュージシャンの明日葉と出会うが彼女が秘密を知ってしまったために組織に追われることに。
ネタバレあらすじ
ストリートミュージシャンの「明日葉ふうか」は致命的なほど声が小さすぎるため通りすがりの人が大声で話すと声が消されてしまいます。
足を止めてくれた人々からも「聞こえませんけど~」と笑われてしまいます。
逆に、驚異の歌声を持つバンドボーカルのシンは大人気で熱狂的な信者がでるほどであったが実は声帯ドーピングを使用しており副作用で声帯が徐々に崩壊しかかっていました。
明日葉は誰も一緒にやってくれる人がいなくなり落ち込んで歩いているとバイクで転倒するシンを見て救急車を呼ぼうとするがどうも嫌そうなのでシンを後ろに乗せてバイクで病院に送り届けました。
お見舞いに行くとシンは姿を消したと知らされるが出血の原因は喉だと医師に言われます。
音量を上げろタコ!!!!
親戚の下宿屋に住んでいる明日葉だがバイトもクビになってしまい今月分が払えません。
メンバーもいなくなってしまったので1人で路上で弾き語りをやってみるが致命的な声の小ささなのでほとんど素通り状態。そんな中1人だけ座って拍手する人がいたのでお礼を述べるがそれはシンでした。
「勝手に消えないでよ、先生心配してたよ」・・・と近付いて話します。
あと一曲で終わりなんで明日葉は歌い始めるが遠くの方で路上バンドを始めたボーカルの声にかき消されます。
シンが「うるせーな」と走って向かったので明日葉は驚いて後を追いかけます。
「俺たちは法律も規則も関係ない」と叫ぶボーカルにシンは「とか言って曲順決めてんじゃねーか」と言い放ちます。するとその場にいた全員が「確かに」と納得しシンはボーカルに頭突きをくらわせました。
明日葉はシンに手を引かれ一緒に走って逃げ出します。
シンがプロデューサーだと言うのでスカウトだと勘違いした明日葉は「よろしくお願いします」と言います。
「お前の歌は不燃ゴミ、心が燃えない不燃ゴミ、なんも伝わってこねー」
音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然分かんねぇんだよ!!
明日葉は「自分の気持ちとかを大事にしたいんです~」と叫ぶが、まったく聞こえないシンは戻ってきます。
シンはおそらく「自分の気持ちが~」と言ったんだろうと予想し「そんなもん関係ない」と言い放ちます。
「テーマが見付かったら、良い詩が書けたら、チャンスがあったら・・・結局やらない理由を見付けてるだけだろ」
明日葉は言い返す言葉がなくなりタクシーで乗り込むが逃げるなとシンが乗ってきたため反対側のドアから出ます。しかし、走ってきた車にぶつかってギターケースが吹っ飛び粉々になってしまいます。
母親に買って貰ったギターでショックを受けた明日葉は声が出なくなってしまいます。
声帯ドーピング
翌朝、声が元に戻った(小さいままだけど)明日葉は部屋にいると窓ガラスを突き破ってギターケースが飛んできます。
驚いているとシンが「弁償するよ、やるよ」と入ってきました。
目覚ましが鳴るってことは何か予定があったんだろうとシンは気付くが「メンバーがいたときにオーディションを受けようと思ってたやつだから行かない」と明日葉はいいました。
「やらない理由ばっかり探してんじゃねー」
明日葉はシンに耳を引っ張られオーディションに向かいます。
中間感情、中間表情、ロックに向いてねーと明日葉に言い放つシンだが声が出なくなりトイレに逃げ出します。
明日葉は追いかけると喉に何やら注射を打っているシンを目にします。トイレから出てきたシンの声は元に戻っていました。シンが捨てた物を先生に見せに行くと日本で禁じられている声帯ドーピングだと知ります。
口パク疑惑をリークされたシンは頭にきてレコーディングで歌いまくります。
リークしたのは音楽会社の「破壊衝動」がある坂口でした。これがバレたらやばいなと思ってしまう事をやりたくなるのです。
歌いすぎで声帯が裂けたシンは病院に運ばれると、あと1回でも起こったら二度と声がでなくなると先生から言われます。
社長は「爆声は偽物だ」とリークすると計算通り「それでもライブに行く」とチケットの値段が跳ね上がります。
