作品情報・キャスト
数多くの映画やドラマの脚本を手掛ける筒井ともみによる原作を生野慈郎監督が映画化。
「女性の本音」を際立たせた食とエロスのヒューマンドラマ。
ネタバレあらすじ
食べる女
シラタマと名付けた猫を飼う古書店「もちの木」を営む雑文筆家の敦子は迷える女たちに美味しいご飯を食べさせて元気にするのが好きな女性です。
今日も遊びに来た担当編集者の圭子、アシスタントプロデューサーの多実子、小料理屋を営む美冬に美味しい料理をおもてなしします。
圭子が食べている時は本当に幸せそうな顔をするので敦子は見とれます。
美冬はかわいい男をつまみ食いするのが趣味であり「どっちを食べたんですか」と多実子に聞かれ「どっちも」と言いました。あまりに若い相手なんで圭子は「それ犯罪ですよ」と口にするが男は面倒くさいと言いながら実は恋愛に逃げ腰なのです。
「手遅れになるぞ、年重ねるごとに男に対する条件が増えていくからね」と言われ内心ヤバッと思います。
多実子は料理上手な彼氏にプロポーズされるが「何かピンと来ない」と悩んでいました。彼と付き合いだしてから男から声を掛けられる事も少なくなり最近の現状に「ぬるい」と言います。身体を重ねたら男はすぐに帰るのに今の彼は朝までいるからびっくりなんだと口にすると「今までは不倫オンリーだったのね」と敦子に言われます。
多実子は「BARロマ」に1人で飲みに行くとオーナーの元妻である珠美に「ドラマのエンドロールに名前が流れたの見たよ」と言われます。
その横で古着ショップ店員のアカリが恋愛に失敗し酔い潰れていました。「止めなくちゃとは思うんだけど止めると悲しそうな顔するんだよね」と珠美は言います。
アカリの横で飲んでいた男はアカリの分も払うと彼女を連れて店を出て行きました。入れ替わりで小学校教師の白石が入ってくると多実子は「久しぶり」と声を掛けるが白石君の目的はバーテンダーのシノザキ君でした。
マンションを購入していた圭子は「これで男に求めるのはトキメキだけだ」と思うが4年前から恋人がいないので今ではどうやって交際するのかも忘れかけていました。
そんな圭子はなぜか何度も偶然に出くわしてしまう田辺に前回会ったときにカレーをかけられそうになったので「お詫びに出張料理人させてください」と言われ家に上げてしまいます。
「なにやってんだ私」と戸惑うが料理はとても美味しく田辺は「楽しかったです」と帰って行きました。
ある日、美冬は夫に浮気されて離婚を迫られ泣きながら歩いているマチに声を掛け料理を出してあげます。美冬はマチが立ち直るまで自分の店で働いてもらおうと思い「家に住ませてあげて」と敦子にお願いします。
敦子は「自分で面倒見なさい」と訴えるが「つまみ食いできなくなるでしょ」と言われ渋々引き受けます。
敦子は井戸を掃除しているとシラタマを追いかけ小学生の由有羅が庭に入ってきました。白石の生徒であり母親は世界を旅する風来坊で今一緒に住んでいるのは本当の父親ではなく母親の彼氏・哲太でした。
本当の父親が出て行ってから3年となるがパパと同じように由有羅は哲太と仲良くやっています。
そんな由有羅の同級生のミドリは帰宅途中、イヤリングの看板を見て弟リュージが「ママ」と喜びます。母親のツヤコは耳のパーツモデルをしており子供を連れて別れた夫を訪ね「ピクニックに行こう」と誘います。
ツヤコは別れた夫への愛を捨てられないのです。しかしミュージシャンの元夫は「話しても無駄だな」と家の中に入ってしまいました。
ピクニックに出かけ一生懸命笑顔を見せるがツヤコは堪えきれず子供2人を抱きしめ涙を流します。
由有羅とミドリは井戸を見に行くと庭にはマチがいて「水の気配を感じるからきっとある」と言いました。
