作品情報・キャスト
中島美嘉の大ヒット曲「雪の華」をモチーフに岡田惠和が脚本を務め橋本光二郎監督が映画化。
余命1年の宣告を受けた美雪は前に引ったくりに遭ったときに助けてくれたガラス工芸家志望の悠輔を目にして後を付け彼が働く喫茶店に入ります。
喫茶店が経営難に陥っている事を知った美雪はお金を渡し「そのかわり1ヶ月恋人になってください」と勇気を持って声を掛けました。
そんな彼女の夢はフィンランドで赤いオーロラを見ることだった・・・。
ネタバレあらすじ「雪の華」
オーロラ
サンタクロースが住む町フィンランドはパパとママが出会った場所で中でも赤いオーロラが見れたら幸運が訪れるという。
「フィンランドで赤いオーロラが見たい」
そんな願いを子供の頃から持つ平井美雪は今回も見る事ができずがっかりします。「また来ればいい」と前向きに考える人がほとんどだが美雪は幼い頃から体が弱くそんな余裕はないのです。
赤いオーロラどころか普通のオーロラでさえ見る事が出来ていません。
いつもの定期検査の結果を聞きに行った美雪だが岩村先生とは長い付き合いなので悪い結果なんだと察知します。
どう切り出そうか迷っている時に先生は耳を触る癖があるのです。
「あとどのくらいですか?」
「この1年悔いのないよう過ごして」
たった1つの願いであるオーロラも見れずなんでこんな人生なんだと絶望しながら歩いていると自転車に乗る男に引ったくりに遭います。
ツリーを運んでいた綿引悠輔が追いかけ鞄を取り返してくれたが「助けてとか何か言えよ、なんで何も言わねーんだ」と怒られます。
「声に出さないと分かんねーぞ、声出していけよ」と悠輔は去って行きます。
雪が降り始め見上げていた美雪は悠輔の言葉が雪を溶かし心を温かくしてくれたような気になりました。
交換条件
桜の季節、これ以上みんなに迷惑掛けられないと美雪は退職します。
記帳を済ませた美雪は「これで生きていけるのか」と不安を抱えるが鞄を取り返してくれた悠輔を見かけ尾行するとカフェ「Voice」に入っていきました。
美雪は店に入ると「いらっしゃいませ」と悠輔に言われ店員なんだと分かるが彼は覚えていないようでした。
「初めてですか」と聞かれた美雪は「この間・・・」と口にしたところで店のことだと把握し「そうです」と返事しました。店に置かれているガラス細工はすべて悠輔が作った物だと知りガラス工芸家なんだと知ります。
悠輔の妹・初美と弟・浩輔が店にやってきて「ベルギーワッフル食べたかったけど岩永さんいないなら止めとく」と言いました。
「俺が作ったのマズイと思われるだろう」と悠輔が注意すると妹弟は帰っていきました。
美雪はベルギーワッフルを注文し「大丈夫です」と伝えると悠輔は「美味しくないのか、不味くはない程度なのか」とよく分からないので返事に困ります。
独りっ子の美雪は兄弟がいて羨ましいと思うが悠輔は両親がいないので仲良くするしかないと言います。
そんな時、悠輔の先輩で経営者の岩永が店に戻ってくるが経営難に陥っている事を耳にしてしまいます。
100万工面できればなんとかなると知った美雪は悔いのないよう大事に過ごすために、そして「Voice」の看板を見て「100万使ってください」と通帳を差し出しました。
はじめて会った人に大金をかすなんて頭おかしいと思われた美雪は「1ヶ月わたしの恋人になってください。それでどうですか」と言いました。
悠輔は戸惑いながらも店を潰すわけにはいかないので条件を受け入れ、美雪は声を出せたことに満足します
恋人ごっこ
美雪は恋人が出来たらしたい事を手帳に書き始めます。
はじめてのデートの日、そわそわした悠輔がやってきます。美雪は「照れたように待たせてゴメンと言って」と要求すると戸惑いながらも悠輔は従います。
悠輔はどうしても「なんで」と思ってしまうので理由を知りたがるが美雪は「契約成立したんだからちゃんとやって、自分で考えて取り組んで、嫌そうにやるなんて男らしくない」と不満をぶつけます。
デートを終えて別れるときに悠輔がさっさと行ってしまったので「私が振り返っても普通は見てるでしょ」と訴えます。悠輔は仕方なく彼女の姿が見えなくなるまで見ているが何度も振り返って手を振ってくるのでため息が出ます。
悠輔は家に帰ると「今日晩飯作る日でしょ、最低」と責められたので「俺は今日大変だったんだ」と苛立ちをぶつけます。
ランチの約束、美雪はオシャレしてメガネを外して待っているが何も言ってくれないのでふて腐れます。
「メガネ外したんだ、いいんじゃない、可愛いんじゃない」と悠輔はそっけなく話すと美雪は上機嫌になります。
