作品情報・キャスト
同じクラスの女性タチアナに想いを寄せる14歳の少年マイク。
父親は若い愛人がいて母親は酒浸りの日々、学校でも家庭でも息苦しく感じていたころ風変わりな転校生チックに誘われ夏休みに冒険に出る。
ドイツで220万部売り上げたW・ヘンドリックの「14歳、ぼくらの疾走」を「愛より強く」や「ソウル・キッチン」などを手がけたファティ・アキン監督が映画化。
ネタバレあらすじ/ 50年後のボクたちは
授業中、14歳のマイクは想いを寄せるタチアナからメモが回ってきて自分宛ではなかったが盗み見て3週間後に誕生日パーティーが開かれる事を知ります。
作文で母親の酒浸り生活を発表するので変わった奴だと思われているがロシアからやってきた転校生チックは提げている袋に酒が入っておりロシア系マフィアの息子だという噂が広まっていました。
豪邸に帰宅するマイクはクラス全員が招待されると知って人とは違うプレゼントをしたいと思いタチアナの似顔絵をデッサンしました。
またドラゴンの刺繍が入ったTシャツをタチアナがよく着ているので注目されるためにドラゴンの刺繍が入ったスカジャンを買って終業式に向かうと自分とチックだけ招待状を渡されませんでした。
それどころか距離を取っていたチックに「その服かっこいいな」と話しかけられてしまいます。
孤独な少年
帰宅したマイクは上着と鞄を放り投げ、デッサンを破ろうとしたがそれは出来ませんでした。一人寂しく部屋で涙を流します。
夏休み、母親が断酒するためスパに入ると父親は「2週間出張だ、200ユーロ置いていくから面倒は起こすなよ」と言いました。しかしプールで一人で遊んでいると若い女性がやってきたので父親は出張ではなく愛人と旅行なのだと察します。
酒浸りでも母親が大好きなマイクは後ろから二人を撃ち殺す・・・妄想をします。
ある日、車(水色のラーダ)を盗んでチックが遊びに来ました。
「刑罰は15歳から、俺は14歳だから大丈夫、ドライブ行こうぜ」
チックも招待状を渡されなかった事にショックを受けていたがマイクが描いたデッサンを見て「行動しろよ」と言いました。
「招待状貰ってないけど届けに来た。時間を掛けて描いたとでも伝えるのか!!」
チックは「それでいい」と言い、なんとなく背中を押されたマイクは車に乗り込みました。
もう引き返せないと思ったマイクはデッサンした紙を渡し帰ります。チックのおかげで勇気を持って一つ行動を起こせたマイクはテンションが上がり「連中を驚かせよう」と伝えるとチックは車をドリフトさせました。
冒険
なんとなく意気投合したマイクとチックは「このまま遠出しよう」と決め衣類や寝袋、食料を車に詰め込み出発します。
チックが親戚がいる「ワラキア」に行こうと言うのでマイクはスマホでチェックするが「追跡される」と窓から捨てられてしまいます。マイクはお返しとばかりチックの酒を放り投げ「事故防止だ」と言いました。
さっそく危ない運転をするので「おまえら何歳だ、ガキのくせに」と写真を撮られてしまいました。
14歳だとあっさりバレてしまった事を問題視しチックはサングランスに付け髭をしました。
「 南に向かって走れば到着するだろ 」
寝袋で一夜を過ごすと自転車貴族に話しかけられ目覚めます。
自転車貴族って何だ?「貧乏旅行じゃないって事」
(金持ちのおぼっちゃんとおじょうちゃんから見下された?)
バーベキューをする自転車貴族を見たマイクは「お腹すいたから声かけよう」言うがチックは「せびるのは嫌だ」と車に乗り込みました。
スーパーを捜していると女性に「一緒に食べていく」と話しかけられます。
(大勢の子供と暮らしているので施設なのかな?)