圭子は田辺と良い感じになり「なにやってんだろう」と思いながらも一回だけいいかと軽い気持ちで抱かれるが身体の相性が良くて最高だと思います。
「BARロマ」でたっぷり酒を飲んだアカリは道端でばったり出会ったサラリーマンに解放され自分の部屋に連れて行きます。朝起きると隣に男がいたので「またやってしまった」と後悔します。
それでも後日、「会いに行っていい」と聞かれたアカリは「いいよ」と返事し急遽水餃子を作って待ちます。訪ねてくるとすぐに抱かれるがアカリは自分が作った料理をむしゃくちゃ食べてくれる姿を見るのが大好きでした。
マチは見習いを追えると美冬から給料を頂きます。料理がまったく出来ず冷凍食品でチンしか出来なかったマチは居候させてくれた敦子にお味噌汁を作ると彼女は美味しいと幸せな表情を見せました。
自分で稼いだお金で食材を買い心を込めて作った料理を美味しいと言ってくれるのがこんなに嬉しいことなんだとマチは感動します。
プロポーズされていた多実子は今でも迷っていました。別れたら1人になるのではないかと不安なのです。それを聞いていた圭子も考え込みます。
結末/食べる女
珠美はお腹にいる子を入れて4人の子供がいます。オーナーの元夫から「好きな女性が出来たから別れてくれ」と言われ離婚していたが形式にとらわれることなく愛も身体も求めていました。つまり2年前に別れてもお腹にいる赤ちゃんはオーナーの子だったのです。
由有羅とミドリが敦子の家を訪ねると久しぶりに誰かと一緒に住みたくなった敦子は「下宿人募集の張り紙でも貼ろうかな」と言いました。ミドリは手を挙げて立候補します。
アカリは仕事で知り合ったアパレルメーカーの友太に一目惚れします。家まで送ってくれても手を繋がないし家にも上がらない。でもそんな新鮮な感覚にアカリはますますトキメキます。
そして「今お邪魔して良いですか」と連絡を受けガッツポーズするアカリは簡単な料理でなくちゃんとした女になるためちゃんとした料理を作り出します・・・がやっぱり嬉しくて待ち遠しくなり走って迎えに行き抱き付きます。
圭子は家に帰ると手紙と弁当が入った袋がドアノブにかけてありました。田辺が北海道に転勤が決まった事を知って弁当を口にする圭子は悲しくて涙を流すが美味しいと思います。
ツヤコは子供二人に誘われ敦子の家にやってきます。引っ越しする時は大変だったがいらない物を捨ててみたらいろんな事がふっきれ気が楽になりました。
みんなで美冬の料亭に集まり彼女とマチが作った料理を口にします。店に出す第一号のマチの料理をみんな「美味しい」と口にします。
多実子は「トキメキがない恋は嫌だ」とプロポーズを断る決心がつきそうです。圭子は「分からない」と言うが敦子は「分からなくていいの」と言いました。敦子が下宿人の話をすると皆会いたくなって敦子の家に行きます。
田辺は新鮮な魚を持って圭子が料亭にいると聞いたので向かうと白石だけが酔い潰れていました。せっかくだから二人で食べているとマチの夫が「戻ってきてくれ」と駆け込んできました。
「人生なんて何が起こるか分からないけど分からなくていいじゃない。心も身体も健康でいるため美味しい料理を食べよう。いつか愛おしい人に出会えますよ」と敦子は原稿を書き終えました。
井戸の水面には月が浮かんでいました。
感想
好みの問題ですが私はあまり好きになれない話です。
「女性の本音」と言うがあんまり参考にしない方がいいんじゃないかなと思います。みんな軽すぎでしょ(笑)
最近は事実婚や内縁の妻などよく耳にするが他人は良いけど私はやっぱり嫌かな。しっかり結婚して名前も同じでありたい。