作品情報・キャスト
ロマンスカーでワゴン車内販売する北條鉢子はお菓子を万引きした桜庭を追って捕まえるが言い訳して逃れた事に頭にきて母親から届いていた読んでいない手紙をビリビリにしてしまいます。その手紙を拾ってつなぎ合わせた桜庭から「死のうとしてない」と言われ奇妙な二人旅が始める
◆北條鉢子(大島優子)◆桜庭洋一(大倉孝二)◆久保美千代(野嵜好美)◆直樹(窪田正孝)◆北條頼子(西牟田恵)
ネタバレ あらすじ
ロマンス
新宿から箱根を往復するロマンスカーでワゴン車内販売する北條鉢子。
電車は行先がはっきりしていて良いが鉢子は迷ってばかり。
一緒に住む彼氏の直樹は自分が仕事に行くときも寝ていて無職、
不満を抱えながらベッドの横にお小遣いを置いて郵便受けに入っていた手紙を取り出し仕事に向かいます。
仕事ではロマンスカー賞を受賞しいつも通り丁寧な接客を心掛けます。
だが、コネで入社した久保美千代はコーヒーをお客様にこぼしたり弁当を潰したり失敗だらけで鉢子はいつものようにフォローに追われます。
車内販売のワゴンから桜庭洋一がお菓子を万引きします。
次の駅で桜庭は走って逃げ出すが鉢子は体力と足の早さには自信があり捕まえます。
しかし電車は失敗だらけの久保を乗せ出発してしまいます。
言い訳ばっかりして難を逃れた桜庭にイライラしてしまい鉢子はポケットに入っていた母親からの手紙をビリビリに破いて捨ててしまいます。
トイレから戻ると桜庭が鉢子が捨てた手紙を拾い繋げ読んでいました。
桜庭は「この手紙を書いた人、死のうとしてない?」と言いました。
鉢子の母親・頼子は男癖が悪かった。
鉢子は実の父親と頼子と三人でロマンスカーで箱根に行った思い出がありました。
手紙にはまた男に捨てられた事が書かれてあり幸せだった頃の箱根旅行の話が書かれていたのです。
桜庭は探しに行くぞと鉢子に言いレンタカーを借ります。
頼子はどこにいるのか分からないが桜庭と一緒に鉢子は箱根に行く事にしました。
わずかな思い出を頼りに小田原城や箱根登山鉄道に乗るが見付けられません。
奇妙な二人旅をするうち桜庭は映画プロデューサーで、別れた妻の元には9歳になる女の子がいる事が分かります。
桜庭は話し上手でお蕎麦屋さんのおばちゃんからは和菓子をご馳走してもらい観光客とはすぐ話が弾みます。
そんな桜庭は観光地以外にも素晴らしい場所はたくさんあるんだと話しました。
鉢子は頼子とは高校生のとき以来会ってはおらず馬鹿馬鹿しくなり帰ろうとするが桜庭から止められます。
鉢子は頼子のことを思い出すたびにイライラする自分が嫌いなのです。
だが娘からクソ親父と思われているかも知れないと悩んでいる桜庭を見てもう少しだけ旅を続けようと鉢子は思うのです。
最後に富士山を見たことを鉢子は思い出します。
二人は夕日を見てから帰ろうと思い行くが曇っていて何も見えませんでした。
桜庭から心で感じれば良いと言われ富士山が目の前にドーンとあるのを想像します。
車を走らせるが桜庭は道に迷ってしまいます。
イライラして黙っていると、その態度嫌いだからやめるように桜庭に言われ鉢子は地図見てるのに道に迷う男嫌いと言い放ちます。
暗闇で移動するのは危険だと判断し仕方なくラブホテルに泊まります。
レジでSMグッズを手渡された桜庭に鉢子は絶対に何もするなと睨みます。
何もしない後悔よりも、やって後悔した方が良いと説得し莫大な金で映画を作ることになった桜庭だが失敗して借金をつくり家庭も崩壊したのです。
鉢子は子供の頃、顔に痣をつくった頼子から「鉢子だけは私の前からいなくならないでね」と言われていた事を思い出していました。
男にふられるたびに弱みを見せ後悔するなら最初から別れなければ良かったのにと涙する鉢子に桜庭は抱き締めます。
ベッドに押し倒された鉢子は、弱っている女を押し倒すなんて最低だけどこんな奴で丁度良いのかもと内心思います。
しかし桜庭は最低だと思い途中で止め謝罪しながら涙を流します。
暗い雰囲気になるが隣から男の大きな喘ぎ声がきこえ二人は”ここはサバンナか!”と爆笑します。
翌朝、二人で♪いい日旅立ち♪を歌いながら車を走らせます。
車を返し鉄道に乗って東京へ戻った鉢子と桜庭はお別れします。
箱根で買った名前が入ったキーホルダーを桜庭からプレゼントされた鉢子はいつか娘さんと奥さんに渡せれば良いねと言いました。
職場に戻った鉢子は報告せずにいなくなった前日の件を上司に謝罪しました。
久保はいつも通り問題続きのようでした。
いつも通りの仕事を心がけ気を引き締める鉢子は声で頼子が乗っている事に気付きます。
「コーヒーください」
母親への複雑な思いがあった鉢子だが桜庭との旅で前向きになっており笑顔で応対しました。(終)