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「 スワン 」(呉勝浩)ネタバレ・あらすじ/ 生存者の抱える秘密とは(感想)

邦画ミステリー

 

作品情報

江戸川乱歩賞作家・呉勝浩の衝撃作。

21名が命を落とし17名が重傷を負った巨大ショッピングモール「スワン」での無差別銃乱射事件。

犯人と接触しながらも生き残った女子高生のいずみだったが同級生に次の犠牲者を指名してしまった事実を証言され一転して非難を浴びる事になってしまう。

そんな時、いずみを含めた生存者5人に招待状が届き、ある出来事の真相を明らかにしようとするが・・・・。

何を隠し、何を恐れているのか、隠された真実とは何なのか。

 

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ストーリー

スワン (呉勝浩)

ネタバレ・あらすじになりますのでご注意ください

 

無差別銃乱射事件

丹羽佑月は埼玉県東部にある国内最大級の敷地面積を誇るショッピングモール「湖名川シティガーデン・スワン」に向かっていました。

佑月は同乗者のサントとガスからヴァンと呼ばれている。3人は半年前にネットで知り合い本名などどうでもいいのであだ名を付けたのです。

ガス・ヴァン・サントは米国の映画監督の名前でありグループ名「エレファンツ」は彼が監督した銃乱射事件を基にした作品でした。

鞄の中にはガスが造った2発で使い切りの模造拳銃が大量に入っていました。サントはキチガイな発言を繰り返していたのでサントに撃たれて命を落とします。

ガスと佑月はカメラ付きのゴーグルをかけ銃入りの鞄と日本刀を手に車を降ります。

 

女子高生の片岡いずみ(以下、カタカナで表記)は入学早々目を付けられ虐められていました。やがておさまるがリーダー的存在の古館小梢は同じバレエ教室に通っており始業式を明日に控えたこの日スワンに呼び出されて電車で向かっていました。

中学の友達からは「いざとなったらぶっとばせ」と激励のメールが入っていました。

80歳間近の吉村菊乃はオシャレしてスワンに行き貯水池を見下ろす窓際のスカイラウンジで食事をするのが日曜日の決まり。オシャレしても靴は運動靴なのである意味目立ち警備員の山路智丈と後輩の小田嶋力は「日曜日のおばちゃん」と呼んでいました。

菊乃はウェイトレスの態度に頭にきていると破裂音を耳にし下の階から悲鳴が聞こえてきました。

ドン・ドン・ポイと2発撃っては捨てを繰り返す犯人。

ガスこと大竹安和は国の体制と治安に一石を投じるためひたすら撃っては捨てを繰り返しサントの分まですべて使い切り佑月が用意してくれた日本刀を振り回し目的地に到着すると切腹しました。

佑月は何かしっくりこないと思いながら最終地点だと決めていたスカイラウンジに到着すると物語の主人公にぴったりな人物を目にする。

スカイラウンジにいた女子高生のイズミは「君は心の綺麗な子だね。だから傷付けない、汚い人間を君が選ぶんだ」と佑月に言われ困っていると見た理由だけで隣の人が撃たれてしまいました。

選ぶ事なんて出来ないので天井をずっと見ていると次々と撃たれていきます。

ラウンジには9人がいたがイズミ、そして片目を吹っ飛ばされた小梢だけが助かり、佑月は「満足」して自らの頭を撃ち抜きました。

死者21名、重軽傷者17名、犯人死亡。

 

被害者から一転

事件に巻き込まれたイズミは名が表沙汰になり激励の声が多く寄せられました。

パニック障害を発症し1ヶ月後に退院するが学校やバレエ教室には行かれず週に1度メンタルクリニックに通っていました。

事件から五ヶ月後、警備員の山路が対応の悪さで世間からバッシングを受けているのを見て次は自分ではないかと恐れていたが嫌な予感が的中、同じ現場に居合わせた小梢の母親の証言により「自分の命を守るために他人を犠牲にした」と週刊誌に載ってしまい一転して非難を浴びることになってしまいました。

