作品情報とキャストの紹介
「シークレット・デイ」などの人気若手女優ダコタ・ファニングが演じる自閉症のウェンディが脚本コンテストに応募するため旅に出る青春映画。
自閉症のヒロインは「ステー・トレック」が好きでコンテストに応募するため脚本を書き上げたが郵送では間に合わないので直接渡すため長距離の旅に出る。
ネタバレあらすじ/500ページの夢の束
自閉症
光は目的地に向かって何百年も旅をする。
出会いを求める孤独な旅は続いていくが目的地が見つからなかったらどうするのか。
宇宙は広大で時間はあまりに長く簡単に行方を見失う。
・・・
自閉症のウェンディはベイ・エリア自立支援所で暮らしスコッティのケアを受けています。
起床したらベッドを整え洗面用具をセットしシャワーを浴びたあと曜日ごとに決まっている色の服を着ます。
ペイジ通りを右折しブキャナン通りを右折、マーケット通りは絶対に渡らないで321番のバスでストーンズタウン・ガレリアに行き店員の仕事を終えると戻って午後3時からスコッティの勉強を受けます。
そして勉強を終えるとピート(ワンちゃん)の散歩に出かけ午後6時に大好きなスター・トレック(宇宙大作戦)を見てから夕食を摂るのが日課です。
出来ること、すきな事はすんなり覚えるが名前や場所を覚えるのはやりたくないので物を投げ付け苛立ってしまいます。
「そんな時どうするの」とスコッティに言われたウェンディは「落ち着く・・・」と繰り返し口にします。
脚本コンテスト
優勝賞金10万ドルの「スター・トレック」の脚本コンテストが開催されると知ったウェンディは日課をちゃんとこなしながら脚本を書き始めます。
主人公スポックが時を超え惑星連邦を救うといった内容の大作を書き終えスコッティに見せるとかなりの枚数だったので驚かれます。
スコッティは学校で寝てばっかりで何もしない息子サムに頭を悩ませていたが面白そうだと読み始めます・・・しかし内容が難しく長いのでとてもじゃないが一日で読み切るのは不可能でした。
ウェンディの姉オードリーは結婚して赤ん坊ルビーを授かっていました。
夫の仕事の都合で家は売る事になり持って行かれないピアノなども売りに出すがオードリーはウェンディとの思い出があるので悲しみます。
荷物を整理しているとビデオカメラが出てきました。まだ幼いウェンディにフォークの持ち方など教えている映像であり想い出が押し寄せオードリーは涙を流します。
ママが亡くなってからは自分が親代わりでウェンディにいろいろ教えていたが赤ちゃんを身籠もり忍耐が持たないので妹を預けたのです。
ウェンディは編み物をしているとオードリーがルビーの写真を持って会いにきてくれました。
オードリーは夫の職が決まって家は売ることになった話をしようとしたがウェンディは「一緒に帰る」と言いました。
仕事も1人で通えるし何でも自分で答えられるし脚本コンテストで優勝すればママの家も売らなくて済むから一緒に帰ると言い張ります。
オードリーは赤ん坊もいるし世話は出来ないと訴えるとウェンディは目に涙を浮かべながら「帰る」と言っていたが感情がコントロールできなくなり叫び出します。スコッティは「そのまま待機、息を吸って」と落ち着かせるとオードリーは逃げるように帰ってしまいます。
オードリーは妹を自立支援所に預けたことや「世話は出来ない」と口にしてしまった後悔もあり車の中で涙がこぼれます。
別世界の扉
「正しい書式で印刷された脚本をパラマウントまで郵送すること」
ウェンディは祝日は集荷がない日だから郵送だと期日までに間に合わないと気付きます。
どうする?
