作品情報とキャストの紹介
日本文学界の人気作家・村上龍の同名小説をアメリカのインディーズ映画界の新鋭と注目されるニコラス・ペッシェ監督が映画化。
ニコラス・ペッシェ監督はデビュー作がファンタスティック映画祭で5部門に輝き、次回作では日本のホラー大ヒット作「呪怨」のリブート版「Grudge」に取り組んでいます。
殺人衝動に駆られる主人公はこのままでは愛する妻や生まれたばかりの娘が被害に遭ってしまうと悩む。欲求を満たすためにSM嬢を呼び出し殺害計画を立てるがホテルにやってきたジャッキーには自殺願望がありいきなり自分の身体を刃物で傷付ける予測不能な行動に出たため計画が狂う。
緊迫感が持続するサイコスリラー
ネタバレあらすじ/ピアッシング
衝動
ある晩、リードは殺人衝動に駆られアイスピックを手にして赤ん坊の前に立つが目を覚ました妻モナに「何しているの」と声をかけられ助かります。
このままでは我が子が被害に遭ってしまうと恐れ計画を立てることにしました。
・言葉の通じる女がいい
・恐怖の声を理解したい
アイスピックを見せたら悲鳴を上げて逃げ出すはずだから先に縛っておかなくてはいけないと考えているときにSM嬢ならうまくいくはずだと思い付きます。
ホテルに到着したリードは「寂しいから到着したら連絡してね」とお願いされていたのでモナに電話したあと受話器に付いた指紋を綺麗に拭き取ります。そしてクロロホルムを自分で使用し何時間意識がないかをメモっていきます。
ベッドで首を絞めたあと引きずって浴槽に運びアイスピックで刺したあとノコギリで切断する予行練習をすると14分。風呂場の掃除時間、ノックされてからの時間、会話する時間を計算し計画は完璧だと思ったリードは明日の予約を今夜に変えたいと連絡します。
自殺未遂
ホテルにやってきたジャッキーは到着した事を電話で伝えるとウォッカが飲みたいと言いました。欲求を満たしたい気持ちを我慢するリードはウォッカを差し出し練習通りに「SMは初めてなんだけど縛らせてくれる?」と話しかけます。
ジャッキーは何でも教えてあげると言い1人でし始めるが内心まったく興奮しないリードは目をそらし笑ってしまいます。女性がシャワー室に行ってしまったので怒らせてしまったのかと焦り「あとで縛らせてくれるよね」と話しかけるが返事がありません。
どんどん時間は経ち計画がどんどん狂っていく焦りから鍵を開けて入っていくとジャッキーは自殺贋造があり自分の身体を傷付けていました。
リードは暴れるジャッキーを押さえて落ち着かせ応急処置をしてタクシーを呼びます。
「あなた何故わたしを選んだの?知ってるけどね」
ジャッキーを病院に連れていったリードは公衆電話から「彼女にバレている。何もかも知ってて受け入れてる口ぶりだった」とモナに伝えます。
・計画を知ってるけど自殺願望があって受け入れているのなら病院が終わったら彼女を送って実行すればいい。
・全部知った上で時間稼ぎしているなら今頃医者に話している。
・バレていないなら最初から計画をやり直せばいい。
モナは「3つの選択肢」を与えたあと寒いから風邪引かないでねと言い電話を切ります。
計画に気付かれているかも
病院から出てきたジャッキーは「待っててくれたのね」と喜びます。
リードはタクシーで送っていくと「あなたはかわいいし叩きたくなる。寝顔を見たい」と言われそのまま彼女の家に招かれます。
「真実を教えて、私を呼んだのはSMのためじゃないわよね」
何て返事していいか分からずリードは戸惑うがジャッキーの身体には多くの傷があったのでバレているはずないと確信します。
良い雰囲気となりベッドに横たわると「欲求をすべて吐き出して」と言われます。リードは決心して道具を取りに行くがジャッキーは寂しそうに「縛って終わったら帰っちゃうの」と聞いてきました。
早く縛りたいリードは「帰らないよ」と告げると「その前に先に何か食べよう」とジャッキーが料理を作り出してしまいます。
結末/ピアッシング
リードはさっさと食べて欲求を満たそうとするが急に意識が遠のき倒れてしまいます。
その時、幼い頃にウサギを膝に乗っけてアイスピックで笑いながら刺しまくっていたあの時の少女がジャッキーだと気付きます。(詳しくは感想で後ほど)
「ハルシオンは初めてなのね、まだ意識はあるのかしら、足りなかったかしら」とジャッキーは見下ろします。
リードは意識朦朧のなか殺人衝動に駆られ母親を殺した時のことを思い出します。母親から虐待を受けて育ったリードの心を守っているのはモナでした。
恐怖心に押しつぶされそうになったリードは「モナ、助けてくれ」と叫ぶが自分の名前ではない事に頭にきたジャッキーは殴り付けます。
「謝ったらダメ、もっと殴られる」とジャッキーに言われたリードは「痛くないと思いなさい」と母親に言われた事を思いだし笑います。ジャッキーは満足して微笑むがリードは朦朧としながらも計画を思いだしロープを取りに行きます。
ジャッキーは受け入れて縛られながら笑みを浮かべるがアイスピックを手にしたので抵抗すると、まだハルシオンが効き過ぎているリードは倒れます。
ロープを自力で解いたジャッキーはリードの持物を探ると手帳を発見します。日記には殺人計画が書かれてあり驚くが「反撃されたらどうしよう、それも悪くない」と書かれてあったので彼のために実行しようと準備に入ります。
そしてアイスピックを振り上げるとリードが喚いたので手を止めます。「その前に先に何か食べない」と言われジャッキーは微笑みました。
感想/ピアッシング
解釈は当たってるのだろうか。少女の頃にウサギを刺していたのがジャッキーだったとすればストーカーなのかな。
母親に暴力を受けていたのは「あなたの父親に言われたとおり堕ろせば良かった」という発言からも間違いないと思われる。だが「頭では母親を想像して私とやっているんでしょう」というモナの言葉からそれでも母親のことが好きだったのかなとも思ったりした。
ウサギを刺す少女を見てから衝動を抑えていたがついに暴力を受けていた勢いで好きな母親を刺してしまい、そんなリードの心を守っているのがモナだったという解釈でいいのかな。
モナが普通にアドバイスしているのが一番怖いですね。ジャッキーは結局何だったのだろう。ウサギを刺す少女と似ていたから知らない間に過去に2人は会っていたというだけかもしれない。
自殺願望があったジャッキーは単純にリードに恋をして生き甲斐を感じずっと一緒にいたいと思ったのかも、セリフが曖昧なので難しい。