映画「ウォーキング・ウィズ・エネミー/ナチスになりすました男」ネタバレあらすじと結末/ユダヤ人を救う

 

作品情報・キャスト

ピンチャス・ローゼンバウムがナチス将校に扮して何千人ものユダヤ人を救出した知られざる実話を基に映画化。

ドイツの同盟国だったハンガリーは国家元首が連合軍との講和を模索したため攻め込まれる事に、収容所から抜け出した青年はナチス将校に扮しユダヤ人を救出しながら家族や友人を探す。

監督=マーク・シュミットエレク(ジョナス・アームストロング)ホルティ(ベン・キングスレー)ハンナ(ハンナ・トイントン)アイヒマン(チャールズ・ハベル)ルッツ(ウィリアム・ホープ)
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ネタバレあらすじ/ウォーキング・ウィズ・エネミー

ナチスになりすました男

 

1944年第二次世界大戦中、ドイツの同盟国ハンガリーは当初戦火を免れていました。

エレクは故郷を離れレコード店で働きながらブタペストの大学に通っていたがユダヤ人であるためたまに人種差別を受けていました。

それでも戦場は遠い世界のことでダンスに講じ他の事に夢中でした。

 

戦況が連合国側に傾きハンガリー政府、国家元首ホルディは連合軍との講和を模索すると、その思惑に気付いたドイツはブタペストに侵攻してきました。

レコード店でラジオを聞いていたエレクは親衛隊中佐アイヒマンがいるのを目にした店長から「ブタペストは危険だから実家に帰れ」とお金を渡されます。

故郷に戻ると「労働奉仕命令」の張り紙を見付け行かなければ反逆罪になる事を知ります。

実家に帰ると両親や姉は喜んでくれます。しかし「ユダヤ人への迫害はすさまじい、ドイツ人が来る前に逃げろ」と忠告を受けていた父親は「私は常にキリスト信者に寄り添う」と答えました。

父親の意思に背くエレクは神父様から洗礼証明書を受け取り「もしもの時は父さんに渡せ」と姉に預けました。

 

脱走・帰省

西部国境地域ユダヤ人労働収容所に連れてこられたエレクだが脱走しようとしたユダヤ人が殺され吊るされていました。

道路掃除や線路の設備など奴隷のように働き死体を埋めることまでさせられました。

矢十字党サーラシ党首はアイヒマンを訪ね「我々は長年にわたりユダヤ人に寛容なホルディには反対でした。貴国の意図を察してユダヤ人一掃のお手伝いをします」と挨拶を交わします。

奴隷の日々が続いていたエレクは仕事ができなくなった仲間が次々と射殺されるのを目にします。収容所を仕切っていたのはハンガリー人であり誰が味方なのか分からなくなります。

エレクは空から連合軍の攻撃を受けた隙に川に飛び込み友人フェレンツと共に脱走して故郷に向かいます。

 

実家になんとかたどり着くがハンガリー人家族が住んでいて憲兵を呼ばれます。

故郷にいたユダヤ人は憲兵に連れて行かれ善人だと思っていたハンガリー人は皆見て見ぬ振りだったと知ります。

エレクとフェレンツはブダペストのユダヤ人地区に行くが荒らされていました。黄色い星の家にユダヤ人がいると知り向かうとレコード店主と再会します。ここにいるユダヤ人はスイスが発行する保護状を持っていました。

ダンスパーティーで知り合ったハンナが2人の親衛隊員に追われ逃げ込んできました。娘を助けようとした父親は射殺されハンナは別の部屋で強姦されそうになるがエレクが突入して助けました。

エレクは親衛隊員を埋めるため穴を掘ります。

 

ナチスに扮して救出

スイス大使館の別館ガラスハウスに保護状を求めユダヤ人が集まります。 

エレクは続けていれば家族に会えると思い保護状を届けるのを手伝うがラジオを持っていただけで射殺されるユダヤ人家族を目撃してしまいます。

生き残った行く当てがない少年アダムを連れてガラスハウスに戻るが外交の仕事場であって寮ではないと拒否られます。

エレクとハンナは身寄りのない子を保護している修道院にアダムをお願いしました。

ハンガリーにはユダヤ人がまだ20万人もいるためエレク達は偽造保護状を大量に作り届けます。

エレクは偽造保護状を大量に持ったフェレンツが矢十字党に連行されるのを目撃し星の家で殺害した親衛隊員の服を着てなりすまし救出します。

友を救ったエレクだが「1人を救うたびに数千人が危険にさらされる」と忠告を受けます。

 