ランチしたいなら店に来ればいいと悠輔に言われた美雪は「恋人がいたら働きにくいだろうし・・・」と遠回しに言うと「普通恋人なら来るんじゃない」と行ってくれたので今から行くと言いました。
悠輔は戸惑いながらも「彼女です」と先輩に紹介すると美雪は幸せだと感じます。
どこで出会ったのか聞かれた悠輔は「間接的ですけど先輩のおかげで・・」と言いました。後片付けの手伝いをする美雪に「このグラス好きだな」と言われた悠輔は喜びます。
夜遅いので家まで送っていくと言われた美雪は「ここで大丈夫」と断るが帰宅すると「ちゃんと家についた?」と悠輔がメールが来たので喜びます。遊びに来ていた母親の礼子は彼氏が出来たんだと察知し写真見せてと言いました。
素直になれなくて
美雪は「本当に好きになっちゃったから別れる事考えたら辛いな」と先生に話します。
悠輔の写真を見せて楽しそうにデートした事を話すが二人を目撃した悠輔は嫉妬している自分に気付きます。
悠輔の家に招待された美雪は彼の弟妹を紹介されるが初美に冷たい態度を取られます。
美雪は何でだろうと考えるが・・・
「そうか、嫉妬ですよねこれ、お兄ちゃんに彼氏が出来て不機嫌になるやつ、少女漫画によくあるやつですよね」とテンション高くなります。
嫉妬されるのが人生初めてなので嬉しいのです。
弟妹とも仲良くなると「お兄ちゃんは人には声出せとか言うくせに自分は全然言わない」と教えられます。
悠輔は父親がガラス工場を営んでいたのでなんか自分も作ってみたくなったのだと説明すると弟に「工場で1人で泣いてたのは言わないの」と言われ頭を引っぱたきます。
そんな仲良い兄弟のやりとりを見て美雪は幸せすぎて涙を流していました。ガラス細工をプレゼントされた美雪は「もしかして本当に好きになっちゃいましたか」と聞くとそんなわけないでしょと言われてしまいます。
このままだと別れるときに辛くなると思った美雪は「そろそろ治療に専念して欲しい」と先生に言われていたので「最後の大イベントで契約が終わりです」と伝えます。
「オーロラが見れる季節じゃないけどフィンランドにレッツゴー」
「はっ?」
結末 雪の華
「恋人なんだし・・」とぎこちなく2人は手つなぎフィンランド観光を楽しみます。
最後の夜、別々の部屋に宿泊していた悠輔は部屋をノックしようとしたが思いとどまって引き返します。
「わたし悠輔のガラス好き、続けてね。悠輔の恋人楽しかった」
フィンランドを観光して新しい物を作りたいと思えるようになっていた悠輔は契約終了が迫っていたので思わずキスしてしまいます。
悠輔は契約を延ばして欲しいとお願いしようとするが、それを察知した美雪は話を遮り「今までありがとう。この旅行で終了って決めたの」と伝えました。
帰国した美雪は「わたし一生分がんばった」と泣きながら母親に抱き付きます。
互いに想いながらも月日は流れていきます。悠輔は美雪を想いながらガラス造りに専念しているとボーッとしていて割ってしまいます。
その時、初美から電話があり弟が病院に運ばれたと知らせを受け駆け付けるがピンピンしていたので心配掛けさせんなと頭を叩きます。
「なにかあったらすぐに連絡するんだ」と先生に忠告を受ける美雪を見かけた悠輔は「彼女どこか悪いんですか、教えてください」と頭を下げると話を美雪から聞いていた先生は正直に伝えました。
悠輔はすべてを把握するが引ったくりに遭った女性なんだと言うことも聞かされ思い出します。
美雪は「これがラストチャンスだから行きたい」と母親を説得しフィンランドにいました。
赤いオーロラを見ると幸運が訪れると話を聞いていた悠輔もフィンランドに到着しヒッチハイクをしてレヴィに向かっていました。
美雪はガラス細工を握りしめ祈りながら「悠輔会いたいよ」と叫ぶと「なんで黙ってたんだよ、恋人に隠し事すんなよ」と言われ驚きます。
悠輔から「やりなおしだ」と言われた美雪は「いつまで」と聞くと「ずっと」と言われ涙を浮かべます。
美雪はガラス細工にオーロラが反射しているのに気付き悠輔と一緒に見上げると緑色のオーロラが広がっていました。
寄り添うと徐々に赤いオーロラへと変わっていき2人はキスを交わしました。
感想 雪の華
中島美嘉「雪の華」の歌詞がストレートで分かりやすいので先が読めてしまうしありがちな内容でしたね。
逆に楽曲がモチーフだとは知らずに見た方が楽しめるかもしれない。
そして男性の演技力がちょっと・・・^^;
あらためて想ったのは本当に「雪の華」は名曲だということですね。映画では特にありがちだった事もあり感動はしませんでしたがエンディングで流れる「雪の華」を聴くと込み上げてくるものがありますね。