作品情報・キャスト
依頼者たちの代わりに謝ることでトラブルを解消する東京謝罪センター所長、黒島譲。
ヤクザの車と追突事故を起こし法外な賠償金の支払いを迫られていた帰国子女の典子は彼に助けられたのがきっかけでセンターのアシスタントとなる。
二人は、セクハラで窮地に陥った下着メーカー社員の沼田や、エキストラの起用で外交問題を起こしてしまった映画プロデューサー・和田など、さまざまな顧客に降り掛かる問題を謝罪で解決していく。
ネタバレ あらすじ
謝罪の王様
東京謝罪センター所長「謝罪師」の黒島譲は依頼された事件を謝罪を通して解決しています。
黒島は生まれて初めて口にした言葉が「すいません」でした。8歳の時に飼育していたザリガニを死なせてしまい誰に教わることもなく初めての土下座を経験します。
みんなからの視線を感じた黒島はこの時に「あやまる時、人は誰でも主人公」と名言が生まれます。土下座に魅了され謝る快感を覚えた黒島は学生の時も社会に出てからも謝れるポジションを好んで選んでいました。
5年前、警備の仕事をしていた黒島は「言語道断」のラーメンを食べに行くと湯切りのお湯が顔に飛び謝罪するべきだと店員に言いました。
しかし店員は謝らず店長が謝罪に訪れました。拒否すると社長が金を出してくる始末、苦情ではなく店員にただ謝って欲しいだけだと訴えるがその後店員は辞め店は潰れてしまいました。
世の中にも同じような人はいっぱいいるのではと思い謝罪師を始めたのです。
アシスタント
司法書士を目指す帰国子女の倉持典子がヤクザの車と接触事故を起こしてしまい訪ねてきました。
典子は「とりあえず謝っとけ」みたいな考えが嫌いでありベンツの運転手が落とし前をつけられそうな段階で初めて「なんか、すいません」と言いました。
黒島は「なんか、」はダメ、反省してないしそもそも謝るのが遅過ぎると言いました。
読まずに誓約書にサインをしてしまった典子は400万を10日3割の利子で借金していました。黒島は顔に傷を作り典子の兄として謝罪しに行きます。黒島は組長のために働き趣味を手伝うと許しを得ることに成功し典子に40万を請求しました。
黒島の助手として働くことにした典子は下着メーカーの社員・沼田卓也から依頼を受けます。
沼田は飲み会の席で共同プロジェクトの担当者・宇部美咲に抱き付いてしまいセクハラで訴えられたのです。
沼田は一流国際弁護士の箕浦正臣に助言を求め典子は土下座以外の方法を考えるが黒島は引っ込みつかなくなっているだけだと読んでいました。
「セクハラで訴えられた男が自殺した」話を駅のホームでうまく美咲に聞かせワイヤーで吊るし幽霊となって現れる芝居をします。
その後、沼田がしっかり謝罪に訪れると美咲から許しを得ることに成功しました。
解決
大物俳優・南部哲郎の息子が傷害事件を起こしてしまいます。
黒島は謝罪の方法を伝授するが演技臭く逆に世間から責められてしまい、元妻で女優の壇乃はる香が謝罪すると仕事の宣伝を入れ込んだことで反感を買ってしまいます。
また保釈された息子が英語で「次は殺す」と書かれた服を着て「なんか、すいません」と謝罪し数を数えて頭を上げました。
これはダメだと黒島はがっかりするなか典子が世間より被害者に謝罪するべきではと当たり前の事に気付きます。
謝罪しに行くと被害者は挑発してしまったのは自分の方だと語り騒動は収まりました。
結末
沼田が助言を求めた箕浦弁護士は26歳で司法試験に合格し27カ国で弁護士資格を所得しています。そんな彼は離婚してから会っていない当時3歳だった娘に謝りたいと訪ねてきました。
コロンビア留学して大変忙しかった時に娘が「脇毛ぼうぼう、自由の女神」と下品なギャグで何回も邪魔してきて引っ叩いてしまった事を後悔していたのです。
4年前、箕浦は講師をしていたが教え子に娘の典子がいました。その典子が謝罪できない親を訪ねてきて「東京謝罪センター」の名刺を置いていったので嫌がらせだと嘆いていました。
黒島は「さっさと謝ってください」と典子を呼び付けるが箕浦はまだ準備が整っていないと隠れてしまいました。
国際問題に発展
映画プロデューサー・和田耕作の作品で祭りのシーンにマンタン王国の皇太子が映り込んでいるのが分かりクレームがついてしまいます。お忍びで遊びに来ていたらしく調べてみるとマンタン王国の皇族肖像権侵害は重罪だと分かったのです。
監督や社長から依頼された黒島は謝罪の仕方をレクチャーします。しかし日本のお土産を持ってマンタン王国に出向いた謝罪は受け入れられず追い出されてしまいました。
マンタン王国は日本政府に謝罪を求め国際問題に発展してしまいます。日本文部科学大臣の失言によりマンタン国王は日本との貿易をストップしました。
黒島はマンタン王国で英雄である南部を派遣し土下座をさせるがマンタン王国では相手を侮辱する意味がありました。
総理大臣と共に国を背負い謝罪しに行く事になった黒島と箕浦弁護士は土下座以上の謝罪があるのかと頭を悩ませます。
そんな時、湯切りのお湯を顔に飛ばした「言語道断」の店員だった船木が現れ「脇毛ぼうぼう、自由の女神」は土下座を超えた最大級の謝罪だと言いました。
マンタン王国の映画「バタールの丘」で主役を演じた南部が謝罪で言っていたセリフでありマンタン王国では号泣されたが日本人には「脇毛ぼうぼう、自由の女神」と聞こえてしまう事で爆笑でした。
マンタン王国を訪れた内閣総理大臣と黒島が「脇毛ぼうぼう、自由の女神」と叫ぶと国王は謝罪を受け入れました。そして箕浦弁護士は娘が言っていた言葉だと気付き謝罪しました。