作品情報キャストの紹介
1940年、ナチスドイツ将校ブラント大尉は退位後オランダに亡命したドイツ最後の皇帝ヴィルヘルム2世を監視する任務のため屋敷に送り込まれる。メイドとして働くミーカと出会ったブラントは恋に落ち戦時下の不安から逃れるように二人は互いを求め合うが彼女は英国政府のスパイだった・・・
ネタバレあらすじ/偽りの忠誠ナチスが愛した女
ドイツ革命で帝位を追われた元皇帝ヴィルヘルム2世はオランダに亡命しユトレヒトにあるドールン館に身を置きます。
1940年5月、ナチス親衛隊ブラント大尉は依然ドイツ国民から支持を得ている元皇帝の護衛指揮を命じられドールン館に赴任します。
するとゲシュタポ(秘密警察)のディートリヒ警部補は周辺で無線を傍受しておりドールン館にイギリスのスパイがいるから協力して欲しい言います。
皇帝の副官シグルド大佐からメイドには手を出すなと忠告されたブラント大尉だがミーカと恋仲になります。
ブラントはヴィルヘルム2世から夕食に招待されます。元皇帝の妻ヘルミーネに両親の事を聞かれたブラント大尉は「父親はソンムで戦死、ルーデンドルフの地主階級だった母親は戦後清掃の仕事に就き紙幣の価値が急落したので12歳のときに死にました」と答えました。
するとヴィルヘルム2世は机をたたき「私のせいか?」と怒りました。
復権のチャンスだと思っていたヘルミーネは「主人にヒトラー批判の意図はありません」と念を押します。
ディートリヒ警部補はスパイの居場所を突き止めるため探知機を増やしていました。
その頃、ミーカは村の教会を訪ね牧師に扮したスパイに「護衛指揮官やゲシュタポに気付かれている」と報告します。
親衛隊全国指導者ヒムラーがやってくるから館内を調査するとディートリヒ警部補から聞かされたブラント大尉はヴィルヘルム2世の忌憚のない発言は危険だとシグルド大佐に伝えます。
ディートリヒ警部補と一緒に館内を調査したブラント大尉はミーカの部屋から火薬のような匂いに気付き拳銃を隠し持っていると疑います。
ミーカを尾行したブラント大尉は彼女が教会に入って行くのを目にし、多くの仲間や両親を親衛隊に殺されたミーカはヒムラーを始末するべきだと牧師に訴えていました。
ディートリヒ警部補は無線を傍受し牧師を逮捕します。
ブラント大尉はポーランド侵攻の時に多くのユダヤ人の遺体を見て心を痛めていました。その時に隊長を殴り問題となったが運良く不問となりました。
ユダヤ人のミーカに「守るから結婚しよう」と告げるが彼女は「無理に決まっている。ほっといて」と言いました。
その時、2人の関係を怪しんでいたヘルミーネが部屋に入ってきてミーカにクビを宣告するがヴィルヘルム2世は過去に同じような経験があり2人を問題視しませんでした。
牧師がゲシュタポから激しい拷問を受けていると知ったブラント大尉はミーカの正体がバレるのは時間の問題だと動揺します。
ヒムラーがドールン館を訪れ出迎えたブラント大尉はミーカに牧師が捕まった事を伝え国を裏切りたくないから逃げるよう伝えます。
ブラント大尉はディートリヒ警部補と軽く酒を飲んでいるとヒムラーが部屋を訪ねてきて「皇帝として復帰するよう総銃のご意思を伝えたが実は罠で君主制の信奉者や支持者を一掃するのが目的だ」と教えられます。
結末
ブラントは悩んだ結果、自分は護衛隊長であるためシグルド大佐に「ヒムラーの提案は罠で狙いは支持者の一掃です。」と伝えます。
その頃、ミーカはヴィルヘルム2世に接触し自分はスパイである事を伝えるが陛下が倒れてしまいます。
牧師が口を割ったと報告を受けたブラント大尉は陛下を病院まで運ぶ車の中にミーカを隠しました。
ヴィルヘルム2世は「どうして黙ってたんだ。ゲシュタポに引き渡すとでも?」とミーカに言います。
ディートリヒ警部補がスパイを探しているから荷台を調べると言って立ち塞がります。
陛下を病院に連れて行く途中だと訴えるが聞き入れてもらえないのでブラント大尉はミーカの拳銃を使い射殺しました。
国に戻れば殺されるから一緒にイギリスに行こうとミーカに誘われたブラント大尉だが殺したのはスパイだから大丈夫だと言います。
「結婚しよう」と告げるとミーカは「もちろん」と言いイギリスに向かいました。
ブラント大尉は陛下に感謝を伝え病院へ車を走らせました。
親衛隊本部で事務を担当していたブラントは赤十字から郵便が届きます。
無事にイギリスまで逃げ延びたミーカが現在ロンドンにいて子を身籠っている事を知ったブラントは空襲サイレンが鳴っても1人避難せず、ヴィルヘルム2世に朗報が届いたと連絡しました。