夜通し考え込んでいたウェンディは直接渡せばいいのだと気付き鞄に脚本と朝食を詰め込み早朝に勇気を持って出ていきます。ピートはウェンディが出て行ったのであわてて後を追いかけます。
「連れて行けないから帰って」と何度も言うが悲しい表情で訴えてくるので仕方なく鞄に入れます。
ウェンディはバスが停まるたびに運転手にロサンゼルスに行くか訪ねるが首を横に振られます。
何度目かに「マーケット通りを渡って」と運転手に教えられたウェンディは絶対に渡ってはいけないと日課で言われていたので初めて渡ることになります。
ロサンゼルスの文字を目にしバスに乗るが今まで乗るバスとは違う高速バスなためチケットが必要だと言われます。
場所を聞いて「往復」のチケットを購入して戻ると「ペット禁止」と書かれていたがピートの頭を押さえながらチケットを渡し乗り込みます。
ピートがオシッコと訴えてくるので「友達がトイレに行きたい」と運転手にお願いするが断られ、しかもバスの中でピートがオシッコしてしまった事でペットを持ち込んだ事がばれ途中で降ろされてしまいます。
途中、親切そうな赤ちゃん連れの女性に一緒に行くかと声を掛けられお願いするがボトルに水を入れて戻ると男に金などいろいろと奪われてしまいます。
ウェンディは言われたことを忘れないように常にノートに書き込んでいたので「ノートだけは返して」と必死に叫ぶと女性がノートを投げて返してくれました。
とにかく歩くしかないと前に進むが看板には「ロサンゼルスまで370キロ」と書かれていました。
スコッティはウェンディの姿が見えないので慌てて「そちらに行くかも」とオードリーに電話するがコンテストの広告が貼ってあるのを見てまさかと思い警察に通報します。
オードリーはウェンディがロサンゼルスに向かい途中5号線で降ろされたと知らせを受け心配で捜しに行きます。
その頃、ウェンディはぼったくられそうになったところ親切な老婆に話しかけられ車に乗せて貰います。老婆は脚本の内容を聞いて遠くに住んでいて会えない孫に聞かせてあげたいと言いました。
孫に会いたいが老婆は重荷になるし居場所がないから一緒に住めないのだと言います。
結末/500ページの夢の束
居眠り運転による事故でウェンディは病院に運ばれるが軽い脳震盪だと診断されます。
スコッティは病院を調べ片っ端から電話すると「身元不明の女性は4人います。あとスター・トレックの制服を着た身元不明の犬」と言われます。
すぐにサムを起こし車でベーカーズフィールドに向かい、捜していたオードリーもメールを貰って向かいます。
車の中でスター・トレックの内容を教えて貰ったスコッティはスポックは人間と異星人のハーフで感情に手を焼いているキャラだと知ります。
「ウェンディはピート用のご飯です。後で迎えに来ます」と置き手紙を残し病院を脱走するが鞄が開いていたことで脚本がばらまかれてしまいます
駐車場に車を止めて降りたばかりのスコッティとサムはばらまかれている紙がウェンディの脚本だと気付きます。サムは脚本を1枚ずつ拾いスコッティと到着したばかりのオードリーは病院を責めます。
ウェンディはパラマウントに向かって歩いていたが脚本の半分をなくしてしまったのでどうしたらいいか分からず「そのまま待機・・・」と繰り返し発し座り込んでしまいます。
脚本に「論理的な行き先は1つ」の文を読み「前方です」と口にします。
そして脚本を考えて組み立て読手のために書き直しロサンゼルス行きのバス停を朝まで待っていたがチケットを買うお金を持っていませんでした。しかし、隙を見て荷物入れに侵入し目的地に到着します。
失踪届が出されていたことでパトロール中の警官に声を掛けられたウェンディは病院に戻されると思い逃走し隠れます。警官はウェンディが隠れているのを目にしスター・トレックの鞄を持っていたことで「仲間だから安心して。戦士は友を1人で危険にさらしたりしない」とクリンゴン語で言います。
ウェンディはそっと立ち上がると警官に保護され、知らせを受けたスコッティ達もすぐに向かいます。
サムが脚本を拾ってくれていたのでウェンディは「まだ間に合う」と口にするとスコッティ達もすぐに「パラマウント・ピクチャーズ」の場所を調べ車を飛ばします。
スコッティ達は彼女を過小評価していたのでよくここまで来れたもんだと感心しました。ウェンディは間に合うが「持ち込みは禁止、消印つきの郵便のみ有効で例外はなし」と言われてしまいます。
いつもだったら感情をコントロールできなくなり叫んでしまうが言いたいことを頭で整理し「どれだけ苦労したと思っているんだ。他の人と同じようにチャンスが欲しい」と訴え受付ポストに突っ込みます。
そしてノートに「完了」と書いて車に戻るとオードリー達は喜んで出迎えます。
ウェンディは脚本をオードリーに読んで欲しくて書き上げていました。いつもの日課に戻ったウェンディは惜しくも入賞はならなかったがオードリーから手紙を貰い赤ちゃんに会いに行きました。
感想/500ページの夢の束
とてもまっすぐで、困ったら自分で解決策を考え前進する。
ずっと応援しながら見ていました。最初にいきなり最低な人間と出会い普通だったら怖くてそこで終わりだろう。それでも前進、困ったら人に聞いてとにかく前進。
最後にしっかり自分の想いを訴えたシーンはじわっと感動しましたね。これは自閉症は関係なく普通に難しいこと。
ウェンディは一緒に暮らしたいがオードリーは赤ちゃんを授かった事もあり愛しながらも否定していた。自閉症の人は赤ちゃんを傷付ける事があるので心配したがそれよりも妹を愛する気持ちが勝り手紙を送ったのでしょう。
そんな想いを乗り越えてウェンディに赤ちゃんを抱っこさせたのも良かったですね。そしてなによりピートがかわいかった。