それはイズミを精神的に追い詰めプロのバレリーナになる夢を奪い、そして母親の心と笑顔を奪いました。

小梢は片目を撃たれて失明し病室からずっと出れないでいました。

 

集められた5人の生存者

~1ヶ月後、弁護士・徳下宗平から手紙を貰いイズミは徐々に外に出られるようになったので誘われたお茶会に向かいます。

イズミを含め5人が集められており徳下弁護士は全員の名前を把握しているが名乗らなくてもいいと言うのでそれぞれが本名やあだ名で自己紹介します。

営業マンの波多野(結末で記述)。

老人の保坂(本名を名乗った)。

パーマ女性の生田(スカイラウンジのウェイトレス浜屋園子)

ジャンパー姿の無口な道山(警備員の小田嶋)

イズミは本名を告げるとネットで騒がれているので4人は驚きます。

徳下弁護士は物流会社社長の吉村秀樹の依頼を受け報酬を出す条件で招待状を5人に送ったのです。

 

秀樹の母親はスカイラウンジにいた菊乃であり彼女は一階のエレベーターの前で銃弾2発を浴び命を落としていました。

秀樹は母親がなぜ命を落とす事になったのか、真実を明らかにするよう依頼したのです。

犯人2人が身に付けていたゴーグルカメラの映像やスワンの監視カメラを分析すると菊乃は犯行開始時間にスカイラウンジにいたが撃たれる時には一階のエレベーターに乗ろうとしているところであり死亡推定時刻は犯行が終わりかけの時間帯でした。

イズミはラウンジにいた生き残りなので自分が呼ばれた理由はなんとなく分かるが何故他の4人が呼ばれたのか分からないでいました。

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感想「スワン」

ちょっとここで先に感想を書かせていただく。

読んでいてかなりイライラさせられる。無差別銃乱射事件に巻き込まれたら的確な行動なんて出来ないし誰もが自分の命を守るのに必死なはず。

なのに、バッシングがひどすぎる。

むしろ事件に巻き込まれた方が自分を責め、自分と向き合ってちゃんと生きている。

そして描き方もちょっとイライラするというか・・・・、まずスワンの本館略図が頭に入っていないと把握しずらい。

「誰かさんが(ア)にいて銃声を聞いて(イ)に行き・・・」みたいな書き方なので読んでいてもうどうでもよくなってしまう。

そして何より話がものすごーく回りくどい。

「白鳥の湖」の話をちょくちょく挟んでくるのでそれもやっかいだがイズミと小梢の関係があるので頑張ってまだ許せる。

虐めが始まったのはバレエ教室でイズミがあっさりみんなを追い抜きトップにたったから、しかし小梢は心を入れ替え真剣にバレエに励みイズミを追い抜いたのです。

黒鳥だったが白鳥だったか忘れましたが自分の方が相応しいと踊りを見せるために小梢はイズミをスワンに呼び出したのです。

5人が集められたところまではノンストップで読んだがその先がね。お茶会も大した進展がなかったし「最初から話してもよかったじゃん」と思ってしまう。

イズミは小梢が何故ラウンジに来たのか、なぜ迷子の少年を連れてラウンジに来たのか行動を知りたいがために嘘を付いていたのも面倒だった。そんなのカメラの映像を分析しているのだから嘘はすぐにバレるし聞けば教えてくれたんじゃないか。

菊乃の件に関してだけの真実を知りたいなら1人いらないがそれは弁護士の正しいかは別として正義感から、この理由(理不尽な悲劇を乗り越えてほしい・救いたい)もしっくりこなかった。

こればっかりは好みの問題ですけどね。ただ映画化すれば見たいかも

それでは結末を書いていきます。ちょっと複数いてややこしいのでうまく纏めて書ける自信はありませんが^^;

 

結末①

イズミは勝手に呼び出したんだからと小梢を待たせショッピングをしていました。しかし目の前で銃乱射事件が起こり銃弾が飛んできた逆の方向へ咄嗟に走って逃げるとバックヤードの階段を発見します。

