映画「 パシフィック・ウォー 」ネタバレあらすじと結末/大戦終結のための極秘任務・重巡洋艦インディアナポリス号

 

作品情報・キャスト

1945年テニアン島へ原子爆弾を輸送したあとフィリピン海で日本海軍の伊号第58潜水艦の雷撃により沈没した軍艦インディアナポリス号(アメリカ海軍のポートランド級重巡洋艦)。

第二次世界大戦で沈没した最後のアメリカ海軍水上艦艇で、漂流した乗員1196名のうち生存したのは317名だった実話を基に制作。

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監督=マリオ・ヴァン・ピーブルズ

●チャールズ・B・マクベイ3世(ニコラス・ケイジ)

インディアナポリスの艦長。広島や長崎の投下する原子爆弾をテニアン島に輸送しレイテに移動中だったところ沈没させられる。裁判後責任を負って自殺するが後に名誉は回復された。

●マクウォーター(トム・サイズモア)●エイドリアン・マークス(トーマス・ジェーン)●バマ(マット・ランター)●パーネル(ジェームズ・レマー)●ウエスト(コディ・ウォーカー)

●橋本以行(竹野内豊)

大日本帝国海軍の軍人。神潮特別攻撃隊を乗せて伊号第五十八潜水艦を指揮し魚雷によってインディアナポリスを沈没させる。

 

 

ネタバレあらすじ/パシフィック・ウォー

 

機密貨物

太平洋戦争末期の1945年。

真珠湾攻撃で不意を突かれたアメリカ軍は形勢逆転するものの硫黄島で日本軍の激しい抵抗を受けました。

本土侵攻は戦争を長引かせるだけだと判断した政府は広島の軍事施設に原子爆弾を投下するため巡洋艦インディアナポリス号でテニアン島まで輸送する事を決めます。

インディアナポリス号のマクベイ艦長はトルーマン大統領から極秘任務を指名されます。 

「戦闘任務ではなく全速力で航行し機密貨物をテニアン島まで運べ」

重巡洋艦インディアナポリス号は軍艦と航空機を攻撃できるが対潜兵器は備えていないため通常では駆逐艦の護衛がつく。しかし極秘だから護衛はつかないと言われ潜水艦を探知し撃退する事ができません。

命令に従うことしかできないマクベイ艦長は任務の危険性を理解できていない若い兵士たちと共に戦地へと旅立ちます。

 

人間魚雷・回転

1945年7月19日、マクベイ艦長はフィリピン海で大砲の訓練を行います。この時、橋本少佐率いる日本海軍伊号第58潜水艦に発見され人間魚雷回天を放たれていたが失敗に終わっていました。

1945年7月26日、記録的な速さでテニアン島に貨物を届けたあとレイテ島での戦闘に向かう事になったが提督に護衛をつけるよう頼んでも「ここに存在しない事になっているため無理だ」と言われてしまいます。

乗組員1197人を乗せたインディアナポリス号はテニアン島を出航します。

1945年7月30日、フィリピン海は霧により視界不良だったためマクベイ艦長は晴れるまでジグザグ航行を中止し全速前進するよう命じます。 

午前0時14分、日本軍から放たれた回天が直撃しインディアナポリス号は爆音とともに激しく揺れます。

通信手段が全滅し機関室は炎に包まれエンジンを停止することができません。レイテ島海軍基地では3件のSOSを受け船を出すが敵の罠かもしれないから位置確認が先だと上官に言われ船は戻されます。

インディアナポリス号は浸水が激しく総員退去し艦を放棄するようマクベイ艦長は命じます。

重油が流れ出るため兵士たちは次々と海に飛び込みます。

 

漂流

インディアナポリス号は沈没しマクベイ艦長と兵士たちは太平洋を漂流するはめになります。

飢えと喉の渇き、サメに襲われ次々と命を落としていく極限状態のなかマクベイ艦長は必死に生存者を探します。

兵士たちは海上で広範囲にわたって彷徨っていました。100名ほどで固まる兵士たちは互いに励ましながら精神を保つが少人数で救助を待つ者は恐怖のあまり幻覚をみたりします。

皆が正気を失いつつあるなか漂流して5日目、アメリカ軍爆撃機が漂流者を発見します。連絡を受けたマークス大尉が急いで向かい独断で着水します。

漂流者は飛行機の翼に乗りマクベイ艦長は自分は最後でいいから部下を助けるようお願いしました。

マークス大尉はありったけの艦艇をすぐに寄こすよう海軍基地に無線で連絡します。

バセット、ハラングネス、タルボット、レジスター、ダフィルボ、セシル・J・ドイルが生存者を救うため駆け付けてくれました。

グアム島の海軍病院に運ばれた生存者は317名でした。

 

結末

1ヶ月後、広島と長崎に原爆が投下され日本軍が降伏しました。

インディアナポリス号に乗っていた1196名の生還者と戦死者は称えられるがマクベイ艦長のもとには遺族から罵声の電話が毎晩かかってきます。

多くの部下を失い今でも漂流する悪夢に苦しんでいたマクベイは誰かが責任をとらなくてはいけないと提督に説明され軍法会議にかけられてしまいます。

 

通信兵のバマは兄弟同然だったマイクを失い悲しむが、前から好意を持っていたマイクの赤ちゃんを身籠もるクララに勇気を持ってプロポーズします。

部下たちは悪夢を乗り越えるなか1945年12月3日、高等軍法会議にマクベイは出廷します。

ジグザグ航行を怠り艦艇を危険にさらし的確な退去命令を出し損じたと追求されるが、大日本帝国海軍の潜水艦長橋本中佐が証言台に立ち例えジグザグ航行したとしても回天を命中させたと述べました。

退去命令の出し損じには無罪となるが、無罪の評決しか読み上げない事でジグザグ航行では有罪という事だと部下たちは気付きます。

軍人として敵を殺すのが任務だったが人としては後悔していると発言した橋本中佐にマクベイは「貨物の中身は見当がついていたが任務を遂行した。しかし人として名誉など感じていない」と返しました。

 

名誉回復

毎年、生還者が集まり失った仲間を追悼してきました。

時は過ぎ妻がこの世を去ります。マクベイは失った部下たちの記憶が消えることはなくいまだに電話も鳴り止まなかった。

軍服を着たマクベイは責任を取るため拳銃で自らの頭を撃ちました。

日本に戻った橋本中佐は海軍を退役し神職となりました。1999年、橋本はマクベイ艦長の名誉回復運動に協力し2000年10月25日に他界しました。

その5日後、クリントン大統領によりマクベイ艦長の名誉回復が実現しました。

 

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