ホルディがスターリン首相との交渉を成立させ戦いは終結したとラジオで流れます。停戦条約に同意し連合国に降伏したためです。

普通は降伏に喜ばないがユダヤ人にとっては最良の結果であり知らせは街中に広がります。

ドイツ軍の攻撃を受けハンガリー政府は連合国に関連する書類を処分し始めるが突入してきたアイヒマンはホルディの息子が持っていた停戦条約書を手にしていました。

「矢十字党に権力を譲らなければ息子は処刑だ」と脅されたホルディは「そんな卑劣な手段にハンガリー人は屈しない」と言い放ちます。

政権を奪った矢十字党はラジオ曲を乗っ取り「総統とサーラシ首相が同盟を結び停戦の話は消えた。我が国の全部隊は引き続き祖国のため連合国と戦う」と流しました。

 

ナチスと矢十字党はユダヤ人の掃討作戦を開始し次々と連行し抵抗するものはその場で射殺します。

連行されたユダヤ人は壁に手をつき順番に背後から射殺されていきます。

ハンナの親友レイチェルが連行され、エレクは親衛隊員になりすまして駆けつけ「スイスの保護状を持つ者はやめろ、矢十字党にスイスとの関係潰させない」と訴え助けるがレイチェルは間に合いませんでした。

矢十字党によりハンガリーは最悪の事態に陥っていきます。

 

エレクの家族達を含めたユダヤ人は1日1万人が処刑されているポーランドのアウシュヴィッツ収容所にいました。

(家族は他の50万人と共に死亡)

エレクは親衛隊員になりすまし会合に出るとユダヤ人たちが行楽地だと思って向かったヴァルデンゼーは死の地だと知ります。

連行されるユダヤ人をエレク達は壕を掘るからと説明し連れて行きます。アイヒマンによる一掃作戦の中、連日連夜救出を続けるが救い出した数が増えた分だけリスクも高まっていきます。

教会でユダヤ人を匿っていたのがばれ川に連れて行かれ次々と射殺されていると神父から聞いたエレク達は向かいます。

そして要塞建設のため連行すると訴えるが何度も矢十字党員と顔を合わせているので怪しまれます。

ユダヤ人が逃げ出したのを機に銃撃戦となってしまい友人のラヨスが死んでしまいます。大勢のユダヤ人を救ったしもうやめようとフェレンツから言われるがエレクは「助けた数だけ同じ悲しみを味合う人が減るんだ」と訴えます。

 

結末

行列はどこまでも続き何人救えるか分からなかったがスイスの保護状は有効なため、保護状を持つ者を見つけるまで動くなとスイス領事とエレクは矢十字党に訴えます。

保護状を持っていない者には新聞紙を持たせ救出して行くが親衛隊がやってきて監視されます。

エレクは仕方なく新聞紙を持つものを列から離すと「脱走と同じだから射殺しろ」と命じられます。

エレクは森の中に連れて行き逃がそうとするが「時間がない」と止められ目の前で多くのユダヤ人が始末されてしまいます。

みんなの恐怖の顔が忘れられないエレクは「仕方がない」とハンナに慰められます。

 

連合軍に包囲されたアイヒマンは「ユダヤ人一掃作戦を続けろ」と命じベルリンに逃げます。

矢十字党の会合に出ていたエレクはガラスハウスも潰されたと知り親衛隊員の列に紛れるが激しい連合軍の攻撃を受けます。

多くの死体に紛れて助かったエレクは隠れ家に戻り多くのユダヤ人に「終戦は近いから希望を捨てるな」と励まします。

ハンナがいない事に気付きフェレンツに聞くと戦闘が激しいと助けを求められ修道院に迎えに行ったと知ります。

エレクはハンナを含めたユダヤ人が処刑されそうになってる場に駆けつけます。

「我々は包囲されていて敵の狙いはドイツ兵士です。この状況で女、子供を始末してる場合ではない」と訴えるとアイヒマンから指揮権を受け継いだ者が「解放して持ち場に戻れ」と命じました。

しかし、アダムが「エレク、一緒に帰ろう」と近寄ってきたため偽者だと気付かれ撃たれてしまいます。

ハンナは泣きながら駆け寄り必死に声を掛けました。

 

〜13年後、

戦後、養子にしてもらいアメリカで育ったアダムは結婚式で父でもあり命の恩人であるエレクに感謝を述べました。

「生き延びた人の顔を見ると亡くなった人々の顔も浮かぶが、彼らの思いを背負って生きていく」

エレクの横には愛する妻(ハンナかな?)が微笑んでいました。

サーラシは反逆罪で1946年に絞首刑。

アイヒマンはアルゼンチンに逃亡したがイスラエルの工作員に捕らえられ1962年に絞首刑。

ホルディと息子はドイツに軟禁、戦後も祖国に戻れずポルトガルで死亡。

大勢を救ったスイス領事ルッツは1976年に他界。

ローゼンバウムは自身の功績を語らず1980年に、妻は2010年に他界しました。

2005年ブダペストでは犠牲者に敬意を表しブロンズの靴が作られた。

 

洋画
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