音量が徐々に上がってきた明日葉は大きな看板を目にするとプロデューサーではなく世間を賑わせている絶叫の堕天使シンだと分かり驚きます。(顔半分のスッピン姿を披露したため)。
音量上げる理由と声が小さい理由
シンがライブ会場に現れなかったので失踪したとニュースで流れます。
明日葉はテレビを見ているとシンが現れたので「世間では行方不明になってるよ」と伝えます。
「しばらくここにいる」と言うので明日葉は驚くが親戚の人は「匿ってみたかったからいいよ」と言いました。
しかし、
シンが明日葉と一緒にいるところを何回も目撃されていることで謎の組織に追われることになります。
声が出なくなるかもしれないシンは「俺の声を覚えとけ、今はドーピングが切れてるからこれが本来の声だ」と歌い始めます。
シンの本来の声は女性オペラ歌手のような綺麗な声でした。
子供の頃、音楽が好きでも借金に追われていた事で大きな音が出せず妹と一緒に風呂場でイヤホンをして歌っていました。
精神的に追い詰められた母親は借金取りを刺し殺してしまい妹はショックで声を失ってしまいました。(シンの母親は懲役25年の刑期を終えて出所するが行方不明)。
「音量上げないと誰にも届かない」と子供の時に言われ、妹の分までだしてやろう、妹に声を届けようとシンは思っていたのです。
本来の歌声を聞いていた明日葉は感動して涙を流します。
明日葉が声が小さいのはずっと虐められていた事が原因でした。声出すのは馬鹿見たいと思っていたが勘違いだと気付きます。
シンの喉を手術すればいいのだと明日葉は思うがシンは俺のことかよと思います。
韓国・釜山
謎の組織に囲まれ明日葉は「逃げて」と伝えるが、シンは「ここまでだ、じゃぁな」と橋から飛び降りました。
明日葉は「どうしよう」と急いで宿に帰るが「いや~さっぱりした」とシンが風呂から出てきました。
とりあえず無事ならいいが心配かけさせた事で明日葉は一発殴りシンを韓国の釜山にある工場に連れて行きます。
しかしカレンダーに「釜山」と書き込んでいたので社長や坂口は行き先を把握し組織と繋がる地元の連中に追われます。
しかし、ここは火薬工場! みんなで一致団結して戦い大量の花火で追い払おうとします。
結末
バイクで逃走する明日葉とシン。
シンがわざわざ面倒な事やるのは明日葉の感情を出させるためでした。
シンは副作用を起こしながらも「テンション上げろ~」と叫びます。明日葉はスピードをあげるが事故って気を失います。
気付くとシンがパトカーに乗せられていました。
窓を叩くとシンはウィンドウを足で開けて身を乗り出し明日葉にキスしました。
走り去るパトカーに向かって明日葉は「シン」と音量を上げて叫びます。
~
坂口が独立したレコード会社に所属する明日葉は「絶叫の歌姫」としてデビューしていました。
(社長はシンが飛んだ事で44億円を負債を抱え行方不明)
日本政府がシンの入国を許可しないので明日葉は韓国ツアーやろうと告げるが「クスリは時が解決してくれるがお前のやらかした火薬取締法はテロとの関係があるから無理だ」と言われてしまいます。
しかし、「シンに伝えたいなら津島で歌えば」と言われた冗談を真に受けた明日葉は実行します。
音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!
「明日葉ふうか」の歌声は風に乗って釜山の刑務所にいるシンまで届きました。
感想
前半は面白かったんだけどなぁ~
明日葉は韓国人なの?下宿先にいるのは親戚だよね。ちょっと関係性が見えてきませんでした。
曖昧と言えばレコード会社と繋がる組織も中途半端ですね。結局なんの組織なんだろうか。シンが飛んでいなくなった事で損害を受けた組織だという事は分かるが・・・。
わざわざ韓国に設定しなくても良かったのにね。
そしてキスした意味はなんだろうか。「愛」じゃないよね。たぶん「絶叫」を引き継げって意味じゃないかな。
でもコメディーなんで余計なことは気にしなければ面白かったかな。阿部サダヲは真面目に歌えばかなりの歌唱力がありそうですね。