しかし犯人の大竹は元スワンの警備員でありクビにされた恨みも晴らすために足を進めており運悪くイズミが逃げる方向に向かってきてしまう。しかしここで猛烈なバッシングを受けていた警備員の山路が格闘してくれたおかげてなんとか逃げ延びる。

ここで小梢から電話があるがパニクっていたので携帯を落としてしまい「助けて」と叫んだ事で外にいた彼女は逃げる人々に逆らってスワンの本館に入ってきたのです。

イズミは上から階段で下りてきた園子に「上が安全」と言われラウンジに向かったのです。

園子は下の異変に気付き恋人関係にあった小田嶋が心配で非常階段で下りていたのです。そして恋人の小田嶋は「子供が迷子だ」とパニクってる母親(佳代)に掴まれていた事と犯人を目にしていたことで彼女が思うように動いてくれないので思わず突き飛ばしてしまいました。

事件後、最後は犯人に立ち向かったので英雄扱いされていたが彼女が亡くなった事を知り自分のせいだと責めていました。

園子は防災センターで撃たれてしまい下りてきたばかりの階段までは逃げれたが上る気力が残っておらず気を失う前にラウンジに助けを求める電話を掛けました。

それで園子を助けるために下に来てくれたのが散々嫌な客だと愚痴っていた菊乃でした。

ラウンジにいた人は犯人が来ないようにエレベーターを上で止めていたのに園子は自分が80歳間近だったことや負傷した彼女を連れて戻ってこなければならず反対を押し切ってエレベーターを使用したのです。

菊乃は「一階で撃たれた」と聞いていたので犯人と鉢合わせないために3階で下りて階段を使用したところ園子を発見したが気を失っていたので迷子の子供(幸雄)を連れた小梢にラウンジに行って男性を呼んできてとお願いしたのです。

菊乃はその間、素人ながらも傷の手当てをしていたが趣味である登山から応急処置のやり方をしっていた保坂に叱咤され「ここは私に任せて早く誰か呼んで来い」と言われます。

菊乃は外に助けを呼びに行こうともせず咄嗟に思い付いたのがラウンジの人たち、しかし高齢ということもありエレベーターまで走ったが疲れ切って倒れてしまったのです。

そしてエレベーターにはさまって動けないところを犯人の佑月に2発撃たれ亡くなってしまったのです。

 

結末②

波多野と名乗っていたのはスワン事件で妻子を亡くした双海でした。

双海は妻子がなぜ離れた場所で命を落としたのか、それを突き止めるために参加していたのです。

双海は駐車場で車を停めて寝ており事件にまったく気付いていなかったが妻子を亡くし生きる気力をなくし復讐心に燃えていました。

イズミは拉致されて暴力を受け隣の部屋では佳代を見殺しにした小田島が瀕死の状態で倒れていました。

幸雄は後頭部と正面から2発撃たれて亡くなっていました。どうゆう事か説明しろと責められるイズミだが憶えていないと言い張りました。

イズミはどんなに蹴られても「小田嶋をやれと言えば助けてやる」と言われても拒否しました。それが後悔しない理由だったからです。根負けしたのか、双海は携帯を取り出し自首しました。

あの日、イズミはラウンジでただ天井だけを見ていました。幸雄が後頭部を撃たれたあと銃口を向けられた小梢は咄嗟に身を守るため幸雄を盾にしてしまったのです。

その光景に満足した佑月は自ら命を絶ち、パニックに陥った小梢は落ちていた銃を拾い自らの眉間に当てたが、それを目にしたイズミは「この状況を1人で背負いたくない」と咄嗟に彼女の手を払ったのです。

銃弾は小梢の片目を吹き飛ばし失明する事になったのです。

イズミはこの事件と向き合いICレコーダーで録音していました。そして子供を盾になんかしていないというメッセージを込めて「犯人は小梢を撃ったあと幸雄に2発撃って自ら命を経った」と吹き込みました。

「踊ろう、小梢、いつか一緒に白鳥の湖を」

 

 

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