坂の上の赤い屋根(真梨幸子)ネタバレと感想結末/騙される快感ミステリー

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作品情報/坂の上の赤い屋根

人間心理や最後まで気が抜けない展開にファンも多い真梨幸子の騙される快感?イヤミス(嫌な気分にさせるミステリー)長編。

真梨幸子=宮崎県生まれ。2005年の孤虫症で第32回メフィスト賞を受賞してデビュー。11年に文庫化された殺人鬼フジコの衝動が大ヒットし、続編インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実も話題になってシリーズ累計発行部数60万部を突破した。その他の「5人のジュンコ、「初恋さがし」、「三匹の子豚」など

人格者と評判も高かった夫婦が娘とその恋人によって身体中を切り刻まれコンクリート詰めにされ埋められた。

残虐性から世間を震撼させた「文京区両親強盗殺人事件」から18年後、

事件をモチーフにした小説が週刊誌で連載されることになる。そこで明らかになる衝撃の真実とは何か?!

主役がコロコロ変わっていくような感じだが結末が近付くにつれてすべてが繋がるし難しくもないのですぐに理解出来た。途中官能小説かなと頭をよぎる時もあったが面白かった。そこまで嫌な気分にはならないし快感ミステリーといったところ、真梨幸子さんの小説はこれが初めてだったので他のも読んでみようと思いました。

 

ネタバレあらすじ/坂の上の赤い屋根

早すぎた自叙伝・両親のトラブルのせいで相模原から文京区に引っ越し転校した私は今まで優秀だと思っていたが地域によって格差があることを知る。同情の目でしか見られないので反抗し嫌がらせを続けると担任は「かわいそうな境遇だから許して仲良くして」と生徒達に言います。なにをしても許されるので抵抗や抗議をして欲しくで嫌がらせを続けた結果ミチルが亡くなった。入院している彼女の口に蒸しパンを突っ込んだのだ。馬鹿な奴等のせいで、馬鹿な街によって私は11歳で殺人者になってしまったのだ。私が住んでいる場所は谷(低層階)だ、坂の上の赤い屋根を目にしいつか見下してやると決心した。

 

殺人事件をモチーフ

 

2000年、医師の青田と同じく医師で妻の早智子が全身をメッタ刺しにされコンクリート詰めにされた事件で当時名門女子校に通っていた18歳の娘・彩也子と交際相手の大渕が逮捕された。生活費を得るための金銭目的の反抗であり裁判では二人の主張は食い違っていたが2005年に大渕は死刑判決、彩也子は無期懲役が下され、2015年に確定した。

 

私は温めていた計画を実行しようと思いまず法廷画家だった鈴木礼子を訪ねる。

傍聴席の最前列で観察し写し取る法廷画家の礼子は犯人の顔を一番近くで見ているので最初に話を聞く人物にもってこいの人だ。

礼子はマスコミや警察は清楚な女子高生と発表していたが金髪でタトゥーが入っていてただのギャルだったと言います。彼女は洗脳された被害者で主犯は大渕だと警察やマスコミは思っているようだが間違いなく主犯は彩也子だと言います。そんな礼子はイケメンの大渕と獄中結婚しており再審請求しようとしているところでした。

騙された経験を綴った話で運良く作家デビューした私は編集者の橋本からカリスマ編集者の笠原を紹介される。本人だと言うことは知られない方がいいと言われ名前はイイダチヨで新人アルバイトという事になった。

文京区両親強盗殺人事件をモチーフにした「坂の上の赤い屋根」の話になり最初は売れないしダメだしばっかりだったが二日で直した改稿で連載が決まりました。

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殺人犯の元カノ

笠原からのダメ出しは続くが大渕のパトロンだった市川聖子は笠原の先輩で我が出版社に努めていた事を知り私は橋本と一緒に会いに行きます。

酒を飲ませたらベラベラ話すと笠原から助言を受けていたのでその通りにすると聖子は出版社にいた頃は年収一千万以上稼いでおり自分は人より上の存在だと思っていたが独立したらアルバイトしないとやっていけなくなったと言います。

イベント会社を立ち上げた大渕を援助しいろいろうまくいっていたが彩也子がやってきてからすべておかしくなっていったと言います。今まで子猫ちゃんのように大渕を可愛がっていたがいつの間にか支配されていると気付いた時にはミスコンの応募者ではなく運営者の一人として雇われた彩也子と身体の関係があると察しました。

怒ろうと思い証拠を突き止めるため部屋を覗くようになったが映像ではなく実際のベッドシーンを目の当たりにすると興奮してしまい覗きが趣味となってしまったのです。大渕は飽き始めていたが彩也子は麻薬のようなものを飲ませていたと証言しました。

 

出所していた共犯者

聖子から連絡があり笠原は会いに行くと「イイダチヨは偽名で偽物だ」と知らされ驚きます。

彩也子を何度か目にしていた聖子はイイダチヨがどことなく似ていると思い、あるはずないと思いながらも確認するとリストカットの痕を目にします。

彩也子は無期懲役で最低でも30年は入っているはずだが調べると事故に遭って全生活史健忘となり記憶を失った事から違例ではあるが16年で出所が認められたのです。

名前を変えているはずだから似ているイイダチヨが彩也子のはずだと・・・・

聖子は自分自身の犯罪を小説にしていく彩也子と、それをネタにする橋本の姿を追い本にしたいから手を組もうと話を持ち込んできたのです。そしてちゃっかり口止め料も・・・。

 