子供に「腕時計の短針を太陽に向けると12時との中間が南」と教えられます。
スイカをお土産に貰い車に乗り込むがマイクがトイレしている間にチックは警察に話しかけられ車で去ってしまいます。
やばいと思ったマイクは警官の自転車を盗んで逃走しました。
再会
ここがどこかも分からないマイクは森の中で一夜を過ごし元に戻った方がいいと思い近くの風力発電所の下に座り込みます。
なんとなく会えそうな気がしていたマイクの考えは的中、チックが新しく盗んだ車でやってきて再会を喜びます。
よし、出発と車を走らせるがガス欠となってしまいます。
ガス欠になるたびに盗んでいてはリスクがある。だから燃料を抜き取ろう。
そのためにはホースが必要なため探しに行くとゴミ捨て場でプラハに行きたいと願うホームレスの女性イザと出会います。
車があると知ったイザは「ガソリンの盗み方を教える代わりに腹違いの姉がいるプラハの近くまで乗せて」と言います。
マイクは「お腹すいているならベーカリーあるよ」と普通に接するがチックは女性に対して「臭いの気付いてるか」と言い放ちます。
行き着いた先に湖があったので「見に行こう」と言いイザを突き落とします。
笑うマイクだがチックに落とされます。そしてチックはしっかりと服を脱いで飛び込みました。
シャンプーや石けんを持ってきたので身体を綺麗にし服を乾かしているあいだにチックは食料を買いに行きます。
マイクはイザの髪の毛を切ってあげるが彼女が裸であるため目のやり場に困っていると「ヤッたことある?ヤりたい?」と聞かれます。
何の話か察するマイクだが「何を?」と聞き返すとリザはそっぽ向いてしまいます。
「嬉しかった。君の手がボクの膝の上に・・・」と言うとイザからキスされました。
大きな岩には文字が刻まれており一番古いのは1906年でした。チックは三人のイニシャルを刻むと「誰かがOとRとEを書き足せば原発危機となる」と言いました。
マイクはしっかり生き抜いて50年後にここで会おうと言いました。(この言葉は映画の最後の場面です)
リザはプラハ行きのバスを見付けると「必ず返すから30ユーロ借して」といいました。マイクはお金を貸してあげるとリザはチックを抱きしめマイクにキスしてバスに乗り込みました。
結末
チックが足を怪我してしまったのでマイクは教わりながら運転することにします。
チックは自分がゲイである事を打ち明けるとマイクは不思議と一瞬そちらに傾くが「女の方がいい」と結論付きます。
豚を運ぶトラックに煽られ「追い越せ」とチックに言われたマイクはこの冒険で勇気を持つようになりスピードを上げるが無理に車線変更しようとしたトラックが横転し突っ込んで事故を起こしてしまいます。
二人は血だらけのまま道路に座り込み、道路には豚がウロウロしていました。
パトカーがやってくるのを目にしたチックは「施設送りになるから逃げる」と言いました。マイクは「寒いから」と着ていたスカジャンを渡しチックはそれを着て姿を消しました。
警察の保護されたマイクは病院に運ばれます。
チックに15歳から刑罰と教わっていたので「14歳だから罪にならないでしょ」と伝えるが聴取にきた警察から「14歳から罪に問える」と知らされます。
父親は怒り狂い「不器用なお前は黙ってろ、すべてロシア人が悪いんだ」と言いました。
裁判では弁護士が「マイクは脅されて乗っていただけだ」と訴えるがマイクは「違います。2人の思い出です」と言いました。
母親は正直に話す息子を「それでいい」と受け止めるが父親は激怒しマイクを殴りました。
父親が愛人と出かけていくとスパから戻った母親はウォッカ片手にソファーなどプールに掘り投げていました。
マイクは笑いながら手伝い母親と一緒にプールに飛び込みました。
家庭の問題など自分にはたいした問題ではないと気付きます。いや乗り越えたのかな。
夏休みが終わり新学期が始まると成長して逞しくなったマイクを見てクラスメイトは驚きます。
タチアナから視線を送られるようになり「夏休み何処に行ってたの?」とメモが回ってくるが今のマイクにはタチアナへの想いなど既にありませんでした。
チックに会いたい、それだけでした。
感想
冒険はいいのだけどほとんど犯罪なんですよね。
チックは「放浪人」と自分で語っている通り自分が何人なのかもはっきりと分からない移住生活者なのでしょう。おそらく着ている服もすべて盗んだもの、車を盗むなんて簡単だったかもしれない。
「初恋」などの想い出はあるが私には青春を駆け抜けた思い出がないので「大人になってもあの日のことを忘れない」といった感情はない。
ただ、何もしてこなかった事を後悔している。
物語を見てもそれほどまで内容は濃いものでは無いと思うのですが不思議と退屈はしなかった。
ただ、リチャード・クレイダーマン「渚のアデリーヌ」の曲を流し南に向かって車を走らせるのは初めてゲームをする感じがして、楽しさ、希望みたいなものは感じました。