作品情報キャスト
ナチスによる5年の占領から解放されたデンマーク。
捕虜となった若いドイツ兵は海岸線にドイツ軍が埋めた200万以上にも及ぶ地雷の撤去作業を命懸けで行うが次々と命を落とす事になる。
辛く当たっていたデンマーク軍曹は若いドイツ兵と接しているうちに徐々に態度を改めるようになり憎むべき敵を赦すべきではないかと考える。
ネタバレあらすじ/ヒトラーの忘れもの
第二次世界大戦後、1945年5月。
ナチス・ドイツの5年間にわたる占領から解放されたデンマークのラスムスン軍曹は整列して帰郷するドイツ兵に罵声を浴びせます。
「この国からさっさと出て行け!俺の国だ」
ドイツ軍は連合国軍の上陸を阻止するため海岸線の白浜に220万の地雷を仕掛けており、ラスムスン軍曹はドイツ兵の専門家とすべて除去するよう言われます。
しかし捕虜となっていた者は地雷を扱った事もない、ただ異国にとり残された少年兵たちだと分かります。少年たちは工兵部隊のイェンスン大尉から地雷の信管をすばやく抜き取る訓練を受けるが失敗し命を落とす者もいました。
帰郷したい取り残された少年兵
ラスムスン軍曹は担当するエリアに向かうと双子のヴェルナーとエルンスト、セバスチャンやヘルムードなど、まだあどけない少年兵たちがいました。
一瞬戸惑うが返事がないため容赦なく怒鳴り付け並ばせます。
「1時間に6個の地雷を除去し爆死しなければ3ヶ月後には帰れる」
少年兵たちは帰郷したい一心で砂浜を這いつくばり地雷を見付けると発見したと声に出し慎重に砂を掘り信管を抜き取ります。
作業を終えるとラスムスン軍曹は小屋に鍵をかけ閉じ込めます。
少年兵たちは飢えに苦しむようになりヴェルナーは「空腹では厳しい」と訴えます。
ナチスを恨むラスムスン軍曹は「敵であるドイツ人は後回しだからいつ届くか分からん。勝手に餓死しろ」と言い放ちました。
翌朝、弟エルンストが体調が悪く吐き続けているためヴェルナーは休ませて欲しいと訴えるがラスムスン軍曹は仮病だと判断し作業に戻れと怒鳴りつけます。
次々と自爆する少年がいるなかヴィルヘルムも集中が切れ両腕が吹っ飛んでしまいます。ヴェルナーとエルンストは負傷兵を運ぶが他の少年は飢えに苦しみ手助けする気力も失っていました。
手当てをお願いされたラスムスン軍曹は注射をうち病院に運ばせるが戻ってくることはありませんでした。
少年兵たちは飢えに苦しみ家畜の餌を盗んで食べていたため食中毒を起こします。
「ネズミのフンだらけだからお腹壊すのは当然、いい気味だ」と農家の女性は笑いました。
大人の罪を少年が背負う
やたら気安く話しかけてくるようになったセバスチャンにラスムスン軍曹は「俺が質問した時だけ答えろ」と怒ります。
セバスチャンは地雷を効率的に探せるよう手作りするが軍曹が聞いてくれないため「自分たちが憎いから爆死しようか餓死しようか関係ないのですか?除去が完了しないと困るのでは?」と訴えます。
ラスムスン軍曹は少年達と長く接しているうちに大人が起こした戦争の罪を少年に背負わせていいのだろうかと悩みが生じてきます。腹が減っては地雷を探すのも難しいと判断し自ら食糧調達のため車を走らせます。
またデンマークの軍人から虐められているのを目撃すると助けに入り少年たちを小屋に行かせます。そしていつもなら閉めるはずの鍵をそのままにして去ります。
迷い
ラスムスン軍曹とセバスチャンの間には不思議と親子のような感情が芽生えます。
セバスチャンは地雷が2個重なっている事に気付き「中止しろ」と声を出して伝えるが1個目の除去に集中していたヴェルナーは信管を抜き取ったあと持ち上げてしまい爆破してしまいます。
兄と一緒に帰郷するのを夢見ていたエルンストはパニックに陥ってしまいラスムスン軍曹は落ち着かせます。少年たちに希望を持たせるためヴィルヘルムは回復し国に帰らせたと伝えるがセバスチャンには嘘をついた事を正直に言いました。
セバスチャンは「試してください。効果あるから」と首からぶらさげていた十字架を渡すが軍曹が受け取ろうとした時に大声を出して驚かせます。
ラスムスン軍曹は驚くが心から笑ってしまいます。
ラスムスン軍曹はやはり少年に罪を償わせるのは間違いだと思い作業以外の時間は楽しく接し一緒に遊ぶようになります。
しかし、愛犬にボールを取りに行かせるとそこには運悪く見付けられなかった地雷があり死んでしまいます。
愛犬を亡くし悲しむラスムスン軍曹はやはり甘やかしたのが間違いだったと厳しく叱咤し除去したエリアを腕を組み一列に並ばせて歩かせました。
結末/ヒトラーの忘れもの
まだ幼い娘イリザベトがまだ除去していないエリアに入ってしまい家畜農家の女性が助けて欲しいと小屋に駆け込んできました。
セバスチャンが這いつくばって地雷を探しながら進むが、軍曹が見守るなか遅れてやってきたエルンストが地雷を探すことなくズカズカと近付きました。
セバスチャンが安全を確認しイリザベトを抱っこして戻るが兄は死んだのだと自棄になったエルンストは軍曹の命令に逆らい危険地帯を歩き回り自爆してしまいました。
ラスムスン軍曹は「もうすぐ終わる。もうすぐ帰れる」と少年兵を元気付けます。
地雷をトラックに運んでいた少年兵が爆破に巻き込まれ命を落とします。
ドイツに帰郷したら何をしようかと楽しみにしていた矢先の事で残ったセバスチャン達4人は落ち込みます。
ラスムスン軍曹は終わったら家に帰すと約束していたのにも関わらずエベ大尉が勝手に呼び戻しセバスチャン達をスカリンゲンに送りました。
スカリンゲンには何処に地雷があるか分からず経験者が必要だったのです。
「死なせたくない。国に帰してやってくれ」
そう願うラスムスン軍曹だがエベ大尉は命令だから仕方ないしドイツ兵だから問題ないと言いました。
ラスムスン軍曹はセバスチャン達をトラックから下ろし「500メートル先が国境だ。走れ」と逃しました。
2000名を超える独軍捕虜が除去した地雷は150万を上回るが半数近くが死亡、重傷を負いました。