獄中結婚

大渕と獄中結婚した礼子は「聖子に会ってきて」とお願いされ仕方なく夫の元カノに会いに行きます。

大渕の身体に触れた事がないので嫉妬に駆られるが「坂の上の赤い屋根」に出てくる法廷画家とはあなたの事でしょと聞かれ取材を受けたことを知っているのかと驚きます。

その女性の名前を聞かれた礼子だったが印象がなく記憶に残っていませんでした。まるで幽霊のような存在・・・そう思った時、彩也子を思い出します。

裁判で彼女の顔を見てきたのにまったく思い出せない、幽霊のようだと・・・

聖子は「彼女に会って何も感じなかったの、鈍感ね、私が手紙で大渕に直接伝える、驚くだろうな」と言いました。気になる礼子はお願いして彩也子が出所していること、そしてイイダチヨが彩也子だと知ります。

 

礼子は幼い頃は両親が好きでした。しかし母親がヒステリックになり怒られることが増えると父親もお姉ちゃんなんだからしっかりしろと冷たくなった。弟が生まれてから両親が入れ替ったと感じ偽物だと思うようになりました。

それから30年、部外者扱いされ生きてきた礼子は獄中結婚したこと、そして手切れ金として1000万を要求し家を出ました。しかしその一千万は寸借詐欺をしていた小学校時代のクラスメイトに引き出されてしまう。

新しい弁護士を雇った大渕から「金が必要だけど妻なら何とかしてくれるよね」と言われます。

断れば離婚されてしまう、

そう思った礼子は再び実家に向かうと近所の人から「弟が結婚すること、二世帯住宅にするからと母親が喜んでいた事」を聞かされます。

怒りが込み上げた礼子はナイフを掴んで家族、義理の妹を刺した・・・がこれは夢であり「もうこの家に自分の居場所はない」と引き返していました。

追い詰められたら先のことは考えられない、家に入っていたら間違いなく殺していた、そう思う礼子は大渕と彩也子も金に困って追い詰められていたのだろうと理解してしまいます。

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結末/坂の上の赤い屋根

橋本から取材の依頼があり、礼子は法律事務所に払わなければならない250万をくれるならと条件を出すと受け入れられました。

しかし事件現場の赤い屋根の家に行くと橋本は急用ができイイダチヨしかいませんでした。赤い屋根はイイダチヨの家であり、リフォーム中でした。

礼子は初めて名前を聞くと女性は失礼しましたと慌て名刺をだしてきました。

「作家・小椋沙奈」

沙奈は家の相続人であり「たぶん親戚たちが放棄したから自分に回ってきたのでしょう」と自分でも経緯がよく分かっていませんでした。

事件の前年に登録有形文化財に登録され、事件があってからずっと放置されており去年に沙奈が相続しました。

事故で両親を失い、生き残った沙奈は里親に引き取られ育ったので独立する意味でもちょうどよかったと・・

完全に洗脳されてしまっている礼子は「彼は無実、金を無心しただけで彩也子が勝手に両親を殺害したのだ」と言い張ります。しかし沙奈から「利用されているのはあなたです、罪を認めている彼の目的はもう一度愛する彩也子に会うことです、そのための再審請求です」と言われ激しく動揺します。

大渕を誘惑して犯罪に巻き込んだのは目の前にいる彩也子だと怒りが込み上げた礼子は許せないと羊羹を切っていた包丁で襲いかかりました。

 

真相

彩也子は毎日父親に説教を受け育った。母親の口調は優しいが父親の説教の言葉と変りはない、生まれた時から「善意」を押し付けられたが医者である両親はどちらも愛人がいて世間の評判だけを気にする。

父親を刺したのは彩也子だがとどめを刺したのは大渕、母親は「お金が欲しいの」と聞きながら後ずさりするが大渕はこの状況では犯行の隠蔽しか頭にないのに馬鹿だと冷静に傍観していました。

彩也子は母親の首筋にナイフを突き刺した。

~大渕は「彩也子は出所しているんだろ」とニヤつきます。しかし情報は間違っていた。確かに事故に遭い医療刑務所では記憶を失っていたがすぐに戻り、命は助かったが自殺を試み娑婆の病院に転院していました。

再審請求は愛する彩也子と会うためだったのかと察知した弁護士は苛めてやろうと思い「その後、植物状態となり亡くなりました」と伝えます。

「聖子が言っていたぞ、イイダチヨ(沙奈)が彩也子だって。連れてきてくれ」

「無理です。赤い屋根で沙奈は殺され、逮捕されたのはあなたの奥さん礼子です、そして留置所で自殺しました」

聖子はスクープのためなら何でも利用する女なんだと弁護士に聞かされるが愛する彩也子が亡くなり家族だった礼子も亡くなったと知り、ショックを受けた大渕は房内で自殺しました。

笠原は「よくも騙したな」と聖子に怒るが黒幕は橋本だと気付く。

橋本は大渕の「早すぎた自叙伝」を出版して金儲けを企てました。しかし手記を書かせると姉ミチルを殺した奴だと知ったのです。

彩也子が記憶喪失だと知ったときにちょうど沙奈が実際の事件をモチーフにした小説を書きたいとやってきたのです。彩也子と同じ年でしかも似ていたので計画を思い付いたのです。

大渕から「ラブレターを送ってくる馬鹿な女(礼子)」がいると聞かされていたので礼子と大渕を援助していたスクープのためなら何でもやる聖子を唆し小説を完成させたのです。

 

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