作品情報・キャスト
実在のピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴットの半生を描いた作品はアカデミー賞主要9部門を独占し高く評価されました。
オーストラリアのメルボルンで生まれ幼い頃から才能を発揮していたが厳格な父親の重圧に耐えきれず反対を押し切ってロンドンへ留学するが演奏直後に倒れ精神に支障が。
ネタバレあらすじ/シャイン
ユダヤ系ポーランド移民の両親のもとにオーストラリア・メルボルンで生まれたデイヴィッドは父親のピーターから独学でピアニストになるための教育を受けていました。
ピーターは「俺の言う事は絶対」という考えを曲げず子供達の人生の選択もすべて自分で強引に決めてしまう性格。少年の頃に買ったバイオリンを父親に叩き壊され理解が得られなかったが俺は理解してやっているからラッキーなんだぞと毎日子供達に話します。
街のコンクールでピアノを演奏したデイヴィッドは才能を認められ審査員だったローゼンにピアノを習うと一気に開花します。
14歳、史上最年少でコンクールで優勝したデイヴィッドをピーターは大喜びして褒め称えます。
しかしアメリカ音楽学校へ招待されると聞くと自分の手からデイヴィッドが離れてしまうので反対だと言い張ります。世界的に有名な学校で学べるチャンスだとローゼンに言われても力で押さえつけて拒否し続けました。
デイヴィッドはピアニストとして街に知れ渡り新聞では度々取り上げられ天才として有名になる。
市長が働きかけ米国留学資金が集まるとアメリカのミルクバーク夫妻からデイヴィッドを迎え入れるための準備が整った知らせが届くがピーターが燃やしてしまいます。
「俺に逆らうな、ここがおまえの家族で居場所なんだ」
留学
ピーターはラフマニノフのピアノ協奏曲第3番をデイヴィッドが幼い頃から覚えるようにと徹底して言ってきました。
しかしローゼンは子供のうちから情熱的なピアノを無理矢理習わせることはするなと告げます。
デイヴィッドは19歳までやりたい事は何も出来ず犯行した事はなかったが、
王立音楽院の奨学生に選ばれると父親からの暴力的反対を押し切りロンドン行きを決めました。
ロンドン王立音楽学校で素晴らしい先生と出会い上達していくが手紙を書いてもピーターからの返事はありませんでした。
最終選考まで残ったデイヴィッドは幼い頃からピーターに言われていたラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を選曲し情熱的感情を音で表現するため毎日厳しい特訓に励みます。
家出をしたデイヴィッドは弾けるようになればピーターが許してくれると思ったのです。
しかし、コンクールで完璧な演奏を披露した直後、精神的ストレスで倒れてしまう。
精神病院
オーストラリアに戻ったデイヴィッドは実家に電話をするが切られてしまいます。
総合失調感情障害に陥り向精神薬や電気痙攣療法など受けながら10年にわたって精神病院で過ごします。
ある時、リハビリ室から聞こえてくるピアノの音に引きつけられる。
ピアノを演奏していた年配の女性はデイヴィッドのファンだった人であり身元引受け人となってくれたが手に負えず手放すことになり身元引受け人は次々と変わり中にはデイヴィッドの金目当てだけの者もいました。
結末
土砂降りの雨にうたれ街を彷徨っている時にワインバー「Moby’s」で働くシルヴィアに助けられ家まで送ってもらいます。
ピアノに鍵をつけられたデイヴィッドは「Moby’s」にピアノが置いてあった事を思い出し勝手に店に入りピアノを演奏すると客から盛大な拍手が沸き起こります。
天才ピアニストの現在の姿が新聞に載るようになるとピーターが訪ねてきました。
「俺の子で運が良い、なぜなら・・・」
子供の頃から散々言われ続けてきたデイヴィッドは「知らない」と答え振り向くとピーターの姿はありませんでした。
平日はMoby’sで働きながら店の二階で住み週末はシルヴィアが引受人となっていた。
デイヴィッドのピアノを聴きたい人であふれ店は繁盛し、やがてデイヴィッドはシルヴィアの知り合いである星占いの先生ギリアンと37歳の時に結婚しました。
ギリアンやシルヴィア家族に面倒を見てもらいながらピアニストとして復活したデイヴィッドはコンサートで大歓声を浴び感極まって涙します。
デイヴィッドはギリアンと供に72歳で亡くなったピーターのお墓を訪れるが何も感じませんでした。責めたくてもピーターは死んでいないのだ。
人生を途中で捨てないで生きていくとギリアンに誓うのでした。
国内だけでなくヨーロッパでも演奏活動を続け、69歳となったデイヴィッドは現在、自宅にて演奏会を続けている。終