映画「聯合艦隊司令長官 山本五十六」ネタバレあらすじと結末/最後まで反対した男

 

作品情報・キャスト

半藤一利の同名小説を役所広司を主演に「八日目の蝉」を手掛けた成島出監督が映画化。

山本五十六は在米日本大使館での勤務経験から国力の差を誰よりも把握し米英を敵に回す日独伊三国同盟に反対していました。聯合艦隊司令長官に就任すると日独伊同盟が締結されてしまい国の決定により争いを余儀なくされる。早期終戦による講和を目指しながら真珠湾攻撃を指揮するが米軍に大打撃をくらわしても空母がなかった事で失敗だと内心思います。

◆山本五十六(役所広司)◆堀悌吉(坂東三津五朗)◆米内光政(柄本明)◆井上成美(柳葉敏郎)◆三宅義勇(吉田栄作)◆山口多門(阿部寛)◆宇垣纏(中村育二)◆黒島亀人(椎名桔平)◆南雲忠一(中原文雄)◆秋山裕作(袴田吉彦)◆真藤利一(玉木宏)◆室像影清(香川照之)
 

山本五十六とは

明治17年、長岡藩士高野貞吉の六男として誕生。明治34年に海軍兵学校に入学、明治38年に巡洋艦日進の日本海戦において重傷を負う。大正5年、長岡藩家老山本家を継ぎ以後山本姓となる。大正7年に結婚すると翌年アメリカ駐在武官として渡米しハーバード大学に入学。大正13年に霞ヶ浦海軍航空隊教頭兼副長に就任すると海軍航空本部長まで歴任し「これからは航空戦の時代」と確信。昭和9年にロンドン軍縮会議予備交渉の海軍代表として出席すると海軍軍縮条約の締結が日本の命運を決める重大事と認識し交渉。昭和11年海軍次官に就任し日独伊三国軍事同盟に断固反対の姿勢を貫いた。昭和14年連合艦隊司令長官に就任し昭和16年にハワイ真珠湾攻撃の指揮をとる。昭和18年、ブーゲンビル島上空で米軍機に撃墜されて戦死。死後、元帥府に列せられた。

 

ネタバレ・あらすじ

聯合艦隊司令長官 山本五十六

三国同盟(日本、ドイツ、イタリア)締結のために陸軍がクーデターを起こす構えだが海軍次官の山本五十六や井上局長、米内大臣などが三国同盟反対を貫いていました。

ナチスドイツと手を組んでも日本は手先として扱われるだけでなくアメリカと争う事になるからです。

やがて独ソ不可侵条約が成立したことで平沼内閣が総辞職するが海軍がもたもたしてるからドイツに見捨てられたのだと国民は思うのです。

5年ぶりに海に出た山本五十六は昭和14年9月、瀬戸内海を柱島に拠点をおく聯合艦隊司令長官として旗艦「長門」に着任します。

その頃、ドイツはポーランドに侵攻を開始しています。

昭和15年5月、ドイツの勢いはとまらずベルギー、オランダ、パリを占拠し日本ではふたたび三国同盟締結を求める声が高まっていました。

そして今まで反対していた海軍大臣も賛成する事になり昭和15年9月、三国同盟締結が決定してしまう。

 

真珠湾攻撃

ドイツが独ソ不可侵条約を破棄しモスクワへ侵攻した頃、第一航空艦隊司令官・南雲忠一、第二航空戦隊司令官・山口多聞が着任します。

現役陸軍大将の東條が内閣総理大臣になり、

昭和16年11月、アメリカ開戦に向けた準備を命じられ真珠湾攻撃の作戦会議が開かれます。

争いを避けたかった山本五十六は短期で終わらせるために初戦で必ず大勝しなければならないと考えます。

昭和16年12月8日、

南雲機動部隊の空母から出撃した350機の大攻撃隊はハワイ真珠湾内に在泊中の米国太平洋艦隊に襲いかかるが空母がありませんでした。

また最後通牒は攻撃前に相手に伝えるよう念を押していたが、外務省、ワシントンの日本大使館の不手際により攻撃されてから1時間後に伝わっていました。

機動部隊はすべて無傷で大勝し、開戦から2ヶ月、東洋艦隊をやぶりシンガポールも陥落したことで国民は盛り上がっていたが山本五十六は真珠湾攻撃は空母もなく失敗だと思っていました。

 

結末

昭和17年5月、山本五十六坐乗の戦艦大和はミッドウェー島を目指し出撃します。

ハワイの太平洋艦隊にとって重要な前衛基地なためミッドウェーを攻撃すれば敵空母は出てくると考えたのです。

だがミッドウェー海戦は空母4隻を失い敗北してしまいます。

ガダルカナル島に航空基地を建設しオーストラリアを拠点に北上してくるアメリカ軍を撃滅しようと軍令部は作戦をたてます。

聯合艦隊司令部は柱島を離れ旗艦大和は太平洋を南下します。

11隻で3千発の砲弾を打ち込みガダルカナル飛行場を破壊するが損害も大きく油がないので撤退することになる。

昭和18年、連合艦隊司令部は航空兵力の集中をはかるためラバウルに拠点を移します。

ラバウル基地航空部隊、第3艦隊全空母艦載機を総動員してニューギニア南東部に対して敵航空兵力、敵船団の撃滅のため出撃。

満足な結果を果たした山本五十六は周囲の反対があるなか前線の視察に向かうがブーゲンビル島上空でアメリカ敵機に襲撃、撃墜され戦死するのでした。