作品情報キャストの紹介
弁護士ハワードはニューヨーク郊外の自宅に戻る途中に電車が停電で止まり帰宅が遅れます。
ガレージの屋根裏部屋で眠ってしまうと最近仲が悪かった妻ダイアナから自分が浮気をしていると疑われると思い家に戻れなくなる。家族を観察することに取り憑かれ近所で残飯を探しては食いつなぎ失踪を装う
ネタバレあらすじ
シークレット・ルーム
郊外に住む中年男性の弁護士ハワードは帰宅する時に停電により電車がストップしてしまいます。
夜遅くなってしまったがなんとか歩いて到着するとアライグマがガレージに中に入り込むのを目撃し追っ払うために中に入ります。ふとガレージの屋根裏から家族を覗いてみると喧嘩中の妻ダイアナが心配そうに自分の携帯にかけていました。
結婚して15年経った今でも「興奮するから嫉妬はいい刺激になる」とハワードは思っています。しかし昨日は嫉妬を訴え身体を重ねたあとダイアナから「監視にはうんざり、誰とも会話すら出来ない」と言われちょっとした口論になってしまったのです。
ダイアナが自分の晩飯をゴミ箱に捨てたのを見たハワードは帰りづらくなりそのまま朝までガレージで寝てしまいます。
「ダイアナは自分の浮気を疑うだろう」そう思ったハワードはガレージで夜を明かした理由をどう弁解すればいいか分からなくなり、とりあえずダイアナが仕事に行くのを待つしかないと思います。
ゴミ箱に捨てた昨日の晩飯を拾い食べながら娘を見送ります。
ダイアナが心配そうに自分を探しているのを見てハワードは面白くなってきたと思うようになります。
しかし、ダイアナが通報したため警官二人がやってきます。ハワードは双眼鏡を取りだし覗くと警官は「どうせ何処かで女と遊んでるよ」と笑いながら帰って行きました。
泣きながら食器を洗っているダイアナを見てハワードは後悔するが、そこへダイアナの母親バープがやってきました。
「彼にそんな価値はない、自分を守らなくちゃダメ」とバープは慰めるがダイアナは通帳を取りだし「家族を捨てる気なら解約するはずだ」と言いました。双眼鏡で覗くハワードは「おしゃべりクソババァ」と罵ります。
警察や母親を呼んでおきながらダイアナは普通どおりに出勤しました。
ハワードは「夫が行方不明なのに!!」と愚痴りながら留守である家に戻り食事して綺麗なスーツに着替えます。昼間の部屋にたたずみハワードは悟ります。
「ダイアナは結婚した事を後悔している」
鞄の中に入っている巨大な収入が見込める案件の書類の事も全てが遠い出来事のようにハワードは感じます。
家ではパーティーが行なわれていたがダイアナに楽しんでいる様子はなく外に出て涙を流していました。そこへハワードの同僚ベン弁護士が近付きます。
ベンは慰めたいが言葉が見付からず携帯電話を取り出し通り過ぎました。それを見ていたハワードは笑います。
手元の金を心配するがカードは使えないので残飯をゴミ箱から探して食い繋ぎます。数日前まで当然だった生活は必要ないと思い放浪者のように暮らし続けます。
妻や娘から離れてもそばで見守っているのだ。
隣家のソンダーヴァン医師はダウン症や発達障害の権威で知られ交流会が行なわれていました。
微笑ましく覗いていたハワードだが患者エミリーと目があってしまい咄嗟に隠れます。
弁護士として身だしなみをしっかり整えていたハワードだが今では髪の毛や髭は長く、まるで別人のようになっていました。
ベン弁護士が身だしなみを整えやってきて書類を差し出してきました。ダイアナの元にはいろんな請求所が届いていたのでベンは助けようとしているのかもしれない。
悩むダイアナの手にベンの手が重なります。「あのやろ」と思うハワードは手をはねのけろと願うとダイアナは立ちあがり喜びます。
ハワードはバレーを習うダイアナと初めて会った時を思い出します。
ダークとは同窓会で出会って意気投合し数年後に彼の投資会社と仕事をしました。
ハワードは彼の競争心に刺激されダークの恋人ダイアナに近付くと彼女は二人の間で揺れました。ダークとまだ身体の関係になっていない事を知ったハワードは自分とはあると嘘を付きます。
すると計算通りダークは身体の関係を強引に迫り、嘘を付いたハワードを殴りました。
見事にダークは暴力的な人間なんだと思わせダイアナと身体を重ねる事に成功したのです。
親友の彼女じゃなかったらどうしていただろうか・・・結婚して1年過ぎた頃にも思いました。
双子が生まれると、人生がかけがえのないものに思えるが、同時に突然奪われるかもしれない不安も感じました。
失踪や離婚なら何人の男と出会おうが誰からも責められないが消息がはっきりしないので誰もダイアナには近付けない、ハワードはダイアナを苦しめているのかと自問します。
ハワードの思いは一つ、「自分と同じように私を求めて欲しい」。
結末
毎年、夏休みには旅行へ行っていました。今年も行くようだと気付くハワードはどこにそんな費用があるのか悩んでいるとダイアナと双子の娘の会話の中に自分の名前があがった事がない事に気付きます。
ガレージには旅行用品が置いてあるため取りに来ると分かるハワードは荷物を整え野宿します。
翌朝、ハワードは家に向かうとダイアナと娘はバープの車に乗り込み出掛けて行きました。
ハワードは昼の公園を歩きながら予定を変更して早く帰ってきて遭遇した事を想像し笑います。
寒くなって来たのでゴミ箱から靴を手に入れると縄張り争いで追われ必死に逃げるとエミリーとダウン症のハベットに出くわしてしまいます。
会った事は誰にも言わないでくれとハワードはお願いするとガレージに二人が遊びに来るようになります。人との交流を忘れ孤独だったハワードは二人と接して喜ぶがガレージにいるのは限界だろうと思います。
ダイアナがダンスを習い始め、娘たちが母親に似てきます。
自分がいない方が幸せだろうと自分に思い込ませます。
今更戻って何を始める?
状況をどうやって説明する?
正気を取り戻したハワードは、かつてないほどダイアナを愛していました。
真冬、凍えそうになりながら寝ているとダイアナに優しく起こされます。それは幻覚であり実際にはメアリー達が温かい飲み物を届けにきてくれたのです。
フラフラと出歩いたハワードはダイアナと目が合うが彼女は気付きませんでした。
いつから一方通行になったのだろうか…
自分のものであってそうでないダイアナへの強い愛情のみが残った。
会いに行き拒絶されたら本当にダイアナを失うかもしれない…それが怖くて会いに行かれないのか…
夕食に招待された男を確認するとダークでした。ついに不正が発覚してしまったのだと思うハワードは、ダイアナが望むならダークを選ばせてあげるが見届ける事はできない。
ダイアナの意思に任せようとハワードは身体を綺麗にし髭を剃り髪の毛をバッサリ切ってスーツを買いに行きます。
身だしなみを整えたハワードは喜んでくれるのを期待しながら、ダークではなく自分を選んでくれるのを期待しながら玄関のドアを開け「たたまいま」と言いました。